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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1201-1300

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URIAH HEEP - Wonderworld - Wonderworld ★★★ (2020-12-01 20:46:21)

ドカーンと始まるHEEPらしさも全開です
静と動のコントラストも見事に描き重厚かつ幻想的な世界観を描き切っている
アルバムのオープニングに相応しいドラマティックな一曲
バイロンの個性の無さが逆に生きている
だから聴き手が思い思いの感想を残せる


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Running like a Tiger ★★★ (2020-12-01 20:32:58)

甘いなぁ
フックのあるメロウなメロディ
甘い旋律がギュッと抱きしめてくれるミドルナンバー
それでいながらも荒涼とした大地が目に浮かぶのがよろしいです
ロック然としたハードさとJ-POPよろしくなキャッチネスに酔います
歌い手もアニソンロックみたいなイメージなので合っていますが
それ以上でもそれ以下でもないのがチョイと気になります


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 ★★★ (2020-12-01 20:27:19)

ソロアルバム照魔鏡をリリースして20年以上経過しているダミアン浜田が遂に本格的な始動。WEBニュースでもチョイとした話題だが、聖飢魔Ⅱの初期のアルバムでは、ダミアン浜田陛下の楽曲が数多く採用、あの時代が一番好きだと言うマニアも多いはずで、あの時代で聴ける様式美然とした正統派サウンドは、独特の世界観を有しており、悪魔的な美意識に富んだスタイルを築いていた。
そのブレインだった、ダミアン浜田陛下。ソロアルバムでは自身が唄っており、お世辞にも上手いと言えず楽曲の魅力を引き出しきれずにいたが、今作は専任ヴォーカルを設け、バックメンバーも従えての本格的なバンド形態をとっており、俄然興味を引き出されました。
バックを支えるメンバーはプログレバンド金属恵比須という事ですが、献身的にダミアン浜田陛下ワールドを演出、どれくらいのレコーディング期間だったのかは分からないが、時間はかけていないだろうと推察するが、叙情的なメロディが重厚に鳴り響く幻想的な世界観を受け止めています。
シンガーは伊舎堂さくらさんというメガネっ子女子、上手くやっているが、今のところモノにしているとは言えず、キャラも薄めなので、個性を磨く必要があるのだろう。沖縄のオーディション番組などを経て世に出ているらしいのですが、詳しいことはサッパリなので割愛します。
いずれにしろ、ダミアン浜田陛下が齢10万59歳にて、動き出したロックグループ。疾走感のある叙情派サウンドの合間にキャッチーでメロウな④みたな曲を放り込めるセンスにグッときますね。
勿論、オープニングのSE的な①かららしさ全開なので、初期型聖飢魔Ⅱのようなスタイルが好きな方は文句なしにイケるでしょう。デーモン閣下が唄えば、それは聖飢魔Ⅱになる仕様です。そしてこちらは専任キーボードがいるので、より叙情的で幻想的な世界をタップリと味わえます。
でも、カラオケヴァージョンを入れて水増ししたのはマイナスですよ。同時期に2枚出しているじゃん。あっちもカラオケ入り。んなもの1枚を2枚にしただけでしょう。CDが売れない時代ですから分かりますが、もう廃れ行くCD文化、いつまでも固執する日本の音楽シーンの時代遅れ感には苦言を呈したくなります。


RAJAS - Believe ★★ (2020-11-30 18:48:49)

2014年にリリースの6曲入りEP。まず、ハードなドラミングに導かれるオープニングに驚く、サウンドメイクも前作を経てもっとハードにファットにいこうとなったのだろう、テクニック的に劣るわけではないベテラン達が本気で牙を向いてきた。それだけ強靭なグルーブもツインギターコンビもノリノリで攻めてくる。そんなハードなバッキングに対して、センちゃんの歌うメロディは極めて明るくポップに弾けている。非常にポジティブで前向きな印象を与えるライトな感性とハードさ全開の演奏、その究極のミスマッチ感を武器にバンドは勝負を賭ける様です。その流れを壊さない後続の楽曲、狙いを定め進むべき道を決めたバンドにスキは見当たらない。
オマージュも隠し味として存在感を発揮してるもの◎。和製ロック臭も倍増しているが、それこそが、このバンドの魅力でもあるのだから、文句なしである。あとは趣味嗜好の問題でしょう。
全てが男前になりグッとしまったハードテイスト、センちゃんのライトなメロディラインを最大限に生かし共存させた手腕に一日の長を感じますね。


RAJAS - Mother of the Earth ★★ (2020-11-30 18:38:09)

再結成後2枚のミニアルバムをリリース。前作ではオズマこと臼井孝文の曲も取り上げ往年のファンを喜ばせていたラジャス。その後、活動は続けていたが2013年にようやく完成させたフルアルバム。
大げさなSE風のインストも盛り込み展開されるは和製ロックサウンド。そのバタ臭さを懐かしいと思うか、カッコ悪いと思うかで評価も分かれるのは昔から、そういう意味では大人に成長した感性を大切にしつつ、変わらないスタンスを披露。とにかく昭和の生活感がプンプンと漂う森川の歌詞がバンドのカラーを決めている。
極めてポップなハードサウンドで勝負をしていた80年代、そのスタイルから逃げずにアップデートされた現在のRAJAS、彼等にしてはハードなタイトルトラックなども収録と意欲に溢れた一枚へと仕上げている。歌心のあるメロディを奏でるギター、ファンキーなグルーブのベース、そして福村のドラムもバシッと決まりバンドとしての一体感をアピールする事に成功。今が最も脂が乗り切っている時代なんだと思わせる充実感があった。
個人的には少々、身内にウケるようなスタイルであり、外向きに強いメッセージを発しているように感じないのは残念だが、彼等のファンにとっては大満足の一枚でしょう。
ベースの七條義則にとってもRAJASとして、ようやく正式な音源を残せた。


HELLOISE - Polarity ★★★ (2020-11-27 17:41:55)

オリジナルは1986年、大手のWARNER BROSからのリリースですよ。デビュー作は割とガチムチのパワーメタルに複雑な展開を持ち込む硬派なバンドだったが、今作は一転してメロディアス度が増量、真摯に向き合うメタル道からは外れてはいないが、感触は明らかに違うものになった。
しかし、このスタイルは日本人には大いに受けるものであろう。例えるなら王道HM/HRスタイルに、ハロウィーンのような親しみやすいメロディを導入、高揚感を高める疾走感と口ずさめるメロディ、子供から大人まで楽しめるバランス感覚を持っている。個人的には、ハロウィーンの幼い感じがどうにも苦手だが、このバンドは、そういう子供ぽさがないのでメジャー感とマニアックなメタルサウンドを上手くミックスして機能させている。
テクニックも表現方法も充実、欧州風味満点のメロディと重量感も損なわないキャッチネスさ、瑞々しいと感じさせる躍動感もあり、正統性の強いHM/HRをお探しの方には、是非とも聴いて欲しい一枚ですね。

余談ですが、このアルバムにはちょっとした思い出があります。学生時代の友人が、良いアルバムあるぞと仲間に紹介、みんな楽しんだのに、その後、金持ちのボンボンに家にあった商業誌のレビューを見て態度を一変、ワタクシは、ボンボンが大嫌いなので、極力顔出さないので、その場にいなかったのだが、その様に友人は落胆したと言う。

友人『○○ちゃんお前はどう思う』
ワタクシ『雑誌のレビューを読んだくらいで突然いいものがイマイチにはならんよ』
友人『そうだよなぁ、あの場所にいたら自分がおかしいのかと思うほど皆態度を変えたぞ』
ワタクシ『だから俺はボンボンの家に行かない、あいつ雑誌の切り抜きだからな、自分の意見がないんだよ』
友人『そうだなぁ、俺もあんまりいかないわ、でもアイツ金あるし、レコードいっぱいもっているからなぁ』

後日、そのレビューを読ましていただきましたが、詳しい内容は流石に覚えていないが、要するに歌は上手いが曲が印象に残らない、ときめかないみたいな評論でした。
あの時はワタクシは友人に断言しました、世の中体制に寄せていくのが一番楽だ。そして雑誌に全乗っかりすれば間違いは起きないとね。ヒットチャートとは無縁と思っていたメタルの世界。ある意味、専門誌が少ないので、一番タチの悪い連中が多いのかもしれません。
このアルバムにはそんな思い出が詰まっています。


MORS�RE - Acceleration Process ★★★ (2020-11-27 16:53:26)

フランス産の元祖スラッシュメタルバンドによる1st。とにかく理論などお構いなしのスピード狂サウンド驚きます。ペタペタと浅く踏まれるドラム、元祖ブラストビートとも言える仕様だが、何とも言えないチープさがあり、もう少し音作りに工夫が欲しいと思う。本当に生ドラムなのかと勘繰りたくなる軽く薄いドラミングだ。
また、唄も唐突に始まり曲作りに対するアプローチもお粗末に感じる面もあるのだが、そんな弾けるパンキッシュさも味方につけ、とにかく突っ込んできます。時折、キレのあるフレーズを放り込みバンドサウンドを牽引するギター、裏で支えるのみならず自己主張をガンガンと出してくるベースの強めの存在感、シンガーも喚き散らすだけではない、妙なシアトリカルさも出したりと、直線的なビートの上に不思議な感性も持ちこみ、何とも言えない個性を発揮。
ハードコアパンクス+スラッシュ的なスタイルとも言えるが、時折、唖然とさせるほどインストパートがバトルを展開、その火花散る剣劇に思わず息を飲むが、アイデアが渋滞気味で、上手く機能していないと感じるのが難点。
しっかりとしたプロデュースとミキシングがいれば、こうはならなかったと思うが、そうだと破天荒な個性が死ぬので難しい問題だ。バカバカしいほどのスピード重視の姿勢、ちょっとよそ見をすると今何曲目を聴いているのか?見失うのも、ここまでくれば逆に魅力だろう。
デスメタルにも通ずる峻烈なる激情、見も蓋もないスピード命の彼等が奏でるサウンドはダーティーで嘘くさい。その不埒な悪行三昧が、イイ感じで音に現れており、独自性を強めている。1985年に、こういう音を確立したバンドがいたんだといことをひっそりと教えたい。
物好きなスピードマニアならトライする価値大ありです。こんなもん商業誌で紹介されるわけがない。


MEGADETH - Dystopia - Fatal Illusion ★★★ (2020-11-26 18:15:54)

これが新生メガデスなのか
そういう各メンバーの色が上手く出ている
キコはムステインを意識していても染まってはいない
だから自分を出せる
粘り腰のヘヴィグルーブを叩き出すリズム隊も強烈


MEGADETH - Dystopia - Look Who's Talking ★★★ (2020-11-26 18:12:19)

全曲の流れを壊さない
アコギのイントロ
不気味でダークな色合いの中にゾッとするような美しさもある
そのままインストで終わるとは思わなかったが
流れ的には抜群だった


MEGADETH - Dystopia - Bullet to the Brain ★★★ (2020-11-26 18:09:34)

蛇みたいに厭らしく絡む粘り腰のギター
そして流麗なプレイで見事な対比をはかったキコのソロ
お見事とした言いようのない圧巻のプレイに脱帽
この二人もマジックはあると示唆しています


MEGADETH - Dystopia ★★★ (2020-11-26 18:06:06)

ライブでは、過去のギタリストのプレイを意識しつつも自分のカラーも上手く出していたクリス・ブロデリック。日本ではいまだにマーティー・フリードマンに対する根強い人気もあり、腕利きのクリスが過小評価されていたように感じる。
しかし、今作でムステインの相棒を務めるのは、あのキコ・ルーレイロである。あの超絶技巧派ギタリストの参加である。これには驚いたが、彼の凄さはHangar18キコヴァージョンとも言える②の登場にグッと掴まれる。新生メガデスが進むべき方向性、それは教養溢れるギターテクニックを駆使したスラッシュサウンドという事なのだろう。
多様性を盛り込んだ前作は何だったんだと首を傾げたくなるような方向転換、丸くはなったが、俺はまだまだキレているんだぞとムステインが誇らしげに大見得を切る。
だったら最初からこういうの作ってよ、前作は何で作ったの?くっつきそうになってはすれ違う、女子高生が好きそうな恋愛ドラマを見せられている気分だよ。

本分とも言うべきアグレッションが無理なく戻っている。昔を意識しているわけではない。むしろ、新しい血の導入が刺激を与え変異を起こしているようだ。無理無駄のないアレンジと有機的な絡み。なんでも唄えるムステインの歌声は、モダンヘヴィメスもポップスも取り込み自らの糧にしていた。新たなるムステイン劇場の始まり。純粋はスラッシュサウンドではないが、今作の完成度は往年の作品と比肩しても遜色のないものだろう。
キコにはマーティーの影を追い求めるファンを納得させるだけのフレージングの上手さがある。あとはムステインとどこまで共存できるかがカギだろう。


MEGADETH - Super Collider - Cold Sweat ★★★ (2020-11-26 17:44:23)

昔のメガデスが戻ってきたと感じた
それだけで十分なカヴァー
ムステインのニヒリズムもきまっている


MEGADETH - Super Collider ★★★ (2020-11-26 17:41:04)

このバンドとしては珍しい同じラインナップにより制作された一枚。それだけに前作の流れを踏襲。柔軟な姿勢を見せつつも攻めの姿勢を崩さない彼らに迷いは一切感じない。⑧みたいな曲があったとて、もはや彼らの守備範囲、充実したメンバーシップにスキはないだろう。
シングルカットされた②もカッコいい、これで良いとさえ思える。アルバム全体の雰囲気はヘヴィだ、しかしリフワークは耳なじみが良く視聴感を良くしている、苦労人クリス・ブロデリックの多彩さも楽曲の中に組み込まれ、エッジの効いたメタルサウンドを温和な心で受け止めるムステインの歌声、その全てが無理なく収まり柔軟なメガデススタイルを極めようとしている。

ここには揺ぎ無き信念がある、試行錯誤した時代を経て掴んだメガデス流儀、その野心は飽くなき進化を遂げさせシーンの最前線へと推し進めている。鮮やかと言っても差し支えのないバラエティ豊かな楽曲を用意したムステインの手腕は見事しか言いようがない。そしてラストに収められたTHIN LIZZYのカヴァーで〆たアイデアも大正解だと思う。

何を聴きたいかで評価も分かれるだろうが、なんとなく過去のスタイルを押し込み往年の姿に帰還しようとしたメガデスよりも、らしいと感じたのがファーストインパクトでしたね。


MEGADETH - Th1rt3en ★★★ (2020-11-26 17:19:09)

ようやく本分を取り戻したメガデスだが、早速、今作はその方向性を修正。ド派手がギタープレイはなりを潜め少々大人しくなった印象が強い。その分、メロディアスなパートを増量、聴かせる部分も強め立ち位置を変えた印象を受ける。
それでも、クリス・ブロデリックの目の覚めるような鮮烈なソロは健在、ワールドワイド指向を推し進めた現代のメガデスサウンドの確立と言う事なのだろう。
ワタクシ、如何せんマイナー貧乏メタルばかりを聴いているので、このメジャー感が恥ずかしいと感じる、おおよそ一般的には共感されない、感性の持ち主なのでご容赦願いたい。

個人的には初期衝動炸裂する1stに3rdの多様性を持ち込み、長年培った経験と現代的な整合性を用いり整理整頓した、お上品な暴力的サウンドとして受け止めています。
メガデスらしいと言うよりも、常にシーンの最前線で戦う男たちが取った新たなる手法が原点回帰だった。スラッシュ色が薄まり、正統的なメタル度が高まったという点では5枚目に近しいのだが、今作にはやんちゃなムステイン流儀がそこかしこに存在しているように思う。
全てはエモーションを込めて歌い上げるムステインの唄の変貌が、単なるスラッシュをやらせないという事だろう。かつての冷徹な感性よりも、より人間らしい熱情がここにはある。

貧乏耳のワタクシが聴いても、全時代のメタル層を迎え撃つには十分なサウンドメイクと楽曲を用意していると思う。バランス感覚に優れた柔軟な一枚ですね。


MEGADETH - United Abominations ★★ (2020-11-26 16:59:28)

前作のツアーを共にしたドローヴァー兄弟と元WHITE LIONのジェイムズ・ロメンゾが参加して制作されたアルバム。まずサウンドメイクがグッとメタリックな硬質感を伴いメタル度も補強、ここ最近にあったオシャレメタル風味を、無視しないが振り落とし逞しいスタイルへと戻ってきた。リフやリズムプレイにもキレが戻り、昔からのファンはやったぜ!ベイベーと叫ぶでしょうね。特に②なんて、母ちゃん、明日は父さん代打逆転満塁ホームランだねと叫びたくなる、ピュアメタルの登場でした。
しかし、細部に拘った作りは単なる回顧録ではなく、現代のメタルである。その風合いが見事に昇華されており古くて新しい2007年仕様のメガデスサウンドの確立へと繋がったのだろう。
個人的にはキャッチーな歌メロを難なく歌こなすムステインの表現力に改めて驚く。


MEGADETH - The System Has Failed ★★ (2020-11-26 16:45:09)

つい最近までメガデスは一度解散していて(薄っすらしか記憶がない)、今作はムステインのソロアルバム用に制作された過程があると知って驚いた。そんなことも知らないでメガデスを語るのかと、厳格なメタルマニアに、きっと私は後ろから刺されるのではないだろうか?
今作のとって一番の目玉は、クリス・ポーランドの参加だろう、どのような経緯があっての復帰なのかは知らないが、フュージョン系に走ったクリスのリードギターは、初期の頃の風合いを呼び戻し、彼のカラーが今作に色を付けた感はある。②みたいな歌モノもあるが、アルバムの作りとしては2000年仕様の中でスラッシ風味を増量。一定のアグレッションとスリルと纏ったサウンドはメガデスらしいと歓迎できるムードも満載である。
ワタクシのような時代遅れの野風増なオッサンには、モダン化した2000年仕様でしかないのだが、多くのファンにとっては嬉しい作風だろう。
始まりはソロアルバムだけに、バラエティ豊かな面は存在する、完全にやり切ったとは思わないが、それでもムステインの一人作業が功を奏しスラッシュ色が強まった、そしてムステインの歌い回しの柔軟さが、印象をガラリと変えている。これも、歌モノに手を出したからの成長ならば、あの時代も悪くないと言えよう。


MEGADETH - The World Needs a Hero (2020-11-24 16:05:20)

アルバムジャケットが昔をイメージさせるものに変わりファンの期待を相当煽ったろう。ギターのマーティー・フリードマンはバンドを去ったが、後任も技巧派で知られるアレ・ピトレリです、これは期待できるぞとなります。オープニングも地味だが、昔の空気を纏っており、なんとなくクリスタルである。
しかし、その雰囲気もまま、大きな盛り上がりもなくラストまで完走。収録時間が長い感じてしまい。肩透かしを喰らった気分である。
どんなものにも賛否あるだろうが、新しい事に取り組んだ前作は、メタル脳にとってはイマイチなだけで一般的ロックファンにとっての評価は違うだろう。今作は、自らのフィールドに戻って作業を進めようとしたのに、根幹となるスタイルが見えてこず、ある意味、前作以上に中途半端で覇気がないように映る。
雑誌のレビューも知らないし、当時の評価も全く分からないが、個人的には昔の名前で出ています感が強く、もっとメガデス強めでお願いします感がハンパない、あのスタイルに近いだけに渇望感がピークに達してしまい、イケそうでイケないもどかしさがハンパない。
これがメガデス黄金期に近いスタイルですと言われたなら、豊田真由子ばりに違うだろうとシャウトするだろう。
個人的にはアルバム長いなぁである。一曲一曲も長いである。アル・ピトレリが悪いのではない。時代の流れに即して、自分達を見失ったバンドの末路という事だろう。
このアルバムのあと、ライブ盤を残しバンドは解散したと知ったのだが、驚きはなかった。晩節は汚すものではない。
雰囲気はバッチリなのに、何にもないアルバムになってしまった。メガデスの看板は安くない。そういやメタリカもファー首に巻いたり、メイクしたりして写真に写っていた時代だもんなぁ。
当時、完全にメジャーシーンと鎖国していた私には、つい最近の出来事なんですよね。


MEGADETH - Risk (2020-11-24 15:50:48)

ヘヴィメタル冬の時代を、何とかしのいできたメガデス。2000年を目前に彼らが進んだのは時代に即したスタイルだったという事だろう。実は今作以降の作品に触れるのはつい最近です。所謂サブスクリプションのおかげで気軽に聴けるので、手を出しただけ、ワタクシにとって重要なのは、音楽性でありバンドの名前は後からついてくる。
好きなジャンルに、そのバンドがいるか否かです。
①②と驚いていたのも束の間、④の登場には腰を抜かしかけました。いくら無料でも一旦聴くの止めましたがファーストインパクトです。
いくら時代の流れとは言え、これがあのメガデスなのかです。前作の方向性を更に推し進め、自らのアイデンティティを投げ出したアルバム。ブルージーは⑧などメガデス流BON JOVIのように感じ度肝抜かれっぱなしである。
メタルな耳にとっては退屈でも、この時代の音楽に触れた方にとっては不満も少ないでしょう。時代の流れとは恐ろしいものである。そして、自分も、この時代から商業誌を読むのを止めようと考え、ディープなメタル探訪を旅に出るので、何とも悩ましい時代を想起した。
いかにも2000年前後を象徴するような試行錯誤を感じさせる一枚です。


MEGADETH - Cryptic Writings ★★★ (2020-11-24 15:36:25)

まずプロデューサーにダン・ハフの名前がある。これには相当驚いた。聴く前から大幅なモデルチェンジを行われているのだろうと予想はつくのだが、今作は前作の流れを踏襲したジャンル不問のワールドワイドなメタルサウンドを披露している。○○風や流儀を捨て自らが築いたインテレクチュアルスラッシュなる音楽性は、ここにはない。
充実する歌メロとムステインの情感あふれる歌声、冷めた狂気は成りを潜めたがムステインの声はいつだって冷ややか、そのバリエーションが増えたムステインの歌い回しはブルージーな曲まで歌いこなし、製作者サイドの意向をくみ取るようにこなしている。
マーティー・フリードマンも実に上手いギタリストだが、ムステインとの神経戦とも言うべきスリル溢れるツインギターの絡みがないのは寂しい限りだ。ここまで開き直ったら過去の曲をどうライブで混ぜ込む演奏するのか興味は尽きない。スラッシーな⑤やメイデン風のツインリードが登場する⑩など、メタリックな耳を楽しませる曲はあるが、そこまでテンションを下げずに聴けるかが問題であろう。
個人的には、歌モノも大好物だ。アリーナ系もイケる口である。ヘヴィメタルやりチン男と恐れられる節操のないワタクシでも、メガデスがここまで開き直ると、些か冷めてします。でも質の高さは疑いがない、あとは趣味嗜好の問題であろう。久しぶりに聴いたが、やはり面喰うわなぁ。


MEGADETH - Youthanasia ★★★ (2020-11-24 15:21:54)

アルバムも売れ快進撃を続けるメガデス。前作の成功を鑑み、また時代性を考慮した中で作られた今作も無理無駄のないスタイルで勝負。とくに共同プロデュースの立場をとるマックス・ノーマンの手腕は評価されるべきものであり、メガデスらしい冷めた狂気の中に、人間臭さを大導入してきた。
ギターの音選び一つとっても、それまでのメガデスとは違う形をとっており、メタリカが進んだ先鋭的モダンヘヴィネス化とは一線を画す方法論でバンドは新たなる道筋を立てた。

実は、今作からメガデスの作品をまともに聴いていない。恥ずかしながら、次のアルバムまでは、何年か遅れで聴いたが、それ以降は2年位前まで完全にスルーだった。
この時代、自分のルーツたるものを探すたびに出ていたのですが、こうしてリリースして20以上もたち、こちらの耳も色んな音楽に触れ耐性が出来れば、ここで聴けるサウンドに違和感を幾度感じない。
勿論、初期の音楽性に惚れ込んだので、これは別モンに聴こえるが、③みたいな歌メロを唄えるようになったムステインの心境の変化に驚かされる。だからこそ④が生まれたんだろう。
スラッシュメタルを愛する者には眠くなる一枚だろう。ムステインが取り組んだ歌モノアルバムでもある。しかし、このアルバムには、メガデスらしいトゲがある、温かみのあるサウンドメイクの中にムステインの込めた毒があるのは確かだろう。今作最大の毒は最もメガデスらしくないというのが一番かもしれませんがね。


MEGADETH - Killing Is My Business... and Business Is Good! ★★★ (2020-11-23 17:18:04)

初めて聴いた時のインパクトは相当なものだった。音質云々で語ることのできないド迫力、その他者を受け入れない狂気じみたムステインの歌声と、キレまくるリフの嵐、そして不思議な風合いのドラミングと、ジャズ系など知らない子供には、恐ろしいほど個性的で尖りまくったサウンドだった。
後年、いろんな形で世に取り上げられ、リミックス盤も出ているが、個人的はインパクトとしては、あの劣悪な音質のコンバット盤に敵うものはない。
それに今作最大の魅力は、革新的な音楽性に尽きる、無軌道に外れていくソロのスリル、高速にスイングする強烈なドラム、そこに食らいつくベースは巧者、この野心に溢れたリズムプレイによって、今作の特異性は確立されている。
上手い下手では語れない初期メガデスの旨味、クビになったメタリカに対する恨み節も込みで制作された今作は、何よりも狂気じみた怒りに満ち溢れていた。
他では聴けないインテレクチュアルスラッシュの登場。個人的には、理屈抜きで今作が最も愛するメガデスの一枚である。


MEGADETH - So Far, So Good... So What! ★★★ (2020-11-23 16:48:28)

クリス・ポーランドとガル・サミュエルソンが揃って抜け、その後任に収まったのがジェフ・ヤングとチャック・ビーラーの二人、メンバーチェンジがもたらしたものなのか?ムステインの悪癖なのが、前作から比べると音質が劣化、逆に生々しくなったと言えるが、デモ並みに音質の悪かった1stを思い出したりと、ムステインやりやがったなとなる。

しかし、音楽性的には先鋭性の強い前作から、より間口を広げた音楽性へとチャレンジ。それが大成功したとは言い難いが(③のカヴァーは失敗だろう)、歌メロが強化されていたり、クリフ・バートンに捧げたバラード調のナンバーを収録したりと必ずしも否定されるような内容でもない。
やはり特筆すべきは、スラッシュサウンド特有の魅力、一寸先の展開を読ませないスリル、そしてムステインが醸し出す狂気が上手く機能しており、メガデスたる魅力を体感できる。前作のキレっぷりからすると見劣りするのだが、何を求めるかで評価も大きく異なるでしょう。

個人的には荒々しいメガデススタイルは健在。なによりテクニカルな要素も十分に補完している。なんだかんだ言ってもメガデスらしいアルバムですね。


MEGADETH - Rust in Peace ★★★ (2020-11-23 16:35:36)

結局、ジェフ・ヤングは一枚でバンドを去り、ドラムのチャック・ベラーも同じ道を辿る事になる。そこで新たに加わったのがマーティー・フリードマンとニック・メンザとなる。
前作で広げた音楽性をどう回収するのかと身構えていたら、今作はこちらの予想を上回る展開を見せる。インテレクチュアル・スラッシュな方向性に戻ったと印象付ける①に始まり、その流れを組む拘りの展開と正統性の強いメタルサウンドへの接近、その二つが高次元で融合、単なるメガデスらしさの復活に留まらない革新的な成長を見せる事に成功。特にマーティーの情緒あふれるギタープレイの数々、その旋律の美しさとキャッチーさは聴きやすさを誘発、それまで敬遠されていたファン層も開拓するエモーショナルなプレイによって、見事なほど、ムステインの持ち合わせていたメカニカルな要素と合致。その有機的な響きが、冷徹な機械的サウンドの中で熱い血潮を巡らせている。
ストレートなメタル的要素も増えたが、それが全くマイナスに働かないのも、ムステインとマーティーの相性の良さに尽きるのだが、リズム隊の強化も見逃せない充実度を誇り、全てにおいてスケールアップしているだろう。
刺々しい先鋭性と引き換えに手に入れたスタンダードな響き、前作があればこそなのかもしれないが、やはりマーティーの加入が素晴らしい相乗効果をもたらしたと思う。
彼なくして、ここまでギターオリエンテッドな作風にはならなかった。そして後続のスラッシュ勢にも、影響を及ぼしているのは間違いない。とにかく、ムステインとマーティーがここまで上手く機能するとは思っていなかった。


JOHNNY, LOUIS & CHAR - Free Spirit ★★★ (2020-11-21 13:17:06)

ジョニー吉長、ルイス加部、チャーの3人からなる伝説のロックグループ。のちにピンククラウドと改名して活動を続けるバンドのデビューライブアルバム。
オリジナルのリリースは1979年、ライブ会場は日比谷野外音楽堂。当時のチャーは、まだアイドル的な名残はあったが、彼が進みたい本格的なロック志向を見せており、ジャパニーズフォークの残り香と本格派の洋風ロックを取り混ぜ革新的な精神性の元、腕に自信のあるメンツが世界を目指し本物のロックを鳴らそうと努力している。
チャーらしいキレのあるフレーズ、ブルースやカントリーをベースにしながらも様々なジャンルの音楽性を取り込み、自分流儀にかき鳴らすことで個性を確立、豊富なアイデアに裏打ちされたセンス、その多彩なと技巧に唸る。
曲調に合わせ表情を変えるリズム隊の器用さ、ガリガリとしたベースだけではない加部の柔軟に向き合う真摯な姿勢、野性味のあるグルーブと繊細さを叩き出す吉長のドラム、3人が互いを意識しながら、譲りあるのではなく、居合の如く間合いを詰め、隙あらば主役の座を乗っ取ろうとするようなスリルが、訪れる瞬間に、このバンドの核心を垣間見た気分を味わえる。まだまだ、詰めの甘さもある。古臭い日本的フォークソングなど顕著であろう。それでも、合い間に登場する本物志向のロックに、このバンドの未来像が見えてくるようだ。


URIAH HEEP - Firefly - Been Away Too Long ★★★ (2020-11-20 14:28:33)

ジョン・ロートンの歌声が素晴らしい
力強く伸びやかな彼の声がなければ
ここまでの感動は訪れなかったでしょうね
ドラマ性を演出するバックを従え
ロートンは最大限のパフォーマンスで見事にバンドを従えています
主役は彼でしょう
新加入とは思えない存在感に驚嘆あるのみ


URIAH HEEP - Firefly - The Hanging Tree ★★★ (2020-11-20 14:24:59)

新たに参加したジョン・ロートン
この芯のある力強い歌声の登場にぶっ飛びました
前任者では表現できない男臭さと透明度のあるクリアーな歌声
誰が聴いても凄いと思うだろう
当然バイロンとの好き嫌いはあれど
上手い下手で議論をした場合
ロートンに敬意を払えない人とは一生音楽の話は出来ないでしょう
耳が付いていないのと同じです


URIAH HEEP - Salisbury ★★★ (2020-11-20 14:12:39)

ドラマーがナイジェル・オルセンからキース・ベイカーに変更。同じジャジーなタイプのロックドラマーだけに違和感はないがナイジェルの本気のドラミングが聴きたかった。
いきなり奇々怪々な歌声が飛び出す邦題『肉食鳥』がピッタリとハマるオープニングに驚く、この曲を聴き一気に黄金期にHEEPのイメージに近づくが、この曲のクレジットにケン・ヘンズレーの名前はない。しかし今作にはヘンズレーのクレジットが当然登場、②④⑤はケン・ヘンズレーのみの楽曲でし、他の2曲にも関与、彼のソングライティング力が要約、HEEPに反映されたという事なのだろうが、1stでもクレジットこそないが、ヘンズレーのアイデアは多分に採用されているはずなので、今作の出来栄えに驚きはない。
美しいコーラスワークが耳を惹く②、ヘヴィなブルースナンバー③のカッコよさたるや、今聴いても惚れ惚れするようなバイロンの歌い回しに、ヘヴィなオルガンとギターの絡み、ギターソロもカッコいい、その余韻に浸っている次に登場は、ケン・ヘンズレーの朴訥とした唄が映えるアコースティカルな一曲、何故、リードヴォーカルを差し置いて、自ら歌うのか理解できないが、いずれにしろケンは気持ちよさそうに唄っています。どう聴いてもバイロンが絡む後半がカッコいいのにね。次もケンが唄いテンションダウン、しかし超がつくドラマティック大作ナンバーの登場で、2曲続いたフラストレーションを一気に吹っ飛ばし大円団を迎えます。
ライブでは定番の④も個人的には箸休めソング、流れの中に、お楽しみでケンが唄うのはありだが、彼はインギー以上に自己主張の強い人間で活動を続ける中でバンドに不協和音を生み出す。しかし、その俺様のおかげで初期HEEPは個性を確立して成功を収めたのだから、仕方がないのですがね。
そんな俺様、ケン・ヘンズレーが顔を出し始めた2枚目、バンドが一体となり襲いかかる①と、大作⑥を聴くだけでも価値はあるでしょう。とくに⑥があるから次があるんだなぁと思えるほど、HEEP印全開である。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble ★★ (2020-11-20 13:39:16)

SPICEからURIAH HEEPへと改名、本格的な活動に入りアルバムをリリース。今作にはSPICE時代のモノもある、他にもドラマーが二人いたりと、チョイとややこしいのだが、そういった情報がマイナスに働くこともなく、むしろ気に留めることもない完成度を誇っている。実験的な要素も多分にあるが、有り余るポテンシャルと創作意欲、そういうものを内包しつつ、吐き出せていない印象の方が強い。それは次作以降のアルバムを聴いているので、そう感じるのだが、いずれにしろ70年代のアーティストらしい、ジャンルを一括りに出来ないイマジネーション溢れる実験的サウンドを披露している。
どこか祭儀的なオカルトタッチもあったりと、アルバムジャケットまんまの音楽性もある、シンブルなバラードもあり、カヴァーもある、ファンキーな曲もあり、そんな中でヘヴィなオルガンが襲い掛かる重厚なナンバーなど、後の片鱗も感じさせ、デビュー作としては申し分ない完成度を誇っているでしょう。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Wake Up (set your sights) ★★★ (2020-11-19 14:13:14)

バイロンの圧巻のパフォーマンスに舌を巻きます
コリン・ウッドの鍵盤プレイに泣かされます
中盤の展開にうっとり
ドラマティックですねぇ
それでいて攻めの姿勢を崩さないハードさに唸ります
お腹一杯ですわ


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - I'll Keep on Trying ★★★ (2020-11-19 14:07:47)

クレジットはボックス/バイロンだが
相当ケンはアイデアを出しているだろう
ド頭からHEEPらしい迫力のある凝った展開が掴んでいきます
静と動のコントラストも見事に描かれ機能
デビュー作とは思えない完成度を誇るアルバムを象徴するようです


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Real Turned On ★★★ (2020-11-19 14:04:27)

以外やファンキーなナンバーがここで飛び出します
異なるアプローチのツインギターも効果的に機能
ケン・ヘンズレーのマルチプレイヤーぶりが見事です
芸能界でのキャリアのあるバイロンは芸達者ですね
なんでも唄えるんだなぁ


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Dreammare ★★ (2020-11-19 14:02:08)

色々と仕掛けていますね
歌いだしもエコーを掛けてきて
HEEPらしさを出していますね
チョイと盛り上がりに欠けるが流れ的に絶妙


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Lucy Blues ★★★ (2020-11-19 13:59:09)

流れ的に絶妙なポジションに収まっているブルースナンバー
なにがどうってことはないのだが③と⑤の合い間しかないというドンピシャなところに収まっている
流れで聴くと凄くイイ
バイロンの唄には素晴らしいフィーリングが存在する


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Come Away Melinda ★★★ (2020-11-19 13:51:09)

元々はカヴァーソング
反戦歌として知られる有名な曲です
有名なところではティム・ローズが手掛けた奴があります
ハード系としてはUFOもやりました
ティム・ローズヴァージョンはどこか埃っぽさがありますが
ここではフォーキーな泣きが倍増
HEEP流に仕上げたというところでしょう
バイロンもオリジナルを意識していますね


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Gypsy ★★★ (2020-11-19 13:41:23)

緊張感があるねぇ
スゴイ迫力を感じます
うねり上げるハモンドオルガン
ミック・ボックスのヘヴィなギター
バイロンの堂に入った歌声
アルバムのオープニングから気合入っているねぇ
確かにクリムゾン風です


HITTMAN - Vivas Machina - Mercy ★★★ (2020-11-19 13:24:21)

8分超えの大作ナンバー
シンガーは情感たっぷりに歌い上げ
中盤に設けられた仕掛け
そのシアトリカルな展開も含めプログレッシブロックに通ずる魅力がある
アルバムの最後に大勝負を賭けてきた
厳ついアレンジを避け万人向けたのもプロデュース力の賜物
このバンドは本気で天下を取りに行ったんだと理解できる聴きごたえのある力作


HITTMAN - Vivas Machina - Say a Prayer for Me ★★★ (2020-11-19 13:15:31)

タイトルまでBON JOVI風かよ
無頼なパワーメタルバンドだと思っていたら
器用なグループだったんですね
フックのある哀愁美と大衆性
ここは素直に楽しんだもの勝ちでしょう


URIAH HEEP - Return to Fantasy ★★★ (2020-11-17 13:27:20)

カッコいいアルバムジャケットと、そのイメージを前面に受け止めたようなオープニングナンバーと、ジョン・ウェットン参加により臨戦態勢は整ったとテンションも爆上がりするのだが、それ以降はアメリカン志向を強めていき、そのまま流れてしまい最後にらしい顔を覗かせ、HEEPらしいイメージは保ったが、全体的には完全にアメリカンマーケットを狙いに行った印象が強く、これでよかったのか?という疑問が頭をもたげる。
それでも名曲①を聴けば、そんな不満も吹っ飛ぶのだが、アルバムを通して聴くには頭の切り替えが必要なアルバムになってしまった。
そして一番期待したケン・ヘンズレーとジョン・ウェットンの共作もなく、おもてたんと違うというのが残念ですね。しかしジョン・ウェットンの参加は、バンドに好景気をもたらしアルバムのチャート順位が過去最高と叩き出すこととなるとは皮肉な結果ですね。

それにしても、殿堂入りの火薬先輩のレビューは言うに及ばずだが、HEEPのサイトには、素晴らしい論客がいたんですね。ここ数日HEEPの発言を繰り返していて目に留まりました。杉本剛さんのレビューは実に的を得ていて腑に落ちる内容でしたね。


Joel Hoekstra's 13 - Dying to Live, ★★★ (2020-11-17 13:03:43)

ダグ・アルドリッチの後任としてWHITESNAKEに迎えられたりとしたことで名前を上げたギタリスト、ジョエル・ホークストラのリーダーバンドによる1st。参加メンバーもトニー・フランクリン、ヴィニー・アピスのリズム隊に、ジェフ・スコットソート、ラッセル・アレンと言う実力派シンガーの二人が主要メンバーとして参加、メロディアスロックの総本山、我らが
Frontiers Musicからのリリースという事で楽曲中心のメロディアスサウンドへと仕上げています。
狙ったであろう、WHITESNAKE風の楽曲も散りばめつつ、現代的なサウンドメイクを無視することなく古くて新しい王道サウンドを披露。遊び心の少ない無難な作りは、些か、面白みに欠けるが若い人にとっては、古典サウンドに精通した現代的なロックとして大いに耳を刺激していくでしょう。
個人的には、どうしても寄せに行っていると感じでイマイチ跳ねないのだが、それは古い音が好きなだけの細かい話であり、一般的な感覚でいけば、フックありメロディあり、仕掛けありの安定感のある高品質アルバムとなるでしょう。
ちょっと、カヴァーディル強めなのが気になるのですが、期待された音を出していると素直に評価したい。
上手いギタリストが我を抑え楽曲中心のプレイに終始しているのも好感が持てる。やはりジェフ・スコット・ソートは上手い。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - The Time Will Come ★★★ (2020-11-16 13:27:56)

ミックのワウギターも耳を惹きますね
ムーディーなバイロンの歌声も多彩な表情を見せている
バックの演奏もアイデアを詰め込み贅沢に聴かせてくれます
アルバム本編に入れても遜色のない味わい深い一曲


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Shout It Out ★★★ (2020-11-16 13:25:18)

シングルカットされたPrima DonnaのB面に収録された曲
ヘヴィなミドルナンバーだがバイロンの色気のある歌声がカッコいい
ケンの曲だけにケン・ヘンズレー大活躍である
シンプルだがベースにドラムと耳を惹きますね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - A Year or A Day ★★★ (2020-11-16 13:19:36)

アメリカン志向の強めの曲が続き
テンションも下がり目な中で最後にらしさを感じさせる曲が登場
この曲の登場で物足りなさを回収していきましたね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Showdown ★★ (2020-11-16 13:16:03)

今アルバムを象徴するような陽性ロック
そこにケンのスライドギターがご機嫌に絡み一体感を誘発
新しバンドサウンドを模索していたんでしょうね
いずれにしろ楽しそうな雰囲気は出ている


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Your Turn to Remember ★★★ (2020-11-16 13:13:00)

なんか望郷ですよねぇ
夕焼けを背にする帰り道です
そういう昭和な古臭さがたまりません
スタンダードな響きにHEEPらしさは感じません
アルバムの流れとしてはたまりません
ウエットンのベースもイイですね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Beautiful Dream ★★★ (2020-11-16 13:09:03)

バイロンの歌声が凄まじい
とにかく高低を駆使し変化自在の歌唱スタイルで彼の魅力をたっぷり表現している
繊細に唄うかと思えば噛みつくようにシャウト
恐れ入りました
この曲に関してはバイロンのパフォーマンスが最高
誰がどう聴いても文句なんて付けられないでしょう
他のパートが入ってこないんだよねぇ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Devil's Daughter ★★★ (2020-11-16 13:04:46)

パーカッションもご機嫌ですね
ノリも良くHEEPらしさも強めの一曲
攻めの姿勢が何とも原始的な響きを誘発
明るく楽しそうな新生サウンドを象徴する様だ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Shady Lady ★★★ (2020-11-16 13:01:28)

ウェットンのベースが味わい深いですね
ブリブリと弾き楽曲の柱のようにブリッと存在感を打ち立てています
ドラムも職人技です曲を邪魔しないが存在感もある
スライドギターはケン
みんな上手い事やっているわぁ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Return to Fantasy ★★★ (2020-11-16 12:57:50)

神々しいまでに光り輝くHEEP印
名手ジョン・ウェットンも加わりバンドは新たなるステージへと上り詰めたと確信させた
ケンのムーグにオルガンと鍵盤プレイも炸裂
幻想的な曲に彩りを与えています
こういう曲にシンプルなプレイで答えたウェットンのセンスも光りますね


URIAH HEEP - High and Mighty (2020-11-16 12:50:42)

アルバムの方向性としては全体的にアメリカンマーケットを狙ったライトな曲調が多い。その中でHEEPらしさも持ちこまれているが、後半の流れは完全にそっち方面と言えよう。アルバムのイニシアチブは完全にケン、それだけに彼の悪いところが出てしまった。
大衆性を増量したシンプルかつストレートなサウンドメイク、最大の山場がバラードの②というのもあり、今作が一般的に評価の低いものとなっているのも頷ける中途半端な一枚。まして、これがデヴィッド・バイロンのラスト参加作と考えるとファンなら居たたまれない気持ちになるでしょうね。

こうして時代が過ぎれば、ライトなポップロック志向でも前半の流れは耳を惹くものがあり、②から③の流れなんてゾクッとされる刹那な響きがあり、英国バンドとしての情緒を感じさせる。それだけに、後半の流れに配慮があれば良かったのですが、違うバンドのような作風に傾いたのが残念。特に後半の流れは配慮して欲しかった。
ある意味、ケン・ヘンズレーの乗り物のようなバンドだけに仕方がないのですがね。

バイロンのラスト作としては、小粒な印象は拭えない一枚。そしてケンの我の強さを味わえる一枚でしょう。


URIAH HEEP - High and Mighty - One Way or Another ★★ (2020-11-16 12:35:15)

ジョンとケンの歌声が楽しめるアルバムのオープニングナンバー
ジョンのベースも耳を惹きますね
新しい事にチャレンジしようとする意欲を感じます


URIAH HEEP - High and Mighty - Confession ★★★ (2020-11-16 12:30:47)

アルバムのラストを飾るピアノバラード
バイロンの優美な歌声が素晴らしい
いかにもHEEPなコーラスワークも印象的ですね


URIAH HEEP - High and Mighty - Footprints in the Snow ★★★ (2020-11-16 12:27:57)

これもケンとウェットンの共作ですが
元ネタはケンのコンピ作に収録とウェットンがどこまで関与しているのか興味も尽きません
アメリカンマーケットに寄せた曲が続いたので
英国風味が増量されたので下がっていたテンションも持ち直します
ラストに向けドンドンHEEPらしくなるのが良い


URIAH HEEP - High and Mighty - Woman of the World (2020-11-16 12:23:02)

アナログ盤で言う所のB面はアメリカン路線ですが
その前の曲も結構なアメリカンに驚きましたが
ここでもその路線を繋げている
特筆すべき魅力はないのだがケンのソロアルバムに元ネタが収録されています
資料的な価値がある一曲


URIAH HEEP - High and Mighty - Midnight ★★★ (2020-11-16 12:15:24)

印象的なイントロを奏でるギター
誰がどう聴いても凄いジョン・ウェットンのベース
とくにベースラインは多彩で耳を惹きますね
コーラスワークもヒープらしい
ブルースカイブルーな爽快感のある曲に
少々クド目に絡む唄はご愛敬だが
子役上がりでCMソングも唄っていたバイロンならどんなタイプでも歌いこなせるということでしょう
でもMVPはベースです


URIAH HEEP - High and Mighty - Misty Eyes ★★★ (2020-11-16 12:09:56)

爽やかな味付けのHEEPサウンド
ある意味ケン・ヘンズレーのソロ作風とも言える
バンド自体がケンのソロみたいなもんだからなぁ


URIAH HEEP - High and Mighty - Weep in Silence ★★★ (2020-11-16 12:07:59)

英国的情緒あふれるHEEPらしい一曲
今アルバムの目玉であるヘンズレー&ウエットンの共作だというのもポイント
あくまでも楽曲を引き立てる堅実なドラムの職人技
そしてワウを噛ませた泣かせのギター
バイロンの唄も素晴らしくラスト参加となる今作に華を添えている


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show ★★★ (2020-11-15 19:31:52)

デビューして間もないバンドが早い段階でライブアルバムをリリースするとは驚きですよね。普通は3枚くらいアルバムを出してからと思うのですが、このバンドはステージを見て欲しいと言うレーベルの移行もあるのでしょうがとにかく大英断ですよね。
ステージ映えするバンドのライブは、非常に生々しい演奏をパッケージ。そのおかげで彼らのライブを追体験できる仕様。これは本当にありがたいですね。修正がきつい名前だけのライブ盤とは一線を画す仕上がりだけでも大満足です。

ライブならではのヴァージョン違いにカヴァーソングもありますが、全てが良い方向に転んでおり、何ら違和感なく楽しめます。ライブでもテンションの下がらない熱量の豊富な演奏、火花散るツインギターと、冴えわたるリジーのフロントマンとしての役割、これがデビューして2、3年の新人のやる事かと驚きます。
音源も良いけど、同時期にリリースされた映像も見て欲しいですね。このバンド、血生臭いイメージがついていますが、ここで聴けるサウンドは、実に正統性の高いピュアメタルを披露しています。

今となっては、あの人は今状態の為に、メディアも含め話題に上ることもないでしょうけど、日本人が見れば少々バカバカしいショーも含め、ショックロックここにありと共に、それと同じくらい真面目な音が埋め尽くしています。
これぞメタルと呼ぶに相応しい、ドラマと硬質な一体感のあるサウンドメイク、絶妙なノリの良さとキャッチネス、その秀でたバランス感覚は全てを兼ね備えています。

タイプの違うツインギターコンビも、互いを尊重し合い高め合う姿勢も美しい。改めて、リジー・ボーデンは優れたバンドだと言うことを確認できるでしょうね。
リアルなライブ盤と言うのはありそうでないですからね。今作最大の聴きどころは、そこにあります。


ALDIOUS - EvokeⅡ 2010–2020 - 愛しい男 ★★★ (2020-11-15 19:05:40)

愛しい男で”かなしいおとこ”と読みます
チョコレートプラネットのネタみたいなタイトルですが
このシングル向けのポップなロックサウンドと
ありがちな歌詞が合わさることで妙に生っぽく聴こえます
サビも弾けヴァージョンアップに成功
唄が変われば全てが変わるということでしょう
個人的にどうにも身につまされる話でチョイと懐かしみます
それが好きな要因ですかね
胸がキュンとなって泣けてきますね
大好きな曲ですよ


BLUE OYSTER CULT - Imaginos ★★★ (2020-11-15 18:49:01)

今となっては、古くからあったアイデアをアルバート・ブーチャードが暖め過ぎて機を逃した為にお蔵に成りかけたマテリアルをBOCの名の下に復活させたと言う裏話もあるコンセプト作。
そのもとはサンディ・パールマンのアイデアなのだが、バンドに見切りをつけ勝負を賭けたアルバート、1984年には完成していたアルバム。しかしL.Aバブルを目前としていた時代に、こういった玄人好みのサウンドに二の足を踏むコロンビアレコードの判断もあり、お蔵入りとなった。
そこに実質、解散状態にあったBOCの復活劇に結びつけるには丁度良い素材でしょう。古くからあるアイデアだけに、妙な色気はない、むしろ全盛の音源と比較しても遜色のないクオリティを誇示しており、BOCの名の下にリリースされるべき一枚へと仕上がっています。
どこまでアルバートが仕上げたものに、後から来たメンバーが関与したかは分からないが、けしてアルバートのソロ作が途中からBOC名義に変更した、いわく付の作品ではありません。アルバートがしたためたデモをレコード会社に却下され為に、サンディ・パールマンのアイデアの元、実質解散状態のBOC名義で復活と言うウルトラCが行われたのです。
ちなみに、現在はアルバート・ブーチャードヴァージョンも出回っているので、マニアなら確認するのが一番でしょう。でもデモ音源ですので、やはり今作の方が完成度は高いですよ。

個人的に、BOCの作品としてリアルタイムで触れた初めての作品。初期の音源は聴いたことあるが、血気盛んな思春期真っ只中のワタクシには、ポップ過ぎる、どこがメタルやねんの一言で終了。今作を紹介された時も、鼻にもひっかけない薄いリアクションでした。
でも、この不気味なジャケが何とも言えない雰囲気を醸し出し、眺めるほどに聴きたい衝動にかられ再生。聴き進むにつれ、ミステリアスな世界観にグイグイと引き込まれ気が付けばリピートと、なんか分からんが凄いぞと感動、そして少しだけですが大人の階段を上った気分を味わいました。

自分たちのカラーを持つバンドの強み、このひんやりとした感触、漆黒の闇に怪しく光るクリスタル、このグループには、形容しがたい魅力がありました。
その要因は、鍵盤奏者のアラン・レニアーの存在がギラリと光るのですが、禍々しくも美しい邪神の宮殿、そこに迷い込んだリスナーは、語感を研ぎ澄まし、この世界と対峙するしかありません。ご機嫌に楽しむ娯楽作品ではありませんが、知性溢れる音楽性に触れるのもお楽しみの一つでしょう。

個性は発揮しつつも聴きやすい、ジャンル不問で楽しめるIQ高めのロックサウンド、70年代のBOCは古すぎると敬遠しがちなライトリスナーにこそ勝負して欲しい入門編にうってつけの一枚ですね。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Edge of the World ★★★ (2020-11-10 13:26:08)

ジャジーなのにミステリアス
この雰囲気がBOCなのでしょう
キャッチーな歌メロとコーラスも耳を惹きますね
古典ロックに乗せて歌われる現代社会のへの提起
スケールの大きい曲調も手伝い抜群の相乗効果を生んでいる
歌うはエリック・ブルーム
作曲はリッチーです


LIVING DEATH - Back to the Weapons ★★★ (2020-11-10 12:48:53)

1986年にリリースされたEP、時期的には2枚目と3枚目の間です。ちなみに国内盤は3枚目とのカップリングでテイチクレコードから出ています。
初期型の猪突猛進なスピードメタルに無頼な男臭さを導入、この埃っぽさは、彼等のルーツたるバンドからの影響なんだろうが、前作との違いを画策しているのか、それともこの方向性に進むのか初見と印象は割と不思議な感覚に陥った。
ヨーロピアン調のスラッシュからモーターヘッド風味が強まったという印象なのだが、それも許容範囲の微妙な感覚であり、根幹にあるスピード重視の姿勢に変わりない。むしろ曲作りに余裕が出来たように感じられ、成長が伺えるのも好印象。②のようなキャッチーな曲を、断末魔シャウトで聴けるとは夢にも思わなんだ。
ズンドコ節の①、キレキレの③、はち切れる④と彼流のハイテンションサウンドに偽りなし、首の疼きが止まらない問答無用のスピードメタルにグッときます。
2枚目と3枚目の過渡期に、こういう作風があったんだという事を知って欲しいですね。


KEN HENSLEY - Eager to Please ★★★ (2020-11-09 20:46:11)

ケン・ヘンズレー2枚目のソロアルバム。リリース時期を考えると、バンドは不安定な時代であり、やはりケンは独立を考えていたのかと深読みしたくなりますが、それは音楽性にも起因します。前作同様、アレンジ次第ではHEEPに採用されそうな曲もあり、わざわざソロでやらなくてもなんてね、言いたくなるのですが、誰にも文句を言われずにやりたい気持ちもわかります。ましてやリズムセクション以外は全てケンが担当する才人ぶりを発揮、これだけ歌えて、ギターもひけりゃ、多少は天狗になっても仕方なしです。

前作同様、フォーキーなサウンドが大半を占める構成、気品溢れる英国ロックは湿り気たっぷり、その情緒のあるサウンドにケンの声もハマり、コマーシャル性と職人肌の拘りが程よく絡み合い、味わい深い大人のロックへと昇華しています。ここにガンガンと唸るオルガンはありません、ハードなものを求めると眠くなるでしょう。

時には心を穏やかに、素直な音に癒されたいものです。ケン・ヘンズレーのメロディメイカーとしての才に触れて欲しいです。この人は、HEEP脱退後、大きな仕事をしたとは言えない人物です。それだけに、今となっては過去の人でしょう。だからこそ、今、若い人に知ってもらいたいですね。


SHORTINO - Make A Wish ★★★ (2020-11-09 20:24:30)

新進気鋭のギタリスト、若井望とポール・ショーティノの二人によるロックプロジェクト。リズム隊には豪華ゲストを迎え、このプロジェクトに華を添えています。
フィル・スーザン、ピーター・バルデス、ヴィニー・ポール、カルロス・カヴァーゾ、ジェイ・シェレーン、マルコ・メンドーサなどの有名人の中に、現在はLOUDNESSで活動する西田竜一の名前もあり、彼がいかに優れたアーティストであるかを知ってもらえるでしょうね。ギターもダグ・アルドリッチやローワン・ロバートソンなどが適材適所で顔を覗かせ個性をギラリと光らせている。
とにかく単なる話題性や寄せ集めでは、味わえない完成度と充実感、両者の特性を殺すことのないマジックの存在に驚かされる。
正直、一時期しつこいくらいSpotifyのトップバナーに、この二人が張り出されていたのだが手が出なかった。理由は、若井のメロディアスなギターに、ポールのざらついたハスキーヴォイスが合うとは思えなかった。実際、ロニー・ロメロとやった時は、合わないと思う瞬間も多々あったので、気が引けてしまった。
しかしだ、いざ覚悟を決め聴きだしたら、若井は確実にポールの新たなる魅力を引き出し、彼の押しの強いエモーショナルヴォイスを控えさせ、メロディに乗せて歌わしている。そのリラックスした歌唱スタイルはジョー・リン・ターナーを想起させるものであり、若井が作り出すハード&ヘヴィな楽曲に質の高いメロディが絡むと言う極上のサウンドを構築、父さん明日は代打逆転満塁ホームランだね‼級のインパクトを誇っている。

とにかく驚きました。ポールにこういう面があるとは思わなんだんぁ。もう一人の主役たる若井の押し引きを得たギタープレイに文句なし、流麗なソロばかりに目がいきがちだが、彼の持ち味はフレーズの上手さ、あくまでもフィーリング重視の姿勢を取っており、高い技巧に裏打ちされた情感たっぷりのギタープレイに魅了されました。

攻めの姿勢を貫く正統派サウンド、アメリカン志向ではあるがメロディ重視、もはや国籍無用の万人向けのHM/HRは国内外問わず一線級のアーティストと比肩出来るクオリティを誇示しています。
お金かからないのに、なんとなく無視した自分がバカでした。こんなに質の高いもんを見落とすとは末代までの恥ですよ。まぁ、アメリカのKKK並みの洋楽至上主義者にはなにを言ってもダメなんですが、日本を代表するコンポーザーと有名海外アーティストのコラボ。この贅沢な組み合わせを前に、無視するのは勿体ないですよ。

野暮は言いませんので是非とも聴いて欲しい一枚です。旬を無視しない現役アーティストの強み、恐れ入りました。


KEN HENSLEY - Proud Words on a Dusty Shelf ★★★ (2020-11-08 18:23:56)

HEEPの全盛期とも言えるDEMONS AND WIZARDSとTHE MAGICIAN'S BIRTHDAYという名盤を制作していた合い間にソロアルバムをレコーディングしていたケン・ヘンズレー、溢れ出る創作意欲の賜物なのか、それとも別行動をしたかったのか、とにかくここで聴けるサウンドは、HEEPに採用されるようなエレガントな英国ロックが収録。フォーキーでブルージーな要素も強いが、アレンジ一つで、バンド採用されてもおかしくない楽曲を楽しめます。

それだけにHEEPから流れてきたファンにとっては、概ね不満もなく受け止めれるでしょう。幻想的なハードサウンドが出てきたら、そりゃ本家に喧嘩を売るようなもんだし、そもそも、ソロアルバムにそんな要素を求めていないでしょう。
ここでは、ミュージシャンとしての別の顔を見たいものです、それだけに、イメージを崩さないオシャレな作風は、今聴いても通用するような優美な古典ロックとして受け入れられるでしょう。HEEP以前の活動を知っていれば尚更、腑に落ちると思いますよ。

邦題が夕闇と付けられた、オープニングから、その味わい深さを満喫、枯れた味わいの泣かせのギターに悶絶です。そこに朴訥とした英国ロック声が絡むんだからね、涙腺が刺激されるでしょう。ケンの優しく語り掛けるようなソフトな声が何とも言えないフォーキーな②(裏で鳴ってるど~)再録の④など、彼の裏表両面を垣間見ることが出来ます。気品あふれるエレガントな正調英国ロックの響き。ハードなものを主食の方には眠くなるようなフォーク路線かもしれません、初期HEEPのようなガンガンと迫る強烈なアンサンブルもありません、でも、ケン・ヘンズレーのルーツを知りたい方はマストな一枚でしょうね。

いかにもHEEPな⑥も泣かせる、味わい深いギターがたまらん。英国的情緒溢れるポップな⑦も朴訥な声に似合う。カントリー調の⑧⑩、その合間に挟まれるドラマ性のあるゴスペル調の⑨など、ケンの情感豊かな歌声が胸に迫るでしょう、ギターもエエですよ。
秋の夜長に、心を癒すポップサウンド。疲弊した耳を休めたい、そんな方にピッタリの一枚でしょう。


The Hensley / Lawton Band - The Return ★★ (2020-11-07 15:44:52)

バンド名を見ればお分かりかと思いますが、HEEP黄金期を支えたバンドの頭脳、ケン・ヘンズレーと稀代の名シンガージョン・ロートンが再タッグ、そこにポール・ニュートンも加わり、世に出たのが今作。
名目がファンの集いですから正直、同窓会的な緩さもあるのだが、ここはノスタルジーに乗って思いっきり楽しんでもらいたい。細かいことを言わずに、楽しんだもの勝ちである。
このメンツが集まれば期待されるのはHEEPの再現となるわけですが、その期待を裏切らない選曲&プレイで魅了。

衰え知らず、ロートンのクリアーで伸びやかなパワーヴォイスに酔いしれますが、やはりケンは唄を歌いたがります。そりゃ、自分のソロ時代の曲だからね、歌っていいんだよ。でもね、あれだけ歌えるロートンいるんだから、自分のパートも譲ったらと思わずにはいられません。でもそれをやるとケン・ヘンズレーでなくなりますからね。
でもケンに思い入れのない若い人なら、首を傾げたくなるでしょう、それがケン・ヘンズレーなんですよね。

ケンとロートンの二人には確実にマジックが存在します。正直、この二人で本気の新作音源が聴きたくてたまりません。そんな期待を渇望させる魅力があります、それだけに、今となっては実現不可能になったのが残念。惜しいわぁ。無念ですね。


KEN HENSLEY & LIVE FIRE - Faster ★★ (2020-11-07 15:13:45)

新たに動き出したケン・ヘンズレーのロックプロジェクト。シンガーにエリック・ホークを迎え、HEEPとメイデンの融合という、マニア心を擽る人選に否応なしに反応しますよね。

ケンの幻想的なイマジネーションを喚起するエレガントなオルガンプレイも随所にねじ込み、往年の空気を現代に再考。その空気感は①②で一気に惹き寄せてきます、浮遊感のあるハードでヘヴィな音像、ケン・ヘンズレーここにありと言った味わいを堪能、その流れを壊すことなく、メロウな③と流れていきます。歌い手としては、定評のあるエリックも、ここでは個性を抑え気味、というかブルース・デッキンソン臭を封じているように感じる。力めばブルースになるのだが、③で聴ける、黄昏た歌い回しの新鮮に響きます。

流石にファンタジーな初期型HEEPにブルースが参加と言う、こちらの安易な発想は木っ端微塵に砕いていますが、ある意味、ライブでケン・ヘンズレーでも歌えるような形、もしくはガイドヴォーカルに沿ってというような、裏事情を深読みして楽しんでいます。

押しなべて古典サウンドです。ポップセンスもそこそこに、60年、70年代と生き抜いてきた男の等身大の感性が無理なく披露させています。ある意味、峠を過ぎたアーティストと呼ばれるケン・ヘンズレー、もう少し絶対的な説得力のあるキラーチェーンがあれば良いのですが、持続させられなかったのが残念、その為、全体的に小さく収まったと感じるのも難点。やはりエリックはもっと歌える、ギターももっと我を出させるべき、そういうゲスト参加したアーティストが借りてきた猫状態に陥るプロデュース力には、些か疑問もあるが(自己顕示欲が強そうだと何故か感じる)概ね、彼に期待する音楽性を披露しており、古典サウンドを所望するマニアなら安心して手が出せる一枚です。

いい雰囲気なのに、余所行きの空気が個人的には感じてしまう。贅沢な悩みを吐露させるほど、ケン・ヘンズレーは偉大なアーティストだったはずである。


KEN HENSLEY & LIVE FIRE - Trouble ★★★ (2020-11-06 18:49:10)

先日、家族に看取られ天に召された稀代のアーティスト、ケン・ヘンズレーがLIVE FIRE名義で2014年にリリースしたソロアルバム。プロデュースを担当するのはケン・ヘンズレー、相棒はヴォーカル兼ベースのロベルト・ティランティ、イタリアのバンドLABYRINTHのシンガーとして知られています。

今回、ケンはどんな歌い手を所望していたのかと思ったら、グレン・ヒューズのようなソウルフルなシンガーだったんですね。参加メンバーもスリムになり、ここで披露するはケンのオルガンがヴィンテージ臭を撒き散らしらしながら、エレガントに舞う古典ロック。そのオーセンティックな作りにファンならずともグッときますが、ここではファンタジーな要素を抑え、とにかくスタンダードな響きで勝負。その為、今の感性でイケば全般的に地味な仕上がりとなるのですが、70年代をガチで過ごした歴戦の兵が、余計な色気を出さずに堅実作業を敢行、英国ロックの伝統を優美に包み込み聴き手を魅了。
レトロなサウンドプロダクションに埋もれがちですが、耳をすませばケンの歴史を総括するような味わいがあり、じっくりとトロ火で煮詰めた英国ロックの旨味成分の強さに唸ります。

URIAH HEEP脱退後の、ケンの活動は日本では過去の人のような扱いになっていました。確かにソロなんだがバンドなんだか分からない活動もあるし、ジョン・ロートンを組んだり、ジョン・ウエットンとジョイントしたり、ややこしい面はあった。作風も脈絡があるのかないのか、そもそも、ケンは何屋さんなのかという欠点がある。
オルガンに専念すれば良いのに、歌ったり、ギター弾いたりと、イングウェイみたいにやりたい放題。そういうのもマイナスに働いたと思っている。ヨーロッパを中心とした活動、特にロシアでは神様のようなアーティストだったケン・ヘンズレー、今現在の日本での認知度を考えるとチョイと残念ですね。

良いメロディと良い音楽、今作は最も大切なものがあります。それだけで十分です。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains ★★★ (2020-11-06 13:00:32)

9月の頭に先行公開された①と③を連日に聴き、リリース時にはアルバム全部を聴いたような感覚に襲われてしまった。
どこか不穏な空気の漂うBOC印満点の①と、それに反するAOR調とも言える歌モノロックバラード③、この二つが今作の方向性を示唆している。レーベルはフロンティアだしある意味、安全牌だなぁと思える。
冒険心もそこそこに、久しぶりにリリースされた今作は、専任キーボードプレイヤー不在の為、方向性としてはハードなカラーを強めた『Heaven Forbid』に近いがアラン・レーニアの後任を迎えなかったのも、アランに対する敬意なのかも知れないが、その辺りに物足りなさを覚えるファンもいるでしょうね。

その代わりにライブなどで長年バンドを支えたリッチー・カステラーノの貢献が大きく、プレイのみならず創作面でもバンドに新風を送り込み鮮度を上げてきた。
マルチプレイヤー集団として知られているBOCに新たなるマルチプレイヤーも加わり、アラン不在も、サンディ・パールマン不在も乗り越え、自らの過去と向き合い再構築することで生まれた今作、フロンティアの口添えも少なからずあると思うが、往年の空気を包み込み見事にイメージを壊さないアルバムを作り上げた。

エリック・ブルームもバックダーマーも衰えている、それらは隠し切れないものだ、その等身大の魅力をBOCカラーの名の下、ミステリー仕立てに作り上げた今作は、実に聴きごたえのあるものであり、無難ではあるが、それそれ、キタきたとマニア心を十分に刺激する、意欲に溢れている。
MVPはリッチーである。それは間違いないが、彼を前に出てこない。主役はオリジナルメンバーであるエリックとバックダーマーだ、そういう構成にすることで今作は威厳を保てたんだと思う。

とにかく先行されたPVを見過ぎた、アルバート・ブッチャードがパーカッションでゲスト参加する①など、今年一番聴いたんじゃないかと言うくらい、公開されてから毎日のように聴いた、良いような悪いような、どっちつかずの感想だが、そのおかげで今作に確かな感触を覚えたのも事実、そして、アルバムを全て知った気になったのも事実だ。何とも皮肉である。

ロン・サールの下で腕を磨いたリッチー・カステラーノは、今後もバンドを支えるだろう、それは創作面のみならずレコーディングなどでも辣腕を振るうだろう。老いては益々壮んなるべしな、二人を支えてもらいたいものだ。

先行された上記の曲以外も、いかにもドナルド・バックダーマーなポップセンス溢れる②、新鮮な⑤⑥、カントリー風のスピードプレイが面白い⑦、王道70年代ロックの⑧、エリックとリッチーの共作によるヘヴィな⑨もバンドしては異色なイメージを与えるしPVにもなった⑪など、魅力的な楽曲が多数収録。アルバム全体の流れも良く、通しても聴いてもダレない構成に唸らされる。

この手の音楽をヘヴィメタルと呼称したことで知られる元祖的な扱いが、このバンドのブランド力を上げているのだが、音だけ聴いてBOCを元祖ヘヴィメタルと呼ぶのは苦しい、どちからというと、ポップなロックバンドでした。いや極めてポップなロックバンドと言えるでしょう。
彼等が個性を強めたのはSF風や摩訶不思議な世界観を歌うと言う知的なエッセンスにある。そして、そのイメージを増幅させるクールな音楽性、埃っぽさのない洒落たサウンドメイクは、どこか濡れており、そして、ミステリアスな空気に満ちていた。そういう個性が、他のバンドとの差別化を図り今日まで活動できている。
今作はそのイメージを真っ向から受け止めた力作だ。残されたミュージシャン人生を考えれば、良くやってくれました。今後はコンスタントにお願いしたいですね。


SANCTUARY - Into the Mirror Black ★★ (2020-11-02 12:34:33)

デビュー時、日本ではスラッシュメタルとして紹介されたように感じるが、このバンドは走り出さない。確かにスラッシーなリフは顔を覗かせるし、プロデュースにデイブ・ムステインの名前もあったんで、そうなるのかもしれないが、出している音はQUEENSRYCHEの影響下にあるミステリアスでダークな曲調のHM/HRサウンドだった。

浮かれまくるL.A風のメタルを尻目に、彼等はプログレッシブロックに通ずる複雑な構成と無頼なパワーメタル色をじっくりと煮詰めることで独自性をアピール、サウンドプロダクションやヴォーカルの節回しなど、全てにおいてパワーアップ、不安定な要素を排除し完成度を高めている。
その深みの増した音楽性は、確実に成長しているのだが、その反面、バンドの顔となる音楽性が見てこず、捨て曲がない代わりにリーダートラックもないと言う決定打に欠ける面が強まっている。前作の弱さが、違う形で浮き彫りになったのは残念だが、前作以上に深みを増した楽曲の数々は、知性と狂気を孕んでいる。その触れると怪我するような切れ味が最大の聴きどころだろう。

これは嗜好の問題でしょうが、アメリカのバンドは欧州のような情緒がない、このバンドに扇情的なフレーズがあれば、日本人には聴きやすいのだが、その辺りが評価を分けるポイントでしょう。ミドルテンポ中心、時々スラッシーに走りますな閉塞感に満ち溢れたダークなパワーメタル、こういう音の需要は日本にも確実にありますのでね。

やはり唄はジェフ・テイトでもリジー・ボーデンでもなく、ミッドナイトくらいが丁度良いなぁ。


SANCTUARY - Refuge Denied ★★★ (2020-11-01 15:20:01)

今ではNEVERMOREの前身バンドとして認知されているシアトル産パワーメタルバンドの1st。方向性というか下地は一頃流行ったQUEENSRYCHE風の密度の濃いシリアスなサウンドを踏襲。一筋縄ではいかぬ拘りの演出、場面展開にも気を配り類型的であることを拒否することで自我を極めようとしている。
シンガーもシアトリカルな要素が強く、ダークでミステリアスな②などを聴けばジェフ・テイトと言うよりは、真っ先にリジー・ボーデンを思い出してしまった。そういう意味では類型的なスタイルなのだが、印象的なリフを引っ提げ伝統的なメタルを踏襲する③を聴けば、ますますリジー・ボーデン色を感じてしまうのだが、そこにプロデュースを担当するムステイン色も加わり独自性を高めている。


またシアトルと言う都市から生まれるメタルはこういう気骨のあるパワーメタル系も多く、こういう音を聴かされると、L.Aの土壌とは相反する感覚なんだと思い知らされますね。
本当にアメリカって広いなぁなんて感じながら、こういうストレートに走らないメタルは、聴き手を選ぶでしょうが、ノリで聴かせない作り込まれたメタルの旨味を味わうには丁度良いかもしれません。
コンセプチュアルではあるが、適度な隙間を設け疲労感を軽減しているのがポイントです。個人的にいつも思うのは、このハイトーン系なら、ジェフでもリジーでもなく、ミッドナイトだなぁである。なぜか覆面の彼を思い出しますね。


LAAZ ROCKIT - Nothing$ $acred ★★★ (2020-11-01 13:06:33)

90年代に入りHM/HRシーンも変革の波が訪れていた。脱スラッシュ化、スピードよりもグルーブと皆が試行錯誤しだす時代に突入しつつあったと記憶している。
このアルバムのそんな煽りは受けているが、2000年を超えぐるっと回って先祖帰りも済ませたシーンを見渡した後に聴けば、全然印象が変わってくる。リリース時に感じた違和感、あれって何だったのか?そんな事すら思い出せないほど、今の感性でいけば全然問題なしの一枚へと変換されるのだから不思議です。
先の展開を読ませないスリルを演出する技巧的なプレイの数々、スパーンとした切れ味よりも、ヘヴィでメタリックな質感が五感を刺激する先鋭性の高い音楽性へと生まれ変わり時代と折衷している。

ベイエリア風からの脱却を狙った新機軸を打ち出した一枚。ある意味、正統性を高めたと言える純度の濃いサウンドである。


LIVING DEATH - Protected From Reality ★★★ (2020-10-30 15:35:31)

ド頭から並々ならぬテンションが一気呵成に駆け抜けていきます。その尋常ない雰囲気は並々ならぬ世界観を映し出し、このバンドの何たるかを明確に示しています。デビュー作は何だったんだと言いたくなるようなスキルアップの数々。鋼の精神性を極限までに高め打ち鳴らされる、鬼気迫るスラッシュサウンドに恐れ慄きます。

初見で聴いたことに衝撃たるやね、いい思いですが、スラッシュメタルとはこういう音だと言う魅力が満載。破壊力抜群、手数の多いドラムは鬼神の如き存在感でバンドサウンド推進、まさに大地を揺るがすほどの強力なグルーブを生み出している。ダークでミステリアス、その禍々しい世界観を映し出しすハイピッチなトトの歌声も、線の細さを武器に独自性を高めることに成功、荒々しくかき鳴らされるギターは加速度を増し聴き手を刺激し続ける。暴力的でありながら整合感の増したサウンドは、メロディの質の高さも手伝い、良質なホラー映画の如く血生臭い雰囲気を醸し出し、知的好奇心を刺激、肉体を歓喜させるだけでない、そのIQの高い毒気が体中を侵食していくようだ。

個人的には1stが初体験なので思いれは強いが、全てにおいてスケールアップした(1stとは別モンと言える)今作はスラッシュメタルマニアは勿論だが、ヘヴィで激しいのがお好みの方はマストな一枚でしょう。何度聴いても、このテンションの高さに度肝抜かれる。起伏を設けアルバム一枚を使い切るドラマ、その質の高さに唸らされますね。恐れ入りました。


KICK AXE - Rock the World - Great Escape ★★★ (2020-10-29 11:07:03)

ド派手な一曲ですね
豪快なリズムの上に爽快なメロディがパワフルに躍動
キーボードもお化粧を施し楽曲を煌びやかにメイクアップ
こういう曲をやれるのがバンドの強みでしょう
ポップでパワフルなアルバムの中でも異彩を放つ一曲
アクセントになっていますね


KICK AXE - Rock the World ★★★ (2020-10-29 10:58:40)

カナダの正統派HM/HRバンドがリリースした3枚目。熱量の高いロックヴォーカルと、そこに被さる厚めのコーラスワーク。爽快だが泣いているメロディに絡むハーモニーの付け方にメロディ派のマニアならずとも耳を持って行かれるでしょう。
80年代的な売れる要素も感じるが、それ以上に感じるのは彼らのアーティスティックな感性。細部に拘ったアレンジと音選びに感嘆、アホでは作る事の出来ない一線級のサウンドで勝負している。
テクニカルな要素もあるが、ツボを押さえたプレイに職人肌を感じるギター、曲調に合わせ色彩美豊かなプレイで楽曲に華を添えています。躍動するリズムプレイも同様に曲調に合わせ強弱のアクセントを表情豊かに見せ、聴き手を魅了。美しいハーモニーの合間を縫うように我を打ち鳴らしていきます。
ロックな熱量も豊富な歌声が胸板厚し、そういう迸るエモーションを売れそうな感性で堰き止めクールな一面をアピールさせることで絶妙なバランス感覚でまとめ上げている。
過去の作品と比べても質は高い、その完成度の高さにメンバーも満足したとは思うのだが、売り上げに繋げる事は出来ずに、次の一手が出るままバンドは解散。コンピ作などにも顔を売り、これからという所だったので残念でしたね。
極上のメロセンスに支配された正統派と呼ぶに相応しい聴きごたえのある一枚。一部のメロディ愛好家の間で知られる一枚で終わるのが勿体ないと思う気合いの入った一枚です。
何度聴いてもグッとくるんだけどなぁ。


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts - Learn To Love Again ★★★ (2020-10-29 10:27:05)

フック満載
哀愁のあるハードサウンドにグッときます
ポジティブな雰囲気も漂い
アルバムのラストソングなのに心もリセットされ
気が付けがアルバムを頭から聴き返しています
絶妙な配置をされた一曲ですね
上手いことやるわぁ


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts ★★★ (2020-10-29 10:21:15)

キー・マルセロとトミー・ハートの二人がメインを張るロックプロジェクト。期待するサウンドは憂いのある欧州型メロディアスHM/HRサウンドですが、今作はそんなファンの思いを前面に受け止め、驚くほど実直にやり遂げている。
それもその筈で、この二人は曲作りに、深く関与していない。楽曲はプロデュースも兼ねている、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオのもの、そういう情報をもらえば、ここで聴ける無難さも納得できるでしょう。
衰え知らずに伸びやかな歌声を披露するトミー・ハートの押しの強さも、無難な曲作りの中でも押しの強さを発揮。フロントマンとしての重責を果たしています。
もう一人の主役たるキー・マルセロも、彼特有の華麗なプレイで魅了、雇われ感は滲み出ているが、二人の名前を担ぎ出すだけの価値は見いだせる。もはや小室哲哉状態のアレサンドロが、全てをコントロールしているのだが、名のあるメンバーを全面に出し、フロンティアはアレッサンドロ・デル・ヴェッキオその人を、売り出しているように感じるのがポイントだろう。
今話題の、北朝鮮の軍事パレートは、自らの国力を示すのではなく、武器を売るための品評会という所だったのと同じって言ったら怒られるかね。

憂いのあるメロディが嫌味なく洗練されたポップセンスと溶け合う極上のサウンド。計算し尽くした手練手管の名手により忖度しまくりのロックプロジェクト。その全てが、危うさなど微塵も感じさせることなく、完璧な精度を誇り演出されたら文句など言えません。
恐るべしアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、有名人二人の名前など借りなくても、彼の才能は既にメロディ派に届いていますよ。

二人の名前に拘りがある人も、この楽曲を聴けば文句など出ません。キーのギターが、お馴染み過ぎると感じるでしょう。トミーも、老いたなぁと思うでしょう。単に連れてこられただけでしょう。それでも力技で押し切れるのは、曲の良さに尽きる。それで十分です。


SARCOFAGO - The Laws of Scourge - Little Julie ★★★ (2020-10-27 17:15:39)

ただ単にノイジーに喚き散らすだけではない様式が存在する
ある意味メロデス勢にも通ずる押し引き得た展開
禍々しくも美しいゴットハンド降臨といったところか
個人的には漫画ベルセルクのワンシーンを思い出します
荒涼としたメロディとキャッチネスさも放り込み
絶妙なバランスで聴かせてくる
ノイジーだけど騒々しいだけじゃない
芸の細やかさに唸る
知名度は低いのだがブラック/デス系が好きな方は是非ともトライして欲しい


SARCOFAGO - The Laws of Scourge - Crush, Kill, Destroy ★★★ (2020-10-27 17:11:16)

元々は1992年にリリースされたEPの音源
復刻されたアルバムのボートラとして今は収録されています
禍々しい暗黒スラッシュサウンドに無慈悲なる冷酷さを加味した
この曲は彼らの代表曲と言えるだろう
作品毎に音楽性の質を上げてきた彼等
継承される悪魔の刻印
この曲にはバンドの新たなる可能性と方向性を示唆した起点となる名曲である


VODU - Seeds of Destruction ★★ (2020-10-27 17:02:03)

知る人ぞ知る南米はブラジル出身のパワー/スピードメタルバンドの2枚目。南米特有の荒々しい粗挽きサウンドは実にスラッシー、しかし、スキを見せると直ぐに正体を無くす演奏に、ハラハラドキドキ、お前たちせーのっ!って言ってからレコーディングしているだろうと言いたくなるような、怪しいプレイをそのままパッケージ(逆にせーのっ!でやり直せ)、あまりのあらびき団ぶりに、ひっくり返りそうになるのだが、メタル愛溢れる熱のこもったプレイと、情緒のあるパッショネイト炸裂するメロディは、妙な吸引力があり、何故かメタルな感性を刺激する。
7分にも及ぶ、動きの多いドラマティックなナンバーなども放り込む、バカメタルで片づけられない魅力も発散。線の細いギターも含め、懐かしさが満載、良く動くベースとドラムも酔拳かよと、言いたくなる剛腕ぶりを発揮、不安定さを味方に聴き手に、襲い掛かってきます。
この手のパワー漲るスピードメタルにとっては、もう少し歌えるシンガーでないと勝負にならないが、この唄が実に不安定な要素を炙り出し、D級感をこれでもかと言わんばかりに強調してくる。
何処をどう聴けばよいのかと、ススメどころも見つからないズンドコベロンチョメタルサウンドなのだが、半地下番長メタルが大好きはワタクシは、どうしようもない魅力があるのです。
今のご時世、お金払わなくとも音源に触れる機会がありますので、見かけたら一度立ち寄ってくださいませ。

このバンドを知ったのは2000年に入ってから、②の歌入れに、あのアンドレ・マトスが参加、彼はヴォーカルアドバイスというか、手助けをした形で参加しているようです。その一点ですよ。
今は亡きアンドレの、若かりし姿を感じたいマニアにはグッとくるでしょうね。


TOLEDO STEEL - No Quarter ★★ (2020-10-26 12:19:16)

イギリスの若き野郎どもが世に放ったのはオーセンティックなHM/HRサウンド。そのNWOBHM仕込みの音楽性に、本当に90年代にグランジ/オルタナブームなんてあったんかいと思わせるほど、あの時代からの影響を微塵も感じさせない古典芸能に終始している。あまりに実直で遊びがないために、懐かしさでグッとくる事はあるが、飽きるのも早く、その辺りは趣味嗜好に委ねることとなるが、このバンドはとにかく古いことを全く拒絶せず綿々と続く物語の語り部として引き継いでいる。

裏返る声も癖が強め、しかし演奏はいたって普通、何とも言えないB級感も漂わせている。化学調味料で味付けされた、懐かしの街中華やに足を運んだ、若かりし頃を思い出させてくれる望郷じょんがら感が満載。個人的にはどうしても外せないジャンルとして心に響き渡ります。

これからメタルを聴く若い人に進めずらい面もあるが、細分化された今だからこそ、メタルというど真ん中を行く音楽性だよと教えたい。しかし真新しさはない。過去をなぞるだけのバンドは評価が難しい。


SNAKES IN PARADISE - Snakes in Paradise ★★★ (2020-10-26 12:03:24)

1994年という厳しい時代にメロディアス路線で勝負を賭けたバンドの1st。その爽快感たっぷりの北欧ナンバーの次に出るのはオーセンティックなブルースロック路線、元ネタも明け透けだが、そこに北欧風味をたっぷりの練り込み、絶妙なバランス感覚で酔わせてくれる。渋すぎずメロウ過ぎない哀愁美にグッと惹き寄せられます。
手堅い楽曲構成は、今聴いても安定感があり古さに埋没しようもない古典芸能を踏襲、だが単なるフォロワーでは終わらないアレンジセンス。伸びやかでエモーショナルな歌声の気持ちよさ、堅実なリズムと躍動するギターは実に普遍的、完全に衰退しつつあったシーンの中で、古典というブランド力を武器に殴り込みを賭けてきましたね。
日本のメロディ派は好意的に受け止めたが、他の国ではどうだったのか興味は尽きませんが、オーソドックスなHM/HRを軸に耳なじみの良い北欧風味で味付けした今作は、幅広い層に受け入れられる音楽性でしょう。
MR.BIGがあんなに売れたなら、これもイケるとおもうんだけどなぁ。


NINJA SEX PARTY - Strawberries and Cream ★★ (2020-10-25 12:35:46)

バンド名に人を馬鹿にしたような風貌、そして思春期の男の子のエロ願望を歌うなど、潔癖な方からは100%嫌われる要素も大なロックユニットの2枚目。シンセ全開ですから、でもフェスなどでウケそうなノリの良さや親しみやすさが全面に出ており、音楽性はけして低くない。むしろトンカツDJ揚げ太郎なサウンドでお楽しみの方なら大いにいけるでしょうね。PVもお気楽で、真面目に議論するものではありませんが、このバンドには、おういうお笑いでお茶を濁さない音楽的な偏差値も高く、全年齢全ジャンル対応の懐の深さがあります。
こういう音を主食として楽しみこともないし、お金を出して買う事もありませんが、定額制サービスのなせる技としてハードサウンドの箸休めに楽しんでいます。
お遊びの要素も強めなコメディポップユニットも、カヴァーアルバム集を3枚もリリース、そこでは有名どころを大真面目にカヴァー、しっかりとしたアレンジと嫌味のない爽やかな歌声で華を添えています。
そちらも注目ですよ。


SABïRE - Gates Ajar ★★★ (2020-10-25 12:11:40)

カナダ人マルチミュージシャン、スカーレット・モナスティルスキのロックプロジェクト的なニュアンスのバンドが2019年にリリースしたEP。ドラム以外は彼が一人で担当とメタルマニアぶりを発揮、そのマニアぶりは音楽性にも反映、イントロあとの②は完全にSATANだよなぁと狙いは十分、毒々しいグラマラスなファッションと相まって、80年代的なアーティスト臭もプンプンと漂わせていますが、アホでは出来ない、英国的な様式美スタイルも感じられ、適度な湿り気を帯びたメロディと、派手目の楽曲との相性も抜群の相乗効果を生み出し、実に真っ当なサウンドを披露している。
親しみやすいのはキャラのみならず、ハードテイストに練り込まれたキャッネスさ、その万能感はシャープな質感を纏い、柔らかいのに芯のあるロックサウンドをスパッと切っていきます。
所謂、トラディショナル系の復権型HM/HRです。ですから真新しさなど皆無です。その先人たちからの影響下にあるサウンドを、パクリと切り捨てるのか、揺ぎ無い忠誠心を捧げたメタル信者と取るかて評価も分かれるでしょうが、毒気を纏いメタリックに走りだす、スピードナンバーの数々にW.A.S.Pに通ずるものを感じました。
そう思うと、あの派手なヴィジュアルも納得ですね。ありそうでなかった真っ当なW.A.S.P.のフォロワーサウンド。こういうのは嫌いになれませんね。


PRETTY MAIDS - Spooked - Twisted ★★★ (2020-10-24 13:32:03)

お約束感満載です
このバンドの定番と言えるような展開とメロディ
自己のスタイルを持っているバンドの強みを感じますね


PRETTY MAIDS - Future World - Future World ★★★ (2020-10-24 13:30:09)

いきなりイメージチェンジに成功しています
力みが賛否を分けそうですが
メジャー志向を打ち出しただけではないガッツを感じます
それでもって大衆性があるのだからスゴイ
でも若気の至りだよねぇ


PRETTY MAIDS - Red, Hot and Heavy - Red, Hot and Heavy ★★★ (2020-10-24 13:25:37)

いいですねぇ
典型的なメタルアンセム
大地を踏み鳴らし拳を振り上げたくなります
ベタな展開ですがメロセンスがエエのです


PRETTY MAIDS - Red, Hot and Heavy - Fortuna Imperatrix Mundi/Back to Back ★★★ (2020-10-24 13:23:56)

この時代が一番好きですね
メタリックかつメロディアスなプリティメイズ節炸裂の代表曲
最新作は冗談としか思えないほど売れ線志向になびきすぎだよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Nightmare Epiphany ★★★ (2020-10-24 13:00:35)

ピアノがいいぇ
メインリフを華麗に弾いております
そこに絡むギターもいい
これもBOCな魅力を感じます
このラインナップの旨味ですかね
粋なシャレオツ感が実にクールに鳴り響きます
ドナルド・ローザーの声にピッタリだね


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Box in My Head ★★ (2020-10-24 12:57:55)

なつかしいなぁ
このポップセンスこそ長年貫かれてきたスタイル
ローザーらしい爽快感が聴きどころ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - The Return of St. Cecilia ★★★ (2020-10-24 12:55:07)

ノリの良いキャッチーな一曲
アルバムの流れ的に絶妙
ハモンドの音色もアクセント
歌うはリッチー
彼の声はBOCパワーポップに良く似合う
そして懐かしのリチャード・メルツァーのクレジットにニヤッとしました


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - The Alchemist ★★★ (2020-10-24 12:49:14)

曲はリッチー単独で歌うはエリック・ブルーム
ヘヴィでブルージーなリフが耳を惹きますね
このバンドらしい冷ややかな感性が楽曲を引き締めています
アラン・レイニア不在は痛いがピアノも聴こえてくるがもっと欲しい
多くのファンを満足させる今作のハイライトと言える一曲でしょう


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Tainted Blood ★★★ (2020-10-24 12:40:18)

リッチー・カステラーノは歌が上手いねぇ
王道をいくブルージーなバラードナンバー
BOCとしては新しい風を感じます
壮大な雰囲気はホワイトスネイク風ですかね
こういう曲をアメリカンナイズドと叩くのでしょうね?
ドラマティックないい曲ですねぇ
エンディングに向けて迸るエモーションを込めたソロはリッチーのもの
エエねぇ
1stは譲ったがエエよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Train True (Lennie’s Song) ★★★ (2020-10-24 12:32:47)

ウェスタン風?ロカビリー?
西部劇をイメージさせるフレーズをスピードに乗せ奏でるのが印象的ですね
こういう遊び心はアルバムの楔になりますね
色々と仕掛けていますよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - That Was Me ★★★ (2020-10-24 12:29:07)

9月の頭には先行公開されていたアルバムのオープニングナンバー
冷ややかな感性とBOCにしてはファットなサウンドに驚かされた
特筆すべきはアルバート・ブーチャードがパーカッションで参加
一応はPVの映像にも収まり最新作に華を添えている
コロナの影響もあったのか全メンバー別撮りの合成映像にチョイと笑えるが(アルバートは何処を見ている)
最新作の方向性は見えてきた
リードギターとして活躍する若きギタリストもメンバーに合わせ忖度しているのが面白い
彼はもっと弾けるギタリストですからね
まぁマルチプレイヤー集団だから仕方ありませんよね
専任キーボード不在は寂しいが新生BOCに対する期待値を上げるのに十分な魅力があります


DRAGON - Fallen Angel ★★ (2020-10-23 12:17:35)

ポーランドのメタルシーンを語る上では外せないバンドの2枚目。前作のスラッシーなパワーメタル風味から一転、シンガーもデス系に変わり、そのままデスメタルスタイルへと変貌。こういう流れに驚くことはないが、とにかく音質が悪い。
こじんまりとしたサウンドプロダクション、分離の悪い音質は隣のスタジオからの音漏れを聴いている気分。そういうことがマイナー臭に拍車を掛け、真剣に聴く気になれないのだが、聴いていると骨がきしみだすようなノイジーさと、汚らしく塗されたイーブルさ、その独特の感触に個性を見出せます。
またデスメタル特有の感性、闇の美学なるダークネスさをストレートにぶつけることで不穏なる空気を演出、その分かりやすさは説得力へと変わり、聴き手の感性をドス黒く汚していく。

地を這う血まみれのヘヴィグルーブも音質の悪さに殺されているが、他のジャンルとは例えようがない、デスメタルサウンドを確立しようと苦心している。ポーランドメタルの悪い例を特出したような作りになってしまったが、デス系のメタルを愛するマニアならチャレンジして欲しい、元祖的な音に溢れた一枚である。


THE POODLES - Performocracy ★★ (2020-10-23 11:50:50)

所謂80年代のメタルリバイバルブームの流れでデビューを果たし成功を収めた北欧のグラム系HM/HRバンドの4th。今作は基本、歌心を大切にしたメロディアスサウンドを踏襲しているが、それ以上にシリアスでダークな感触が増量、今までのイメージをソフトチェンジさせることに成功。明るく弾けるだけじゃない、第二形態へと進化させている。

現代的なエッセンスを前面に押し出し親しみやすさを抱き合わせたナンバーは、いささか安直に映るのだが、ビックセールスを実現した先人たちの音楽性、それらをジャンル問わず取り込むスタイルは、ある意味、毛嫌いされる対象となるのでしょうけど、ここまで狙い、やり切ったのなら文句は言えないでしょうね。
正直、オリジナルティは薄い、刺激も少ない。それでも4枚目までコンスタントにリリースできる盤石があるからこそ、前作との相違点を明確に作り新機軸を打ち出せたのだろう。そういう意味では野心に溢れた一枚となる。

それにしてもヤコブ・サミュエルは近未来的サイバーメタル風の楽曲に、あの金属質な声は似合うんだという事を再認識した。


兀突骨 - Where Warriors Once Dreamed A Dream ★★★ (2020-10-22 17:11:44)

まずバンド名が渋い。光栄のシミュレーションゲームやNHKの人形劇の影響もあり、大好きな世界である三国志、その中でもゲームではポンコツの部類に入る(知能が低いのですぐに計略にかかる、また三國無双などでもヤラレキャラだ)。マニアウケの孟獲率いる、藤甲軍団の武将、兀突骨をバンド名にした、国産デスラッシュバンドのフルアルバム。
川崎の残虐王の名を持っているらしいが、その異名に偽りなし、和のテイストを持ち出しつつも、臭くならず世界を相手に戦えるだけの個性と質の高い音楽性を披露。
三位一体となり繰り出される泣く子も黙る暴虐性、そこにそこはかとなく流れる悲哀のメロディ、戦火の果てに命を落とす兵どもの夢のあと先、儚く散るはな、刹那な世界を唯一無二の個性へと変換させ、無慈悲なる暴力的なサウンドの中で有機的な絡みを魅せ独自性をアピール。西洋の音楽性を和をもって迎え入れているが、けして飲み込まれることなくハイブリットさせたバンドの柔軟さに恐れ入る。
これは海外志向ではなく、日本から生み出されたエクストリームミュージックなんだと胸を張れますね。凄みのあるデスヴォイス、おおよそトリオとは思えない分厚い音像、先鋭的でトゲトゲしい密度の濃いヘヴィサウンドの凄み、重量感たっぷり、死者の怨念が渦を巻き、生者を祟り呪い殺すが如き変化自在のヘヴィグルーブ、その圧倒的な破壊力で打ち鳴らされるドラムと、アイデア豊富な才人、高畑のスラップするベースからは、グラインドコアは勿論、インダストリアル系からの影響も感じられ、個人的には新鮮に耳に響きました。
特筆すべきは芸達者のギター、雄々しい怒号を上げるバンドサウンドの上を喜怒哀楽を用いて縦横無尽に駆け巡り、苛烈なるバンドサウンドに表情を付けている。戦いに身を置くものの儚き命、円城寺のギターは実によく唄っている。

聴くたびに思うのは実に芸の細やかなバンドであるという事、技巧的にも海外の一流ところと比べても遜色なし、アグレッションに埋没させない有機的な響き、その確かな人間力がこれほど織り込まれているデス系を、私は余り知りません。門外漢も甚だしいので言及はしませんが、このバンドには、実に人間臭さが音に溢れている。それが最高に好きです。

ライブのSE的に意味を含むインストナンバーの①から始まる、彼等が提示した戦国絵巻にスキは見当たらない。

それにしても何故、兀突骨なんだろう。三国志好きなら、一度や二度、理不尽な奴に向かって、董卓みたいだなぁとか、喧嘩の強いやつを呂布奉先扱いしただろうが、兀突骨を選んだセンスが素晴らしい。狙い過ぎるとダメだから、語感も含め絶妙です。個人的には三国志ポンコツキャラと言えば、真っ先に思い浮かぶのは曹豹です。内政に向かないし、戦闘に出しても戦う前に計略でボロボロになるんだよなぁ。言いたい名前だと武安国、董荼那、阿会喃、帯来洞主、祝融夫人とか出ますね。


JURASSIC JADE - 帰天 ★★★ (2020-10-22 16:16:17)

2014年にリリースされた6曲入りのEP。シンガーでありバンドの顔でもあるHIZUMI嬢のアジテーションヴォイスは健在、紆余曲折を経て辿り着いた崇高な理念すら感じさせる歌詞と音楽性、その二つが濃密に絡み合う事で、このバンド独自の世界観を演出してきた。時代の中で折衷しながら磨き上げた普遍的ヘヴィサウンド、ジャリジャリと下品にささくれたつギターも、ここでは逆に暗黒サウンドとしての気品すら漂わせ、唯一無二のスタイルをより一層黒く塗りつぶしていきます。

うねりを上げるヘヴィグルーブの熱を帯びた粘着力、スパーンとドラムが切ったかと思えば、ベースがねっとりを絡みつきヘヴィな現代的音像を浮き上がらさせている。
スラッシュメタルを軸に置きながらも、時代性を無視してこなかったバンドサウンド。今作は久しぶりに初期の頃を想起させるスピード感も戻り、摩擦度も増量。しかし、それは安易な原点回帰などではなく、現在進行形の深化の果ての先祖返りであり、彼等が今日まで培ってきた音楽性が結実したに過ぎない。

定番を持っているバンドは何をやっても強い。今作は、このバンドらしい黒い感性が唯一無二のキャラクター、HIZUMI嬢を伴って鮮烈に解き放たれている。ヘヴィな音像に埋もれることなく共鳴し合うキャッチネスさ、ただ攻めるだけじゃないアグレッションの開放、質の高いドラマ性を有するダイナミズム溢れるバンドサウンドに唸ります。

吐き出される呪詛、6曲入りでは物足りないよと、とんでもない渇望感を味わう銘品です。久しぶりに聴きましたが、意外なほどキャッチーなサウンドに仕上がっていて驚いた。古さに埋没しない古典芸能。彼等は同じ場所に留まらず、常にシーンを見定め攻めていた。その多様なアイデアを破綻させることなくバラエティ豊かに押し込めてきた入魂の一枚。同じ日本人であることを誇りに思える感性。スラッシュファンは勿論、ラウド系のマニアも飲み込ませるだけの力が備わっている一枚でしょう。


DRAGON - Horde of Gog ★★★ (2020-10-20 13:36:11)

ポーランドのメタルシーンを語る上では外すことのできない伝説のバンド、ドラゴンの記念すべき1st。ヨーロピアンテイスト満載、スピード感溢れる重厚な楽曲はどれもがインパクト大。迫力満点の高速ツインギターから繰り出される癖も強めのフレーズはドラマ性を高めつつ個性を発揮、先人たちからの影響も自分たちの流儀に染め上げ、見事に昇華している。

高い演奏技術に支えられた楽曲は、どれもが粒だっており、攻撃性の中に秘められた叙情性、ダイナミズム溢れるバンドサウンドを牽引する、ハードドラムとメイデン風ベースの絡みも正統性を高めることに貢献、そのエキサイティングなプレイの数々は、派手に走る回るツインギターコンビとの相性も抜群である。

一体感のあるバンドサウンド、そこにポーランドメタル的な癖のある唄が乗るのだからマニアならずともグッと惹き寄せてくるでしょう。一気呵成に突っ込んでくるだけではない多様性、リズムチェンジも多用した楽曲群はドラマ性を高めことに余念もなく、アイデア豊富なツインギターによって極限まで楽曲を盛り上げている。

どこか陰りのある東欧的なメロディも、ここではアングラ臭を強めるよりもバンドの個性に磨きをかけており、地下メタル愛好家だけが愛でるのは勿体ないよと言わせるだけの、ワールドワイドに羽ばたける魅力を携えている。時期的にスラッシュムーブメントも泡沫状態、大手レーベルからドントンとデビューを果たしている時期でもあり、そして脱スラッシュ的な匂いがしつつある時期でもあった。それだけに、このバンドは知名度を上げ切れなかったのだが、スラッシュマニアなら押さえて欲しいですね。同郷のTURBOのKawaleria Szatanaあたりが好きな人なら迷わずイってほしいアルバムですね。


Love Machine - Hungry for Your Love ★★★ (2020-10-20 13:10:51)

イタリアのメロディアス系正統派HM/HRバンドが1992年にリリースした2nd。鮮烈なメロディと歯応えのあるハードテイスト、二本のギターとキーボードを駆使し時には軽やかに、そして力強い旋律が駆け抜ける王道スタイルを披露。北欧系のような雰囲気もあるが、そういう甘さよりもパワフルさが勝っておりメタルバンド特有の荒々しさがメロディアスなサウンドと絶妙なバランスをもって駆け引きを行い、互いの良さを高め合っている。この手のメロディアスHM/HRにとっては奥行きのないサウンドメイクに良さを殺されているが、低予算に恨めしい思いを抱きつつも、それ以上に楽曲の質も高く、甘すぎず軽すぎない男前なHM/HRサウンドで勝負している。

これで、もう少し歌い手に表現力があれば良いのですが、粗い声質の歌い回しではイマイチ曲の良さが伝わってこないのも、このバンドの短所と映ってしまうが、メロディを大切にする曲作りに、島国日本の情緒に訴えるようなメロディが満載、そこに秘めたるパッションが弾けるバックのカロリー高めの演奏がテンションをアゲアゲで迫ってくるんだからな、メロディ派なら大いに楽しめるでしょう。

こういう爽やかだが泣いているHM/HRは欧州ならではの味わい、大切にしたいものです。ピアノの旋律が涙を誘うバラードなんて、上手い歌で聴きたいに決まっているんですけどね。日本のインディーズ系にも通ずる歌は弱いが曲はイイ、音質云々の不満を飲み込ませる力技に目を細めてしまいます。ワタクシこういうの大好物なんです。