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WITCHFINDER GENERAL - Live '83 ★★★ (2023-04-02 09:41:02)

2006年に突如世に出た幻のライブ音源、マスターテープの問題があり、商品化が難しいと言われた曰く付きの珍品が世に出ましたね。
ドロドロとした黒く濁った感性が押し出される禍々しい暗黒サウンド、そのウネリのあるグルーブと刺激的なサウンドは、初期型サバスに通ずるモノがあり、ドゥーム系を好むマニアにはウケも良いでしょう。
速いのキャッチーの雑誌の評価がどうのこうのと、薄口ベテランメタラーなど一切寄せ付けないガチンコな空気、オジー・サバス直系のサウンドには必ず一定の需要があるかと思います。
良くいるでしょう?オジー・サバスはメタルの元祖だとか、雑誌に書いてあることを恥ずかしげも無く言う奴ね。そのくせ、他にどんなドゥーム系あるんですか?と質問しても何にも答えられない、挙げ句はサバスは別格だで終了。
首蹴ったろか!である。

生々しい実況録音盤、ミスは多いし音楽性以上に怪しい場面も多い、でもそこが手直しなしのライブだと言いたい。
そういう追体験を所望するリアルなメタルマニアにとっては、ありがたい一枚でしょうね。


NO TROUBLE - Looking for Trouble ★★★ (2023-04-02 09:22:20)

ノートラブルというバンド名がトラブってるぞと思うマニアも多いでしょう。ドイツが生んだメロディックメタルバンドですが、方向性としてはワールドワイドな感性を持っており、アメリカで成功したSCORPIONSの影響もあるだろうし、BONFIREなどを想起させるメジャー感が最大の聴き所、ドイツらしい生真面目さと剛毅なスタイルに、持ち込まれた大衆性。しっかりとした演奏と無理のないアレンジは聴いていて気持ちが良い。
その反面、予定調和が多いのでスリルや鮮度を求めるマニアには不向きなスタイルである。昨今の小洒落たメタルしかしらないライトリスナーには、良い意味で80年代の空気を纏いつつも、やり過ぎないメジャー感に触れるのは、音楽的見地を広める意味でも参考になるかと思います。
硬軟交えたメロディックメタル、どこかで聴いたことあるに親近感を覚えるか嫌悪感に支配されるかで評価も分かれるだろうが、パープル、RAINBOWと言った欧州メタルの始祖からの影響、そしてBON JOVI旋風はミュージックシーンを塗り替え世界中に波及した事実を確認して欲しいですね。


DEXTER WARD - III ★★★ (2023-03-30 02:12:58)

NWOBHM仕込みの正統派HM/HRサウンドを轟かす時代遅れのギリシャメタルバンドによる3枚目のアルバム。お得意のエピカルな空気を持ち込みメイデンヨロシクなドラマ性も散りばめ、往年のメタルバンドが持っていた雰囲気を良い意味でのB級感でコーティング、劇画チックなサウンドに取ってつけたような違和感はなく、この道を不惜身命と言わんばかりに突き進んでいる。

正直、このバンドが醸し出すマイナー臭は、かなり評価を分けると思います。けして上手いと言えない演奏はマイナー臭に拍車を掛けるし、薄っぺらいミックスも同様にアングラ臭を倍増させている。
そういうマニアックな風合いはあれど、やはりUS産のパワーメタルやエピックメタルを聴いてきた猛者ならば、逆にその胡散臭さが魅力に感じる音ではあるだろう。ワタクシも調子が悪いときは、あれ?なんでこれを聞いたん?と思う時もあるのですが、全体的に、何かに傾倒していない分、スッキリとした味わいも残っているからイケるんだろうと、エピックメタル初心者には丁度良い濃さかと思いますね。


Sheriff - Sheriff - Living for a Dream ★★★ (2023-03-28 12:22:52)

浮遊感のあるメロディと強烈なハイトーンが絡む展開も予想外
先の読めないスリルと裏腹に
のどかな景色も見せるのだから不思議な魅力に包まれた一曲ですね


HALLOWS EVE - Tales of Terror ★★★ (2023-03-28 12:17:52)

メイデンタイプのスピード/スラッシュメタルバンドと言われる今作だが、オープニングナンバーを聴いたときは全然ちゃうやんである。そのドクサレ暴走ロックに仰け反りますが、粗暴で血なまぐさいサウンドは、違う意味で魅力的。その後はメイデン風味の楽曲を放り込んでくるのだが、荒れ狂うオープニングナンバーのインパクトは絶大だ。
曲に合わせ器用に歌うシンガーも、このバンドサウンドを牽引、分離の悪い音質は迫力を削ぐのだが、それでもスピード狂にとって血湧き肉躍らせる、疾走感にグイグイと引き込まれるだろう。
これぞNWOBHM仕込みのアメリカンメタル番長の誕生、四の五の言わずにつんのめって突っ転ばすスピードナンバーに首筋が疼きますね。


Stainless Steel - In Your Back ★★★ (2023-03-25 21:47:48)

ツインギター5人組によるジャーマンメタルバンドが1985年にリリースした1st。先人達からの影響下にあるストレートなメタルソングは、奇をてらわないだけに、その筋のマニアならば安心して身を任せる事が出来るでしょう。
音質は良くないが剛毅に打ち鳴らされるヘヴィメタルサウンド、そして欧州由来の泣かせのメロディも飛び出し、ドが付くヘヴィメタルをやり切っている。小気味よく展開するのも流れて気に良いのだが、正直デジャブ感は否めない、コンパクトな楽曲でも顕著に感じるのだから、人によってはかなり評価を分けるだろう。
デビュー作、故に起こる行きすぎた模倣、これもメタル愛と捉えられるか?個人的には、こういうスタイルを否定できません、好きなメタルを詰め込んでいるので許せるんですよね。
潔癖な方にはすすめませんが、80年代ならではの普遍的メタルサウンド、細かい事を気にせずにワカチコワカチコ楽しむ方なら是非とも聴いて欲しいヤツですね。ツッコミながら楽しむのも一興です。


KIMBALL JAMISON - KIMBALL JAMISON ★★★ (2023-03-25 01:24:13)

ボビー・キンボールとジミ・ジェイミソンがタッグを組んだプロジェクトチームによるフルアルバム。ジャンボ鶴田と天龍源一郎の鶴龍コンビを彷彿とさせる最強感にグッと寄せられますね。
この二人に望む音楽性、それを裏切りもなく適切に伝えてくれた一枚、裏切りがない分、刺激は薄いのかも知れないが、その分、安定感は抜群。これだよこれ、ヨッ待ってましたが連発なのが、このプロジェクトに対する答えでしょう、両者が互いを高めあい歌い上げる様に、なんの文句があるでしょうか、ゲストギタリストもソロでは華を添え、存分に盛り上げています。
上手い唄と定番を外さないAOR調のハードサウンド、唄モノロックを愛する方ならばマストな一枚と言えるでしょう。


GARGOYLE - 鬼書 ★★★ (2023-03-25 01:10:17)

浮き沈みも経験したベテランバンド、そのド派手なヴィジュアルと和を基調とした世界観、歌詞やコスチュームなどにも顕著に表れているが、でオチでは終わらない説得力があるのが、このバンドが長く続けられている理由であろう。
勢いのある楽曲とメロディを蔑ろにしないアレンジ、良く動き回るベースはとてもテクニカル、ドラムもパワフルに追撃態勢を取り、強靱なリズム隊はバンドサウンドの根幹を支えている。
ギターも上手い、メロディの紡ぎ方も練られているが、勢いを重視した作風なだけに見過ごされガチだが芸の細かいギタリストである。とにかく勢いのあるアルバムだ、個人的には少々、こぢんまりとまとまった音質にダイナミズムがスポイルされたようで不満もあるのだが、このバンドのファンは勿論だが、攻撃性の高いスピードナンバーが好きな人には一定の需要があるはずである。
V系もどきだと揶揄される事もあるバンド、V系にしては硬派過ぎるし、媚びは売っていない。むしろ何者も属さない個性を磨き上げ、継続した活動をしている。その姿勢だけでも十分に納得させらる信念を音に乗せている。
個人的に歌は苦手だが、その分、多彩なリズムプレイとギターに耳が持っていかれますね。


SYE - Wings of Change ★★★ (2023-03-19 17:49:40)

カナダ産の正統派のメタルバンドがリリースした2枚目。分離の悪い音質、そのせいで爆音が坂を転げるように落ちてくるような粗さに踏み潰されそうになるのですが迫力は十分に伝わるでしょう。ヴォーカルの処理も含め、もっとなんとかならんのかいと言いたくなるのですが、メロディを蔑ろにしない光沢のあるメタルサウンドは、北米というかカナダ産ならではの味わい。キッチリと作り込まれた楽曲ですが、突貫レコーディングと思われる危うさがマイナスに働いている感は否めない。
インディーズ作品なんて毎度の事だからイチイチ言わないのですが、先日達が築き上げてきた伝統を守る姿勢、その頑なさが魅力的に感じるだけに、全体を包む雰囲気重視作風に陥ってしまったのは残念だ。あとヒットを狙ったのかSWEETのカヴァー④は蛇足感がハンパない。
しかし、そういう欠点を飲み込ませるだけのパワーがあるのは間違いない。アルバム2枚で消えたが、次作も聴きたいと思わせる内容でしたねぇ。


Orions Sword - Crusade of Heavy Metal ★★★ (2023-03-19 17:35:30)

スウェーデン産のメタルバンドのコンピ作。デモ音源をひとまとめにしたモノですが、流石はCult Metal Classics Records、マニアのハートを鷲づかみますよね。初期の頃はオジーサバスやディオサバスの影響を受けたサウンドを展開、シケシケの枯専英国テイストを導入した北欧風味のあるサウンドは、あるようでないスタイル。時にはフォーキーなメロディまで飛び出し勇ましく闊歩するヘヴィメタルスタイルまで見せつけ、自分たちのルーツと時代に合わせ音楽性が進化する様を見せつけています。

お世辞にも音質が良いとは言えません。けして大きいとは言えないスウェーデンのメタルシーン、限られた環境の中で積み重ね研磨された音楽性、その海のものとも山のものともつかぬ、バンドサウンドは磨けば光る原石の如き魅力に溢れています。

けして大味にならないメロディの丁寧な紡ぎ方、全体を包み込む妖しげなダークテイスト、永久凍土の氷河で眠る人類創世前に世を支配した魔のモノ達。そういうイーブルタッチが北欧、メロディックというフィルターを通して展開しているのが最大のポイントでしょう。
サバスのドゥーム感が苦手な人には、こっちの方がウケそうですね。またテンションの上がるスピードナンバーもありますし、無名のバンドと敬遠せずに、世に出なかった良品を楽しんで欲しいです。
まぁメリハリのない音質ですから、少々ダレるんですけど、21曲入なんで前半後半に分ける事を進めたいです。


MISTREATED - Première Intervention ★★★ (2023-03-19 17:21:09)

フランス産のメタルバンド。オリジナルは1988年リリース。2016年にNo Remorse Recordsから大量のボートラを追加した再発盤も出ています。日本ではフランスのメタルは完全に格下扱い、とにかく英米と言いますか、まぁ日本のバンドもダメでしたからね。
なんたって日本では邦楽と洋楽という言葉で音楽の区別をつけます、おそらくこの感覚は日本独自のモノでしょう。英語圏ではない島国ニッポン、海外に憧れを抱き文化を模倣した国だからこそ、起こりえた事象でもあります。
洋楽はブリティッシュにアメリカン、ミュージックライフの読み過ぎである。
そんな煽りを完全に受けたフランスのメタルシーン、日本にいると情報は全く入ってきませんが、ワールドワイドな視野で偏見無くメタルシーンを眺めているマニアにはヒッソリと教えたい幻の一枚です。日本のバンドに通ずる歌の弱さも、なんだか逆に嬉しくなる80年代型メタル、多種多様な楽曲を用意、どれもが若干詰めが甘く、また輪郭の緩い音質も手伝い、ヌルッとした作風になっている。フランスならではの軽やかさ、甘美なポップセンスとメタリックな感性、そういうものが混在なり大きくなれないメタルシーンの中で悪戦苦闘する姿が音に現れていますね。
なかなか推しどころがないのですが、その推しどころの無さが最大の聴き所、先人達が築き上げたメタルマナーを遵守する姿勢。そこに引き寄せられます。バランスが悪いと言えばそれまでですが、アルバム一枚で結審するのは難しいです。それだけに次の一手が欲しかったバンドでした。


STARGAZERY - Eye on the Sky ★★★ (2023-03-16 18:27:57)

MSGの来日公演における貢献ぶりは忘れませんね、何でも器用に歌いこなした、ヤリ・ティウラがリードヴォーカルを務めるバンドの1st。Burning Pointからギターのピート・アホネン、ベースのユッカ・ヨキコッコ、ドラムのユッシ・オンテロが参加、キーボードのマルコ・スネックはPoisonblackというキャリアのあるメンツが集合、これでハズレを掴むことはないだろうと安心できるのですが、出している音は期待に応えるに十分な出来映え、ギターオーセンティックでありながらも、ヤリの透明感のあるディープヴォイスを絡ませ、北欧らしい叙情性とハードテイストを見事に両立させている。
ボートラとしてサバスのHeadless Crossのカヴァーも取り上げているが、本編の充実ぶりに、ある意味蛇足感すら漂わせる贅沢な仕上がりでしたね。粘り腰のメロディアスロック、何気に鍵盤プレイもアクセントになっていますねぇ、メロディアスなのにタフガイなんですよ。
この剛と柔の戦いにラオウとトキによる、兄弟決戦の名シーンを思い出しますね。


STARGAZER - Life Will Never Be the Same ★★★ (2023-03-16 18:13:07)

北欧のメロディックメタルバンドによる3枚目のフルアルバム。北欧らしい透明感のあるメロディよりも古典的なメタルスタイルに比重を置き、実にオーセンティックなHM/HRサウンドを奏でている。ピート・サンドベリ+ラッセル・アルカラ風の歌声もエモーショナル、躍動感をもたらしている。ヴァンデンバーグとかも、こういう作風に進めば良かったのに、ホワイトスネイク崩れだったもんなぁ。
単なる懐古主義ではない、現代のフィルターを通した逞しき古典ロック、そのルーツを辿るのも、お楽しみの一つでしょう。とはいえ、大きな仕掛けはありません。予測不可能な展開もない、そういう意味で食い足りなさを覚えるマニアも多いだろう。
しかし定番商品を並べただけではないアイデアは十分魅力的であり、何を聴かせたいか明確に提示した音楽性の強みは相当なモノだ。ベタに敵うモノなし、これでいいのだぁと言いたくなります。若い人にとっても簡単にレイトバックした時代を追体験できる仕様は、けして無駄ではないはず、日本でも受け入れられる音楽性ですよね。


TOKYO BLADE - Fury ★★ (2023-03-11 16:53:54)

雑誌読まないので新譜情報は幾度、あなたのオススメでまかなっているので、彼らの新作を見過ごしてました。しかも国内盤のリリースまであったんでしょう。老舗NWOBHMの人気ってあるんですね。
バキバキとしたベースが耳を惹きますが、マイルドな歌声のアランにフィットするようにメロディックメタルスタイルを堅守、オールドスクールなマナーを遵守しつつも過去の財産だけを食い潰すだけではない老獪さを駆使して、目立たぬようにやり切っている。
個人的には、15曲のボリューム感はマイナス、前半後半みたいにわけて聴くことをすすめたくなるのですが、アルバム単位で評価するとチョイと厳しいですよね。
また、アランのヴォーカル処理も気になる、妙にエコーを掛け、くぐもっているように聞こえるのはマイナスだろうと、気になる点を並べましたが、それは音楽性的に、最近の集大成的な出来映えであり充実感がある、それだけに、苦言を呈したくなりますよね。

多くのファンが求める英国的な情緒と哀愁のメロディ、英国式様式美といいたくなるようなスタイルの音楽性を貫いているだけに残念ですが、それを飲み込ませるだけの魅力が今作にはあり、ファンならば安心して手を出せるでしょう。
流石の作りである。まぁベースが目立ち、ギターリフは何処~なんて気になる点はあるんですけどね…


LOVEBITES - Judgement Day ★★ (2023-03-11 16:37:00)

駆け抜ける疾走感、そして親しみやすいメロディ、所謂メロスピなる言葉に反応するマニアには絶大的な支持を受けるバンドであろう、ラブバイツの最新作。ドラゴンフォースとかハロウィーンあたりの音楽性に近いのだろうが、お得意のメイデンよろしくのギャロップビートも盛り込み、オールドスクールを愛する老若男女のハートを掴むことも忘れない。
個人的には、腸にズシンと響く、重心の低いミドル系や、テクニックを生かしたプログレッシブな変わり種などを、放り込みもう少しメリハリをつけて欲しいと思うのだが、彼女達のファン層を考えると、ミドル系ってウケが悪いもんね。
多種多様なメロディックスピードメタルを揃え飽きないように、工夫を凝らしてくれた今作。ともすれば陥りやすいマンネリ感を見事に打破、自らが進むべき道を切り開いた先駆者としての気概を大いに感じました。
個人的にはドストライクなバンドではないので熱心に聞きこむこともないのだが、フォローする人が増えるのはありがたいですね。


TYGERS OF PAN TANG - Majors & Minors ★★★ (2023-03-10 18:06:12)

ジャック・メイユと作り上げた時代のベストアルバム。2008年から2020年という時代をフォローしているので、最近の彼らを知らないマニアにはありがたい一枚だろう。ヴァージョン違いやアルバム未収録のシングルB面曲もあるのだが、サブスクリプションサービスのマニアには、あまり意味はないかもですが、CD派ならば重宝するでしょうね。

モダンさを無視する事なく、だからといって過去の姿を切り離すほど、薄情な音楽性に傾いていないので安心して彼らの変遷を楽しむことが出来るでしょう。メタリックなリフを基調としたクラシックメタルスタイルは、このバンドの魅力を端的に伝えるモノ、小気味良いリフとグルーブ、どこか煮え切らないメロディも英国らしい魅力に溢れており、古くて新しいTOPサウンドを形成している。

今年新作をリリースする彼ら、昔の姿しか知らない人にこそ聴いて欲しいねぇ。


TYGERS OF PAN TANG - A New Heartbeat ★★★ (2023-03-10 17:53:51)

2022年にリリースされた4曲入のEP。新曲2+リメイク2という変則的な内容ですが、ハリー・ヘスをミキシング担当に迎え、昨今のメロディックなサウンドを推し進めている。良い意味でのモダンさを加味させたクラシックメタルサウンドは、まさにこのバンドが現役のバンドであり、過去の財産を食い潰すだけのノスタルジックな世界観で生き続けるだけではない地肩強さを見せつけた。

ある意味、一部の批評家や雑誌の記事を真に受け、上書きできない情報薄弱者がいるために、いまだにこのバンドをジョン・サイクスのバンドと勘違いしている人がいるのは事実。確かに在籍していたが、加入したばかりのサイクスにイニシアチブを握れるほどの発言権もなく、早急にバンドを去ったので、そういうイメージを抱く方が難しいのだが、どういう分けか伝播されている内容には眉唾ものが多い。

初期の作風から順序立てて聴けば分かりやすいのだが、NWOBHMとサイクス加入期が重なった、それが事実である。それにより攻撃的なスタイルに拍車が掛かり、その後、多くのバンドが討ち死にを果たした音楽性の変遷により消えただけである。

初期のリメイクを聴き、このバンドの本質を見つけて欲しい。このバンドはロブ・ウィアーのバンドである。彼が抜けた時代が一番らしくない。


DAKOTA - The Last Standing Man ★★ (2023-03-05 18:09:42)

幻のバンド、ダコタの復活と話題性はありましたが、どういう分けかシンコーミュージックとM 愛すべき人がいて、でお馴染みのAVEXとは相性が良くなかったのか、あまりフォローして貰えなかった国内盤はベアナックルレーベルからリリースされたフルアルバム。
個人的には打ち込み系だろうが2枚目の作風がダコタ初体験だったのもあるし、彼らのカタログの中で2枚目が好きだったが為に、今作は激ハマりとはいかなかったのだが、TOTO系の洗練された大人のロックが好きな人ならば、マストと言える出来映えを披露。
売れ線志向と言っても時流に合わせ音楽性を変える事とは違い、このバンドは地に足が付いている、良いメロディと耳馴染みの良いアレンジ、安定感のあるサウンドはメロディ派のマニアならば安心して手を出せるでしょう。
ビル・ケリー不在の影響もあるかなぁ~。Jerry-Kelly時代や1stと聞き比べても、今作の方が流れて気には順当ですしね。


ANTHEM - Crimson & Jet Black - Snake Eyes ★★ (2023-03-05 17:12:33)

こちらも先行公開された新作からの一曲。グラサン姿の柴田さんが印象的ですね。
相変わらす流麗なギタープレイの清水、パワフルな田丸のドラム。
最近のメロディックメタルなアンセムです。
マンネリか定番かで評価も分かれるでしょう。
最新作はそういう作風なのかなぁ?


Worrall - Worrall ★★★ (2023-02-27 22:16:49)

リックとスティーブのウォラル兄弟からなるカナダ産のAOR系メロディックハードバンドによる1st。カナダではスマッシュヒットを出しており、所謂、日本ではカナダのバンドは売れない方程式にそうように知名度は低いのですが、リリース時期も良くなかった、1991年では分が悪すぎる。そういう不運はあれど、クオリティの高さは折り紙付き、洗練された極上のメロディをチョイ硬質感のあるロックテイストでまぶして味をしめ深みを増しているのがポイント。

美しいヴォーカルハーモニー、AOR調の癒やしと洗練度は今聴いても古くささを感じさせない。そこに絡むロックテイストが絶妙なバランス配合で聴き手を魅了と、実に味わい深い一枚へと昇華しています。何でこれが日本でヒットしなかったのだろう?と思うほど日本人好みの哀愁とポップセンス、泣きすぎずドライ過ぎないカナダならではのスケールの大きい哀メロ系ハードサウンドは間違いなく需要があると思いますね。
サブスクでも配信されていますのでお暇のある方でメロディ派のマニアならば是非ともトライして欲しい一枚です。ポッと出の新人じゃないからパフォーマンスも楽曲も安定しているのでしょうね。
ちなみに彼のヒット曲『Heat of the Night』をIssaちゃんがキュートな歌声でカヴァーしているので知っているマニアも多いでしょう。オリジナルを聴いて欲しいねぇ。


NIELSEN/PEARSON BAND - Blind Luck ★★★ (2023-02-27 21:51:30)

AOR系にマニアからは愛されるリード・ニールセンとマーク・ピアソンの二人がメインを務めるバンドの3枚目。ウエストコースト風の洗練されたシャレオツサウンド。これを20代のワタクシに勧めてきたら、メン玉抉り取って耳削ぐぞとキレたのでしょうが、オジサンになると鼻歌交じりで楽しみます。
ハードロック系のAORではなく、完全にあっちの世界です。もう爽快感のあるサウンドが軽快にステップするサウンドです。オシャレなヤツですよ、でもLauraleiみたいな曲が出てくるとチョイと空気が変りますよね。結局、耳が探しに行くんですよね、今作はハード系の要素があるんですよね、TOTOとかAIRPLAY、CHICAGOなどイケるマニアには勧めたいですね。
やはり洗練されているのが今聴いても良いんですよね。ツボを押さえたアレンジと確かな技術。聴かせ方の上手さに唸ります。


筋肉少女帯 - SISTER STRAWBERRY ★★★ (2023-02-25 00:41:24)

バッハの旋律を奏でるイントロからドキッとさせられます。大槻ケンヂの歌が苦手で熱心に耳を傾けなかったが、この歳になると耐性も出来たし、音楽的な許容範囲も広がりいらぬ先入観に引っ張られる事もない。そういうフラットな感性で耳を傾けると実に興味深い音楽性を披露している。
一口に○○というジャンル分けを拒否するサブカルチャーミュージック。三柴江戸蔵の高い音楽性、そのリリカルなピアノは時には大胆にアプローチを変えることで、一種、この狂気の世界における中核を担う。横関のジェットフィンガーは随所に炸裂、テンションの高い摩訶不思議な世界観に絶大な効果を与えている。
部外者故に、この歌はやはり苦手だ、しかしマニア向けで終わるようなインパクト勝負のバンドではない。ベースもドラムも確かな腕を持っており、ミュージシャンミュージシャンしているのも見逃せない。そのプロ集団と向きあう究極の唄下手王との組み合わせが、ある種、振り子の理論となり独自の音楽性を形成している。時にはジャジーでアバンギャルドな世界観を壮大なスケールで飲み込み形成する音楽的レベルの高さ、③なんて横溝の作品でしょう。テンション高いねぇ。
個人的、歌詞に拘りを持たないタイプ、はなもげら英語でも大丈夫なタイプなので、大槻が高く評価される詩的な世界観に影響をうけないから、ワタクシは深くのめり込まなかったのかも知れません。でも今では、無料で彼らのカタログを紐解けるので部外者ならではの発言をしたいですねぇ。


MAT SINNER - Back to the Bullet ★★★ (2023-02-18 13:47:14)

マット・シナーのソロとなっているがPrimal FearやSINNERで活動を共にするメンバーが勢揃い、どういう経緯でソロ名義のリリースにいたったのだろうと、考えるほどシナー流メタルをやっている。国内盤が見送られたのでイマイチ認知度が低いのだが、硬軟交えたシナースタイルは、良い意味で時代と距離を置き豪快で硬派なメロディックメタルをやり切っている。嫌味にならないメジャー感、ドイツならではの硬質さとシナーらしいフックと哀愁のあるメロディ、シュラガーメタルと言った趣も隠し味に、しなやかなサウンドは、メロディ愛好家のメタルマニアには十分に響くでしょうね。
AFMから再発盤も出ましたが、気軽に聴ける環境が揃う今では無理して大枚をはたくことなく視聴できますので、トライしてほしいですね。少々押しつけがましい歌声も逆に魅力的だと思いますよ。


FANS OF THE DARK - Fans of the Dark - Life Kills ★★★ (2023-02-18 13:24:09)

今風ですよね
古典ですが現代の風を思いっきり感じさせます
メロディックなシングル向けの一曲
ちゃんとメリハリが効いているので軟弱さを感じません
性差別を乗り越えて頑張って欲しいねぇ


KING KOBRA - King Kobra ★★★ (2023-02-18 13:22:25)

まさか往年のメンバーを引き連れてカーマイン・アピスが戻ってくるとは驚きました。シンガーの実力派のポール・ショーティーノ、けして昔のアイデアを擦るだけではない現在進行形の形で復活、アメリカンでダイナミックなサウンドを軸にポールのブルージーさも加味したスタイルは、実に地に足がついており古くて新しい完成に彩られている。
個人的にはどうしてもポールと言えばRough Cuttという先入観が邪魔をしてしまい、③みたいなキャッチーで瑞々しいメロディアスロックを聴いても、king kobraというよりはRough Cuttの新機軸というイメージが上回ってしますのが難点、完全な個人の問題なのでどうにも出来ませんが、いらぬ先入観に支配されていない方には、なんの問題も起きないでしょう。
骨太で男のダンディズムを漂わせるセクシーなハスキーヴォイス、しなやかなヘヴィグルーブと、フレッシュ感を纏った古典ロック、その絶妙な差配に唸りますね。
王道ですよ。これで良いんですよね。ベタには敵いません。


FACE DANCER - This World ★★★ (2023-02-17 00:54:32)

知る人ぞ知るアメリカのロックバンド。90年代の中頃、唄モノロックにも手を出しているワタシに友人が教えてくれたバンド。哀愁のメロディが良いぞと言うので、期待をして聴くとオープニングはいきなりアメリカンなロックナンバーにずっこける。そして②はファンクでご機嫌なロックナンバー、③もスローな出だしだが中盤は一転、跳ね出すハードサウンドへと以降、ワシは唄モノを期待していたぞと、完全に騙された気分でしたが、④位から気分を盛り返します。ある意味、アメリカンプログレ風味のある唄モノ、その優しいメロディを歌声に機嫌も直りますよね。
でも冷静になると③なんて起伏のある展開でバンドの力量を推し量るものだし、ファンキーな②も悪くない、①だって掴み的には悪くないのだが、唄モノを所望していたワタクシが面喰らっただけなのですが、そのファーストインパクトのマズさは永遠に引きずりますね。

それ以外にも割とハードな面が強く打ち出しており、唄モノではありません。ある意味、パワーポップとも言うべき力強さ、ロックの持つ粗暴さを上手く打ち出し普遍的なスタイルへと昇華している。
甘口の舐められるような音楽とは一線を画す本格派であり、適度に柔和なキーボードなどを盛り込むがエッジを効かせた⑥など、このバンドの両面をフォローする一曲だろう。

唄モノを欲しがったワタクシに、これを勧めたのは完全に間違いだし、出来ればそういう先入観のない中で聴きたかったマニアックな一枚である。なによるアイデアも豊富でバラエティに富んだ一枚だった。
Rock Candyから2009年にリマスタリングによるCD盤が出ていますので見つけたらゲットでしょうね。
アメリカンプログレ風味のある唄モノサウンドが好きな人ならば、⑥なんて引き寄せますよ。泣かせの⑦、感動的なスローバラード⑩とか、ハイライトになる曲もありますのでね。チョイと武骨なロック集が評価をわけるのかも知れません。


POINT BLANK - American Exce$$ ★★★ (2023-02-14 16:07:47)

所謂サザン系のバンドになるのだが、ナショナルチャートに食い込むバンドも出てきたことにより南部系にも少なからず変異が起きていたのでしょう、このアルバムなど、AOR調の洗練されたエッセンスを盛り込み感触を変えてきたとも言える。
南部系と言うことで埃っぽく土着的なフレーズやブギースタイルとイメージする人も多いでしょうが、良い意味で洗練された空気を持ち込み、良い意味で万人受けされるような音楽性を展開している。リードシンガーとして参加したババ・キースの歌声も、チョイハスキーな高音が力強く鳴り響き、どこか哀愁を漂わせているのもポイント。イントロの鍵盤プレイも印象的でコンパクトに仕上げた⑥など、モダンな事もやっているが、⑦では古典に根ざしており、このバンドの根幹はどこにあるのか如実に分かりますよね。

アルバム全体を支配する、どこかヒリつく荒涼としたメロディ、その哀愁とアーティスティックな感性は、AOR調スタイルを巧みに取り込み、自分たち流にしっかりをまとめ上げ昇華させている。このあたりが最大の聴かせどころなのだろう。
こっち方面のバンドには、とんと疎いので似たような作風があっても気がつかないのだが、地に足が付いたブギー過ぎないロックが好きな人には、グッと引き寄せるモノがあるだろう。


DAKOTA - Dakota ★★★ (2023-02-14 15:45:45)

Dakotaで検索すると、女性もんの長財布や鞄等紹介されます、次にノースダコタにサウスダコタだもんなぁ。バンド名って大切ですよね。北欧のHOUSTONも同じく苦労するもんね。

キャリアのスタートは1970年代後半からと言われるアメリカのメロディックロックグループ。どういう分けか国内盤がリリースされなかったようで、知名度が低いのですがAOR調のメロディックロックマニアの間ではマストなグループと言われ人気は高いです。

何度か再発されていますが一番有名なのは再発もんに強いROCK CANDY盤かも知れませんが、AOR系には造詣が深くないのであれなんですけど、今ではサブスク解禁なので、興味のある方は是非とも聴いて欲しいですね。

このバンド80年代を代表するAOR系サウンドの旗手と言っても大袈裟ではありません。デビュー作である、今作もセルフタイトルをつけるに相応しいモノであり、ジェリー・フルジックとビル・ケリーを中心に結成された、このバンドは最初から素晴らしい作品をリリースしています。
西海岸風と言える爽快さと、大地に根を張るアーシーさ、そこにクラシックなAORをブレンドした、TOTOやSTYXなどに通ずるスタイルを築き上げています。まずはオープニングの「If It Takes All Night」、爽やかですねぇ、弾けていますよ、でもしっかりとした枠組みを作っています、土台がしっかりとしていますよね。素晴らしいメロディーとヴォーカルハーモニー、その組み合わせの美しさに、ダコタの魅力を感じます、ちょいビンテージ集を漂わせる鍵盤プレイもアクセントになっていますねぇ。サビメロなんて一発で頭に残るでしょう。渋いねぇ「クレイジー・フォー・ユア・ラヴ」は、ゆったりと穏やかに流れるAORサウンド、スッと滑らかなに溶け込んできます。必殺のバラード「You Can't Live Without It」。「One Step」のサビメロに胸キュン、ギターサウンドも歪ませていますねぇ。スローなイントロから一転、メロディックなロックサウンドへと展開する「Restless」強力なフックのあるメロディが全体を支配、実に印象的な一曲です。再発盤にはボートラが2曲収録されていますが、これは実に美味しいオマケになっています。本編と比較しても一切遜色のない名曲、むしろ、これがあるからより作品の質を向上していると言えます。次のアルバムにも通ずる、哀愁のある歌が胸を締め付ける「The Higher You Rise」はこれぞダコタと言いたくなります。THE AORロックですよ。80年代という時代を見据えたロマンティックなAOR系ロックナンバー「Give Love Another Try」ベタですがベタには叶いませんよ。

AOR調のソフトロック好きには是非とも聴いて欲しい一枚。メロディもさることながら歌の上手さに引き込まれるでしょう。CDに拘る人は是非、ボートラ入を購入してください。あの2曲はマジで強力です。


Sheriff - Sheriff ★★★ (2023-02-13 19:50:49)

全米No.1ヒットとなった『When I'm With You』は、バンドが既に消滅した後だという事実に驚きます。そういう売れ方もあるんだなぁと感心するのですが、1982年でも十分に受けそうな質の高い音楽性をやっており、単なる売れ線系とはひと味もふた味も違う、IQの高そうなメロディアスロックをやっている。突き抜けるハイトーンは力強さを感じさせバラード系は勿論だが、歯応えのあるナンバーでも魅力を損なうことなく、柔軟に対応している。その実力の高さ、何より無駄を感じさせない丁寧なアレンジが映える楽曲、全てに必然性がありますね。爽やかな⑦やバラード系が、このバンドの売りなのかも知れませんが、STYX、BOSTON、JOURNEYらと同系列で語られるべきバンドです。キーボードサウンドも小技が効いており変化自在の鍵盤プレイも魅了している。


X.Y.Z→A - X.Y.Z.→Alive ★★★ (2023-02-13 19:33:01)

アルバムIV リリース後に行われたライブを収録した2枚組、インストナンバーだが新曲も放り込み、おもてないしの精神も忘れていない。
個人的にも彼らのベストはこの時期だろう、二井原実先輩もラウドネスの活動が忙しくなり、こちらの比重が軽くなっていった。それだけに今作の出来映えは見事としか言い様がなく、ライブバンドとして叩き上げの活動をした、キャリアのあるベテラン軍団。その阿吽の呼吸から繰り出されるパフォーマンスを見事パッケージしている。
ある意味、ベストな選曲も手伝い入門編にもってこいの一枚と言えるでしょうね。ライブでも安定した歌声を聴かせた二井原実先輩、今なおラウドネスの曲を歌いこなせる、彼のプロ意識には頭が下がりますね。
このバンドのライブは10本以上みたが、いつも二井原実先輩は裏切らなかった。橘高も画になるギタリストであり、狭い会場に収まらない存在感を感じた、腕利きのベーシスト和佐田の存在感、バンドを牽引する末吉のドラム、どれもが必要なピースとして光り輝いています。とはいえ今作には最大の問題点があります、それは二井原実先輩のMCをカットしたこと、このステージはみていないが、彼はいつもおもしろいMCでオーディエンスを楽しませてくれました。
水を飲みマイクでうがいの音を拾わせる芸も定番だろう。ワタクシがみたライブでは、常連の女性ファンから、またやっているとツッコまれたりしていました。ラウドネスではやらして貰えないファニーなMCタイム。あれ絶対バズるはずなんだけどなぁ。
どこかで紹介した方が良いですよ。二井原実先輩のMC集はリリースするべきである。
2000年の前半、このバンドにはお世話になりました。WINGS以降は求心力も失われつつも、解散していないのは素晴らしいアイデアです。この暖簾をしまわないで欲しい。あぁ後、ラウドネスのカヴァーも欲しかったなぁ、アコギを片手に歌うSO LONELYやIN MY DREAMSは本当に感動的でした。


HADES - Resisting Success ★★★ (2023-02-12 16:19:47)

今以て国内盤のリリースがないのが知名度に繋がっているのか、知る人ぞ知る的なバンドになってしまった。US産らしい無愛想の鋼鉄サウンドは、まさにアメリカンパワーメタル、その剛毅に打ち鳴らされる屈強なサウンドは、情緒のあるものを求める日本人には、やや付き合いづらい面はあるのかも知れませんが、路地裏に迷い込んだような危険な空気も漂い、その一触即発な雰囲気はUS産ならではと言いたい。
現在はデモ音源が+された2枚組も出ています。あちらで歌うはポール・スミス、その違いを聞き比べられるのも美味しいですよね。
工夫を凝らし展開する⑨が背伸びしてると感じさせない技術力、その質の高さは楽曲にも影響を与えており、パフォーマンス力、共に一流と言えよう。なぜ日本盤が見送られたのかは残念だが、マニア筋には、一度は押さえて欲しいバンドでもある。


NOISEHUNTER - Rock Shower ★★★ (2023-02-11 00:25:34)

ノイズハンター幻の4THアルバムの素材からデモ音源を集めた企画モノ。まず驚くのが洗練されたメロディックメタルスタイルへ変貌していること、良い意味で裏切ったが初期のストレートなメタル系の野暮ったさが好きだった人には物足りないかもですね。
歌い手も変ったのかな?そんな印象すらあります。如何せん、音質がイマイチ良くないです。薄っぺらいサウンドがどうにもB級感を強めていますが、クオリティは低くないです。ある意味、十分及第点をクリアしていますね。
その拘りのメロディックメタル路線への変貌にはイマイチ驚くのですが、2nd,3rdの流れを考えると不自然さはなく順当なスタイルとも言えます。リリース時、以外とインディーズシーンでは好評だったようで、それなりに成功した一枚だと言われています。
マニア筋に愛されるだけではない、隠れた良品。普通のメタルを普通にやっています。欧州のバンドだけにカラッと系でも情緒がありますよね。そのあたりも日本人の感性に合いそうです。


NOISEHUNTER - Too Young To Die - Ruler Of The Dark ★★★ (2023-02-09 00:52:22)

初期のファンを安堵させたスピードメタル
アルバムの中では若干浮いている感じもありますが
中盤にあるので前半後半の仕切り直しという感覚で楽しめる
アクセプト感が増してるなぁ


NOISEHUNTER - Too Young To Die ★★★ (2023-02-09 00:50:24)

思いっきりメインストリーム寄りになった3枚目の作品。オープニングナンバーの登場に面を喰らいますが、②など安直な展開に流れない工夫を凝らしたイントロを設け期待感を煽る。バンド名ノイズハンターのくせにデビュー作から、速い曲をやるけど、軽めのサウンドプロダクションの雰囲気重視の歌い手という組み合わせにB級感が漂いまくっていた。
次のアルバムもメタルバンドとしては軽めのミックスにイマイチ旨味を感じさせなかったが、今作は②のような曲を自分たちのモノにしており、その意欲とプロデューサーの助言などもあったのか、音楽性の変遷がけしてマイナスに働いたと言えない仕上がりになっている。プロデューサーのウリ・バロノフスキーは、ステファン・カウフマンの右腕としてミキサーとして活躍していましたね。
そういう感性が楽曲に落とし込まれ、それまでとは違う魅力を光らせている。拘りの音質もマイナー臭さを排除しているのも見逃せない。とは言え、このスタイルをノイズハンターがやるべきだったかという疑問は拭えないのも正直なところだが、その前にリリースした2枚が成功したとは言えないので、勝負の3作目として商業的な基盤を築こうとしたアイデアは、やはり正解と言える。

ドイツのバンドらしい堅苦しさと柔軟なメロディックメタル志向を抱き合わせ上手くやっていると評価したい一枚ですよね。
今までのレコーディングは何だったんだという位、バンドとしてのまとまりも感じます、個人的には良い点が全てを上回っていますね。
なかなか入手困難の一枚ですが、メロディ派のマニアにはたまらんでしょう。
でも、初期のスピード志向派には勧められません。別のバンドですもん。


WOLF - Count down ★★★ (2023-02-09 00:30:39)

ライブ会場で限定配布したウルフ幻のシングル。勿論CD化などありません。
この一曲のみです。いやー遂に手元に音源がきましたね。この出会いは感動ですよ。
関勝美、山波孝至のリズム隊が最後に残した音源というのも激レアですが、メロディアスなミドルナンバーというのも美味しい。相変わらず松本が歌うメロディラインが凄くエエのよね。
そろそろ、インディーズ界に残した2枚のアルバムを再発して欲しいねぇ。勿論、この曲をボートラでね。


FANS OF THE DARK - Fans of the Dark ★★★ (2023-02-07 21:38:19)

ドラマーがメインソングライターを務める北欧のバンド。プロデューサーにマイケル・パレスを迎えメロディアスなサウンドを構築、AOR調のソフトな感触のサウンドに真っ向からぶつかるのがNWOBHM風味のあるメタル、このバランス感覚が絶妙な絡みを魅せ実に硬軟交えたスタイルを確立している。シンガーの出で立ちが不思議で、おそらくLGBTQに該当するのかと思います。そして肌の色は黒い、今まさに人種問題で揺れ動く日本では考えられない人選のリードシンガーです。
その確かな歌声、ドラマーと二人三脚で作り上げたバンドだけに疑いはありませんね。とは言え音楽性にデジャブ感や、どこか中途半端な印象を受ける人もいるでしょう。
正直、噛み合わない時に気持ち悪さというのもある、しかし、近未来的な洗練度と情緒のあるメロディ、ソフトケイスされているのに、カチッとした歯応えのあるサウンドは、本当に絶妙なところをすり抜けている。ラジオオリエンテッドな作風なのだが、軟弱さよりもシリアスさが上回り嫌味を感じません。
流石はフロンティアレコードですね。メロディ派ならば是非ともトライして欲しい一枚ですね。ASIAからプログレ臭を抜いた感じでもありますね。


CHRISSY STEELE ★★★ (2023-02-05 13:40:41)

クリッシー・スティールが復活していた。知らんかった。
昔のようなガッツ溢れるロックではないが、彼女の復活劇には期待をしたい。
実力はあるのに機会に恵まれなかったロックシンガー。
ギタリスト、ブライアン・マクラウドの死も関係したのかなぁ?
フルアルバムに期待したいですね。


RONNIE ROMERO - Raised on Heavy Radio ★★★ (2023-02-05 13:27:40)

リッチー・ブラックモアに見いだされてからは、引っ張りだこの売れっ子シンガーになったロニー・ロメロ。その胸板の厚いドン・ムラコばりに暑苦しい歌声は、繊細な楽曲には似合わないのだが、歌唱力はまちがいはなくメタルを歌うに適した声質の持ち主と言えよう。
まぁヴァンデンバーグや若井望との共演は個人的にピンと来なかったが、ヴァンデンバーグが眠たいブルースロックをやるよりもよっぽど評価出来るし、若井も名前が売れるならば良かったろう。

個人的にはけして好きなタイプの歌い手でないので前作のカヴァーアルバムは聴いていないのだが、今作はアナタのオススメ新作ですと推されたので視聴、その前から小出しでも出ていたしね、彼の年齢的なモノもあり、有名な楽曲のカヴァーが大半だ。DPの①は予想外だが、曲がつまらんので掴みに成功したとは言えない。
ベタ中のベタ、容易に原曲を比較できるパフォーマンス、ある意味カラオケ大会な側面は否めないが、ゲストに若井を初めガスG、クリス・キャファリー、ローランド・クラポウの客演もあり一定の山場は作っている。

個人的には上手いがどうも印象に残らないシンガーではあるのだが(無難過ぎる演奏も拍車を掛けている)、この器用さは、どのバンドでもヘルプできる器量があるのは確認出来る。でもベタだ。原曲を超えたとは言えない、そこが玉に瑕である。しかし、黄金のメタルソングを聴かされると、懐かしい時代が想起する。メタル青春時代回顧録。個人的にはそういう意味で楽しんだが、若い人がどう思うかは微妙な気がする。でもここから古典を知る人も多いと思うので、是非ともトライして欲しい。


KEEN HUE - Ogre King ★★★ (2023-02-05 13:04:49)

NWOBHMからの薫陶を受け勃発した北欧メタルシーン、このバンドもご多分に漏れずNWOBHMからの影響が色濃く出ている。レーベルもEbony Records傘下のCriminal Responseだから、その手の事情に詳しい方ならば疑いは抱かないだろう。
アメリカンナイズドの果てに大成功したEUROPEの3枚目のようなスタイルが北欧メタルと認識している方にはピンと来ないだろうが、この手のスタイルこそ元祖北欧メタルだし、垢抜けないイモ臭さ、剛毅なサウンドに中でどことなく流れる北欧トラッド、このバンドのようにストロングスタイルの不器用な見た目とは裏腹に展開に工夫を凝らしている。
ある意味、王道だし○○風をまんま見せつける場面はあるのだが、これが1stと思えば将来性を買えるだろう。Ebony関連は再発盤が少なく今作も幻の一品となっている。北欧メタルの歴史を知る上では必要なピースなのだが、今後も日の目を浴びる機会は絶望的だろう。
2枚目ではバケに化けた音楽性に変貌。その変遷を知る上でも今作は外せない一枚なんだけどね。
ドが付くメタルが好物なマニアにはたまらんですよ。売れたとか有名だとか、レビューがなんちゃらとか関係ないですからね。


NIGHT - High Tides - Distant Skies ★★★ (2023-02-04 13:53:53)

アルバム毎に泣かせの叙情派NWOBHMスタイルへと傾倒するバンドでしたが、今作はいよいよ完璧にびしゃびしゃに濡れた、哀愁タップリの叙情派クラシックロックへと仕上がりました。シンガーも、このスタイルに馴染み絞り出すようなハイトーンは影を潜めています。このマイナー臭は、北欧というよりは、地下室NWOBHM感が強くにじみ出ており、あえてのアナログ的な映像をみせつけ魅了しようとしている。
モノトーンの淡い情景が浮かぶ、湿り気タップリのな泣かせのメロディはオープニングから炸裂、威いつ走るサウンド期待するマニアには勧められないが、②のような古典疾走ナンバーが出てくるとグッと掴まれるモノです。丁寧に練り込まれた哀愁のメロディ、トレンチコートの襟を立てますよ。ガス灯に揺れる明かり、この質感、大切にしたい感性ですよね。
ノスタルジックなスタイル故に、新しい発見というのは少ないが、この手のスタイルに初めて触れる方には新鮮に聞こえるでしょうね。個人的にはLimelightとか思い出すかなぁ。あそこまでブルース臭がしないので、またチョイと違うんですけどね。


NIGHT - Raft of the World ★★★ (2023-02-02 16:28:26)

アルバムリリース毎に音楽性が変るのですが、今作は前作にあった抒情的なメロディを増量、枯れた味わいの哀メロサウンドへと傾倒、初期の頃の厳つさは影を潜め、アプローチを変えてきました。シンガーも唄い方を変えていますが、この手のスタイルに合うかは微妙、このあたりが評価を分けるでしょう。極力シンプルな音に拘ったサウンドメイク、これならばライブでも自分たちだけで再現可能、フォーキー名枯れ専NWOBHMをやっている。80年代というよりは70年代的なアプローチや、流石に古くさいと感じるマニアもいるでしょう、でも好きもんにはたまらんでしょうね。淡い情景を刻む叙情派スタイルも悪くないです。


NIGHT - Soldiers of Time ★★★ (2023-01-31 14:46:03)

前作の反省があったのかヴォーカルの余裕の無さを改善、コーラスワークも挟み込み上手く処理してきた。なによりサウンドにフックがあり、メロディも叙情味が増え泣かせ具合とNWOBHMを巧みに抱き合わせ前作以上に練り込んできた。メイデン+JPと言った手法は、掃いて捨てるほど存在するのだが、こうやって久しぶりに新譜として聴かされると懐かしい気持ちにはなる。
とにかく狙うはオールドスクール、アコギのバラード⑤など、CinderellaとかTeslaあたりを思い出させたりと、間口を広げてきた印象も受ける。古めかしい感性を現代にアップデートしたクラシックメタル、過激なモノを求める人には、些か食い足りないだろうが、この余白のある音作り、昔ライナーノーツに良く書いてあった、北欧のバンドは、マイケル・シェンカーやUFO、DP、Thin Lizzyといったアーティストから影響を受けた音楽性と紹介されていた記憶があるのだが、今作を聴くとそのことをモーレツに思い出す。
技巧に走らずシンプルだが丁寧に音を練り込んだアレンジの妙味、前作よりもバンドらしさというのか、洗練度を上げたのが功を奏しているだろう。深遠なるクラシックメタルの世界を垣間見せた力作。その筋のマニアにはたまらんものがあるでしょう。


NIGHT - Night ★★ (2023-01-31 14:31:53)

バンド名NIGHTにアルバムタイトルNIGHTでは検索に引っ掛けるのが困難、売る気があるのかと言いたくなるスウェーデン産の若手古典メタルバンドの1st。Burning Fireという勇ましい名前のシンガー兼ギタリストは、絞り出すようなハイトーンをかますが少々頼りない、その線の細いシャウトは好悪を分けそうだが、出している音は70年代からNWOBHMまでというスタンスの音楽性を踏襲、あえてアナログな空気感を残し、古めかしい時代を現在に蘇らせたかのような手法をとっている。
それだけに昨今のメジャー流通バリバリの加工サウンド(ドラムトリガーは認めない派です)に慣れ親しんでいるマニアには、とてもじゃないが勧められないが、往年の空気感に浸りたいクラシックメタル好きにはレイトバックした時間を楽しめるでしょう。でも、それならば、○○の昔のアルバムを聴きますと言われたら手も足も出ませんが、ワタクシは、移り変わりの激しい忙しない世の中で、音楽くらいは好きなもんを聴いていたので、この手の古めかしいのが大好物なのです。
でもヴォーカルの余裕の無さは苦手ですけどね。しかし北欧臭さを持ち込まないアイデアは評価しますね。


URIAH HEEP - Sea of Light - Fear of Falling ★★★ (2023-01-29 17:15:02)

正真正銘トレヴァー・ボルダーが歌っているヤツです
クールなメロディラインが耳を惹きますね
ワリとシンプルなロックナンバーなのですが味がありますねぇ
それでありながらも緊張感は最後まで途切れることはありません
終わり方もOKでしょう


URIAH HEEP - Future Echoes of the Past ★★★ (2023-01-29 17:07:34)

SONIC ORIGAMIリリース後のライブ音源と言うことでオープニングから新作の曲が続く、しかし、これがライブの勢いを加速させたようで素晴らしいライブの幕開けなのだが、歓声が嘘でなければ、やはりクラシックソングの方が受けているようだが、オープニングを飾るBetween Two Worldsの出来映えは、このショーが素晴らしいモノになると確信させるに十分なインパクトを誇る。既にライブでも安定感のあるパフォーマンスで知られるバーニー・ショウ、この時点では未知数な面もあったろうが、外野の不平不満を抑えるに相応しいパフォーマンスで魅了、新旧の楽曲を自らに落とし込みコントロールしている。個人的には軽めの声質なので根本的には、もっと深みのある声の持ち主の方が良いと思っているが、良好な人間関係を作れるフロントマンに文句をいうヤツはいない。
誰かにスポットライトを当てない総力戦のバンドサウンド、その新旧の違いを噛みしめつつ、ライブバンドとしての真骨頂を味わって頂きたいですね。
新作を聴き、興味をもった方には、このライブ盤もオススメですね。また、マニアにもバーニーが切々と歌い上げるRAINなんて激レアヴァージョンもあるので、満足度は高いかと思いますよ。


REVOLUTION SAINTS - Rise ★★★ (2023-01-29 16:46:39)

ディーン・カストロノヴォがメインシンガーを務めるメロディックロックプロジェクトの3枚目。今回もジャック・ブレイズとダグ・アルドリッチの力を借り、総監督アレサンドロ・デルペッキオの元、極上のサウンドを作り上げています。もはや疑いようのないメンバーシップ、ジャーニータイプの曲以外にも、ハードなギターが躍動するアメリカンロックも増量あり、前作の流れをしっかりと踏襲しつつも、ヴァージョンアップに成功している。バンドとしての個性と求められるジャーニータイプのメロディアスロック、歌えるドラマーをサポートするジャック、⑦では女性シンガーも加わり、手を替え品を替え楽しませてくれます。
耳を惹く良質なメロディ、そしてダグのハードワーク、ダグのギターがグッと前に出てくる瞬間のカッコ良さ、アルバムを通してのバランス感覚で攻めるサウンドに唸りますね。定番だしベタ過ぎるだろう、そもそもジャーニー感が強めだから聴き手を選別することにもなりそうだが、ドラマーとしても一流なディーン、その惚れ惚れされる歌声を同時に楽しめるのだから、メロディ派にマニアならば、手を出さずにはいられないでしょうね。だってサブスクだもん。無料じゃない。本当に欲しくてたまらんヤツだけ、購買すれば良いのですからね。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over / The Plague ★★★ (2023-01-29 16:26:20)

単体ではCD化されたいないような気がする1stと2ndの合間にリリースされたEP。アナログ盤はHigh Roller Recordsから2016年にリリースはされています。今や1stのボートラとして機能しているのですが、今作のポイントは、次のアルバムのつなぎでリリースしたモノや、所謂、ヴァージョン違いやデモ等で、お茶を濁さない正真正銘のEPであることがありがたい。
パンチの効いたドラムと存在感の強いベース、強靱なリズムプレイが爆音総攻撃の後方支援ヨロシクとバンドサウンドを底上げ、いい意味での多様性はアーティストとしての自由なマインドであり、好奇心を失わない姿勢は大いに買いでしょう。メランコリックな④などはバンドの新境地と言えジョン・コネリーの違う面をアピール出来ているだろう。何を聴きたいかで評価も大きく分けそうだが、とりあえずファンならば安心して聴ける一枚ですね。やはり創作面の工夫を汲み取れるという点はポイント高しである。


Мастер(Master) - Лабиринт ★★ (2023-01-28 18:05:00)

日本にいるとロシアの産バンドの音源に触れる機会は本当に難しい。そもそも流通があるのかという疑問すらある。それだけに、サブスクのおかげで、このバンドの音源に気軽に触れるようになった環境に満足しますね。
シンガーのLEXXなる人物に交代、音楽性も突っ走るスラッシュではなく、2000年という時代背景もそこそこのロシアらしい、モノ悲しいメロディを軸に多様性のある音楽性を披露している。
少し大人しくなった印象が強く、これならば初期の厳ついヤツの方がグッとくるマニアも多いだろうが、ARIAにも通ずるスタイルのバンドだっただけに、こういうスタイルはけして突然変異とは思えない。先人達である欧米からの影響をロシア流にアレンジしたミレニアムに相応しい作風なんだろうが、物足りなさは否めません。そのあたりが評価を分ける最大のポイントでしょう。
相変わらずベースは巧者なだけに、もっとガシガシとしたヤツが欲しいもんね。


URIAH HEEP - Equator - Poor Little Rich Girl ★★★ (2023-01-26 00:25:37)

昔は狙いすぎて好きじゃなかったのだが
こうして現在の姿に感銘を受けると聞こえる音も違ってくる
RAINBOWにジョーが加入して音楽性が変ったような感覚で向き合えば違和感は溶けてなくなる


URIAH HEEP - Your Turn to Remember: the Definitive Anthology ★★★ (2023-01-26 00:20:06)

ヒープのベストアルバムは沢山リリースされて、どれから手をつけていけば良いのか悩むでしょうね。サブスクでも大量にアルバムが紹介されているので苦労するはずです。そもそもオリジナルアルバムの枚数も多いしライブ盤も沢山ある。
似たような構成の多いベストアルバムの中で、今作は1stからRAGING SILENCEまでのアルバムを時系列に収録、2枚組で34曲というボリュームにたじろぎそうになるが、休み休みで十分ですので、最新作をより楽しむために、是非とも頭から最後まで聴き通してください。
このバンドの音楽性の変遷はシーンの背景を反映するモノ、Rockaramaのようなモダンな曲でさえ現在の姿に通ずるモノがあります。
ミック・ボックスの監修とアンディ・ピアースのミキシングで蘇ったベストアルバム。そっちのヴァージョン選んだんだねという、楽しみもあるかと思いますよ。


URIAH HEEP - Chaos & Colour ★★★ (2023-01-26 00:09:27)

サブスク解禁、日付が変った深夜からやっていましたね。ありがたいですね。海外のファンも試聴できるならこれ幸いです。
先行公開された①の出来の良さが、今作に対する期待値を上げまくっていましたが、今作はその期待に応えた傑作でしょう。
邪魔をしないドラマー、エレガントとも言える上品なドラムとコーラスで貢献したリー・カースレイクの後任として、板についたラッセル・ギルブルックの野性味溢れるパワフルドラムは益々磨きが掛かり驚異的なパフォーマンスで魅了、2019年にヴァッケンで行われたライブなど、彼のドラムがどれほど強靱なモノかと想像以上に体感させられましたね。素晴らしいドラマーです。そういう若い存在の後押しも受け、ミック・ボックスはいぶし銀のギタープレイでバンドサウンドを牽引、フィル・ランソン、デイブ・リマーの高度なサポートワークも絶妙、バンドサウンドを大きく膨らましています。

かつては凶暴なオルガンとギターの絡みが爆発するスタイルで魅了したが、それは70年代の話、バーニー・ショウを迎え新たなるスタイルと道を切り開いたバンドサウンドに嘘偽りはございません。なにより年齢を感じさせない老獪なテクニックとテクノロジーを駆して見事に歌いきっている。

揺るぎなき精神性、ここで聴けるサウンドは懐かしい香りがする、しかし、それは彼らの歴史の系譜である事を雄弁に語っている。往年のロックファンに取っては現役感バリバリのクラシックロックとして、ビンビンに響き渡るだろうし、若い人にとっても、これほど古典を模しているのにフレッシュな感性に彩られたサウンドに心打たれるでしょうね。今作に『Too Scared to Run』や『CHASING SHADOWS』『Straight Through the Heart』が収録されても全く違和感がありません。

今作が素晴らしいのは、嘘くささを廃している事に尽きる。昨今レコーディングは音を貰いサンプリングすれば簡単にそれっぽい音になる。オジー・オズボーンのソロ作など、その典型例である。
優美で華麗、それでありながらもオーガニックな響き。獄彩色という邦題も言い得て妙と言える曲調、作風。前作も素晴らしかったが、今作こそ彼らの代表作と推しても無理はないだろう。

個人的にはロニー・ジェイムス・ディオの声が聞こえてきそうなロマンと力強さが真正面からぶつかり合い強烈な化学反応を起こしたFREEDOM TO BE FREEで締めてくれた方が好きなのだが(ロマンティックなコーラスワークからのオルガンソロがたまらん、ベースも大活躍させますねとメンバーの見せ場が多い)、らしさ全開の③や哀愁のメロディとポジティブさが絶妙な絡みを魅せるキャッチーな④など日本人には受けそうだ、美しいスローナンバー⑥に魅了され、フィルとミックの二人が導く壮大なストーリー、そのうつくし情景に心打たれるメロディックな⑦、そして後半のハイライトと言える場面展開の多い獄彩美なヒープサウンドを貫いた⑧、インパクト大なオープニングナンバーをしっかり受け止めた②の素晴らしさ、タイプは違えどシングル向けの一曲である。⑪もこのバンドらしい賑やかな一曲、オルガンが先導するEasy Livin'を想起させるようだ、楽しげなクロージングソング、ある意味、これは正解だと言えるでしょうね。

充実したアイデアと成熟したパフォーマンス、鮮度を損なわない古典ロックの旨味、バーニー・ショウが今なおフロントマンとして重責を果たせたことが大きいでしょうね。なにより若い人にこそ聴いて欲しい一枚です。
それにしても凄い覚悟を感じる。メイデンの新作は期待外れと言わざるを得ない、頭でっかちな作風だった。JPの過去の財産を食い潰し清算するだけのアルバムにガッカリさせられた。
それだけに、ヒープが今なお巧みにモデルチェンジしている姿には驚かされる。


NECRONOMICON - Apocalyptic Nightmare ★★★ (2023-01-23 20:16:13)

古参ジャーマンスラッシャーだが、Kreator,、Destruction、Sodomと言ったクセ強軍団ほどの個性を出せずに、二番煎じを感じさせるスタイルが印象に残るバンドでした、良くも悪くも後追い感は否めなかったりするのだが、時系列など関係ない今の感性でいけば実に真っ当なスラッシュメタルをやっている。ダーティーに吐き捨てる歌い回しもジャーマンスラッシャーらしい魅力があったりと、猛々しいスピードサウンドの持つアグレションは妙に懐かしい空気を醸し出し、B級感丸出しの音質も手伝い、まだまだアングラだった初期スラッシュメタルの世界へと誘ってくれる。
一発の決め技にかけるアルバムだ、正直、これを聴くくらいならば、もっと聞き込まなければイケないアルバムは沢山あるのだが、メジャーどころのバッキバキじゃない、大物になりきれなかった男達、けして怠けていないのに足りないモノを補えなかったサウンド、そういうものに愛着を感じる猛者にはたまらない魅力があるでしょう。
欠点よりも美点を愛でる感性、ワタクシはそういうものを一番大切にしています。


MINDLESS SINNER - MASTER OF EVIL - Screaming for Mercy ★★★ (2023-01-23 19:52:38)

ベタですね
ベタですが凄く良いです
ヘヴィメタルと呼ぶに相応しい勇ましさ
そして北欧らしいメロディ
甘からず辛からず丁度良い塩梅です


MINDLESS SINNER - MASTER OF EVIL ★★★ (2023-01-23 19:49:50)

初期型北欧メタルの匂いを発散するバンドによる幻のEP。なんどか再発されており、その際に大量のボーナストラックが収録とお得ですが気軽に聴けるのはデジタル盤でしょう。本編4曲+デモ5曲、CD盤はライブ音源などプラスしたフルボリュームとなっていますが、そちらは見たことがありません。

このバンドが損しているのは、1stアルバムのジャケットのかっこ悪さに尽きるのだが、音楽性は実にイイ線をいってる。北欧らしい冷ややかなメロディをスゥーティーにさせない粗さ、そのロック武骨さが音に加わりタフさを前に出している。しかし、北欧らしいメロディが全体をコントロールしているので、様式美タッチのハードスタイルとしてメロディックメタルが好きな人にはグッとくる場面も多いでしょう。とくに島国ニッポンにも通ずるような情緒、そのメロディを大切にするスタイル、RAINBOWやDP、マイケル・シェンカーと言ったバンドから影響を受けたであろう、NWOBHMを通過した硬派なメタルは実に聴き応えがある。
本編の4曲でも十分にお腹いっぱいにさせてくれる。


LOUDNESS - Thunder in the East 30th Anniversary Edition - "before and AFTER"~First Demo Tracks from Japan~ ★★★ (2023-01-22 19:02:47)

01. THE LINES ARE DOWN (Unreleased DEMO-M3-)
02. WE COULD BE TOGETHER (Unreleased DEMO-M2-)
03. GET AWAY (Unreleased DEMO-M5-)
04. RUN FOR YOUR LIFE (Unreleased DEMO-M6-)
05. CRAZY NIGHTS (Unreleased DEMO-M4-)
06. FIRESTORM (Unreleased DEMO-M7-)
07. HEAVY CHAINS (Unreleased DEMO-M11-)
08. NEVER CHANGE YOUR MIND (Unreleased DEMO-M10-)
09. ERUPTION (Unreleased DEMO-M9-)

上記楽曲が収録されたデモ音源集。正直、この為に購入すべき価値があると言える記念碑アルバム。解説文にあった日本でレコーディングされたものなのだが、既に完成された音源であり、このまま正式なレコーディングでOKと言えるほど完璧に作り込んでいる。
歌詞も日本語というのが新鮮。なにより驚いたのが、契約元からアメリカ向けとのオーダーはあったんだろうが、ずっとマックス・ノーマンの指揮の下、アメリカン志向の楽曲を導入したと思い込んでいました。
特にバラードのNEVER CHANGE YOUR MINDなんて、それまでの彼らから想像できないような一曲でした、それだけに、今作は日本で作り上げアメリカに持っていったと知った時の驚きは、例えようもありません。

ギターソロも含め、アメリカンやんか~と言いたくなる仕上がりであり、ラウドネスのアメリカ寄りのアプローチはけしてマックスの言いなりになったわけではないと知れたのは大収穫です。
元々彼らの代表曲『CRAZY NIGHT』は海外用のプロモーションとして割と速めにレコーディングされていたと聴かされていたので、多少の予備知識はあったが、いやー驚いたね。そして二井原実先輩の歌い方も、初期のハイトーンスタイルとは違うアプローチを自ら取っていたという事実を知れたのも大きい、とにかく謎解明と言える貴重なデモです。

マックス・ノーマンが手を加えスッキリとさせたのは間違いない、ブライトな音質を選び、そして樋口はオカズを減らされたと不満を吐露し、高崎はズタズタされたと吐き捨てたのだが、当時のアメリカ市場を考えるとマックス・ノーマンの選択は間違いではないと思いました。そしてラウドネスは何をやってもラウドネスである。

この作品は高額でした。でも色んな付属品が付いており、値段以上ニトリと言いたくなるほど、お得感があった。何より知った気でいたラウドネスの歴史、その一端に触れることが出来た、その一点だけで今作をゲットした価値があると言える。

それと山田雅樹が加入した一発目のアルバムに収録されたFIRESTORMって、この時代、既にあった音源だというのも驚き、だってリリース路にそんな話をしていなかった。むしろ沢田泰司の為に、X-JAPANぽい曲をやったみたいな雰囲気だった。それだけに、いい意味でのだまし討ちである。

個人的に今作を聴き、改めてTHUNDER IN THE EASTの良さを噛みしめた。そして思うのは、このデモを正式にレコーディングしてリリースして欲しいと思う。真のTHUNDER IN THE EASTと言えるアルバムを作って欲しいねぇ。
あんパンさんの叩くFIRESTORMってめっちゃカッコ良さそう。円熟味を増した二井原実先輩の歌声で魅了されたい。山下昌良のベースもエグいよ、全然ちゃうやん。そして今度は高崎が聴き手をズタズタにする刺激的なギターを弾いて欲しいねぇ。

とにかくデモだが完成度の高さと熱量に圧倒された。そして本編よりもカッコいいと思う人は続出したでしょうね。
プレス枚数が少ないので、知っている人が少ない。だからこそ、なんとしてでも世に出して欲しい気合い張りまくりの一枚です。

カッコいいわ、リンダ困っちゃうと腰振るくらい、ラウドネスの超カッコイイ音に痺れました。デモが本編超える好例ですよね。


DON JOHNSON - Heartbeat ★★★ (2023-01-22 18:33:54)

ミュージシャンと言うよりも俳優として有名なドン・ジョンソン。人気絶頂の時代にリリースした歌手としてのソロアルバム。これが本当に熱い内容であり、フロンティアレーベルからリリースされるような唄モノサウンドが好きならば十分守備範囲と言える熱を帯びたAORサウンドを聴かせてくれます。洗練された大人のロック、アーバンな楽曲は当時としてもモダンか空気を纏っており、今聴いても古くささを抑えている。いい意味で80年代的なスタイルなのだが、同時期活動していたマイケル・ボルトンよりもハード目に感じるのも好印象、ロバート・テッパーとかティム・フィーハンとかの唄モノロッカーに通ずる魅力があり、曲の良さと相まって普遍的な魅力を携えている。

①からサックスの音色が印象的な②と掴むんだ流れをしっかりと③で受け止めるという構成も素晴らしい。ゴールドディスク獲得はけして俳優業での成功が後押しではない、実力で掴んだモノだと実感しますね。良く聴くと、ドンさんの歌い回しがワンパターンのように感じたりもするのですが、歌手として一発目と思えば不満も出ないでしょう。
疲弊した耳を休めるBGMには丁度良いヤツです。


BALANCE - Balance ★★★ (2023-01-21 11:44:26)

このバンドとしては1stの方が有名でありセールスも上げている。スタジオミュージシャンとして腕を鳴らしたボブ・キューリックとダグ・カツァロス、ポール・スタンレーのソロに参加した事が二人を結びつけたとも言われるが、既にキャリアのあるぺピー・カストロが顔となり契約を掴んだと言われている。

個人的にはクールでハードな2枚目から先に知ったので、今作に対するイメージは柔和、少々コマーシャル性が高すぎるのだが、角度を少し変えるだけで評価は大幅に変るのが印象的でしたね。嫌みのない爽快なサウンド、キャリアに裏付けられたアイデアとセンス、そのツボを押さえたアレンジの妙味は、極上の癒やしを与えてくれます。また聴き進むにつれてアーティステックな感性を見せつけられます、ギターとキーボードもお互いを高め合うように拮抗しながら主張。ソフトケイスされているようで、独特の緊張感があり、売れ線志向ではあるが、それがマイナスには働きません。こういうテンションの音楽は日本から生まれませんね。
ホンモノの男達が作っているから様になる。作業BGMとして流れていかない引っかかりが個人的にはありますね。

疲弊した耳を癒やすのにピッタリのサウンド。一般的な人には、このギターでも十分にヘヴィだと感じるのですから、このバンドをAOR系として再発した販売元の気概に心打たれました。埋もれさせちゃダメなヤツなんですよ。

特に⑤は秀逸、そこから⑥へと流れる展開が凄く印象的、このロックあり、ポップスあり、ジャズ、ソウル、ファンクと言ったスタイルを曲毎に配合を変え聴かせるスタイル。叩き上げの男達によるパフォーマンスに魅了されますよ。TOTOやSTYXとか好きな人もハマるでしょう。


BALANCE - In for the Count ★★★ (2023-01-20 14:31:56)

メロディ派のマニアならば知らない人はいないでしょう。WRABIT系の哀メロハードサウンドが好みならマストと言えるカッコ良さ。
オープニングから流れる緊張感のある演奏と、どこかスリルのある展開はアルバムジャケットの世界観に通ずるモノがあり、なぜかハラハラとさせられます。芯のある歌声、ハードに迫るギターと前作よりもロック食を強め硬派なイメージを与えてくる。個人的にはオープニングの掴みで悶絶、失神しそうになりますよ。
硬軟交えた絶妙なバランス感覚、大衆性を恐れない構成とバンドサウンドの旨味、コマーシャル性の高い売れ線志向とは一線を画すIQの高いメロディアスハードナンバーは、どれもがフック満載、一度聴くだけで脳内にインプットされるほど親しみやすいです。
これほどのクオリティながら、レーベルのゴタゴタに巻き込まれバンド活動は暗礁に乗り上げる。
打開策として日本限定のCMソングを作ったりと、苦労するも次作が出ずにバンドは解散、一番残念なのが、この名盤が全然知られていないことに尽きます。サブスク解禁もされてないようなので、尚更知名度は上がらないでしょう。
何度か再発もされていますが、オススメはRock Candyから2006年にリリースされたヤツですね。なんと言っても日本限定のシングル盤がボートラとして収録されていますので、案外車好きの超マニアが、求めている楽曲なのかも知れません。

ソフトケイスされた甘美なスウィートロックも全然に軟弱に聴かせなかったアレンジの妙味。そこに舌を巻きました。
ハード目な曲がこれまたカッコいいのよね。スマホにデータ入れたくないので、一日も早くサブスク解禁してください。気軽に聴きたい。そして多くの同士に知って欲しい名盤ですよ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - An '80s Metal Tribute to Journey ★★★ (2023-01-20 14:16:17)

1.Don't Stop Believin' - Mickey Thomas
2.Who's Crying Now - Bobby Kimball
3.Send Her My Love - Kip Winger
4.Open Arms - Tommy Shaw
5.Any Way You Want It - Jack Russell
6.Faithfully - Robin McAuley
7.Wheel in the Sky - Kelly Hansen
8.Girl Can't Help It - John Corabi
9.Only the Young - Mark Knight
10.Lovin', Touchin', Squeezin' - Chaz West
11.Be Good to Yourself - Ralph Saenz
12.Lights - Stevie Rachelle
13.Separate Ways - Kelly Hansen

上記アーティストが参加したJOURNEYのトリビュートアルバム。収録曲もさることながら参加メンバーが激アツだ。オープニングを飾るSTARSHIPのミッキー・トーマスのなりきりぶりには驚きです。クリソツですよね。
次に登場するボビー・キンボールは個人的にはチョイと合わないなぁと思いますが、各のパフォーマンスで魅了、単なるカラオケ大会で終わらないのは皆、個性があり実力があるという事の証。
あーだ、こうだと言いながら楽しむのが一番ですね。ロビン・マッコリーなんて持ち歌のように気持ち良く唄っていたなぁ。
必殺の名バラードを歌うのはMr.ロマンティック、トミー・ショウでしょう。合わないわけがない。
ジャック・ラッセルも意外にフィットしていた。Wheel in the Skyはケリー・ハンセンじゃない方が良かったかも、あの切ない焦がれるような哀愁を醸し出したスティープのパーフェクトなパフォーマンスと比べると物足りない、でも誰がやっても本家には勝てないけどね。ケリー・ハンセンは素晴らしいパフォーマンスで期待に応えましたよ。これで文句言われたら可哀想でしたね。


BALANCE - In for the Count - In for the Count ★★★ (2023-01-19 12:52:47)

カッコいいですね
スペイシーなイントロも印象的ですが
歌メロが良いのよねぇ
そしてエッジの効いたギター
大人が聴いても恥ずかしくない極上のハードポップナンバー
アルバムジャケットのイメージに直結するような音楽性なんですよね
ミステリアスな雰囲気作りもイイ
上手い唄を生かした抜群のアレンジに唸ります


BALANCE - Ride the Wave ★★★ (2023-01-19 12:47:31)

日本のみでリリースされたシングル盤
車のCM用に制作されたという一曲
爽やかな風が吹き抜けるハードポップソング
腕利きのミュージシャンがアレンジして演奏するから
まぁイイ曲に仕上がっています
メロディ派なら大満足でしょう
ちなみにRock Candyから再発された2ndにボートラとして収録されています
ジャケット撮影どうにかならんかったのか?
売れるわけないだろう
懐かしの宇宙人コスプレだろ
頭に触覚つけろよである


ARMED FORCE - Let There Be Metal ★★ (2023-01-18 13:47:32)

なんとなくSpotifyで検索したら引っかかった幻のアメリカンメタルバンドが1986年にリリースしたEPが配信されていた。しかも曲順を変え、全8曲入をオリジナルよりも多い仕様。これには驚いたが、このバンドを自動登録したら幻の1stが出ている。向こうはCD化されたのか?いずれにしろレアモノだけにマニア泣かせの作品である。正直、1stは現物を見たことがない。

ヌルッとしたけだるいロックはグラム系&パンキッシュな魅力を発散、少々ハイトーンもウザ目に絡んで来るが、なんとも言えないアングラ臭が漂い、地下プロレス感が強い。走り出しそうで出さない大味な展開もアングラ臭に拍車を掛けるが、そこに裏街道を生き抜くアメリカンハードシーンを垣間見ますね。
メタルバブルが勃発するまでは、こういうの普通にありましたからね。ポップでシンプルな構成、荒削りなパワーを放り込みヌルッとした毒気を発散、だが、迎え撃つはエピカルな古典スタイルというのが、何とも言えない味わいをもたらしている。なんと説明すれば良いのか言葉が見つからないが、未消化な部分も強いのだが古き良くアングラメタルシーンを想起させてくれた幻のEP。マニアにとってはお宝発掘気分を味わえるだろう。でも一番気になるのは、どういう経緯で世に放たれたかですね。


MADISON - The Lost Tracks ★★★ (2023-01-17 15:07:15)

ブートなのに自動登録出来るほど認知されているんですね。所謂ピート・サンドベリにヴォーカルをチェンジした時代のマディソンに音源。ピートが唄う正式なのはシングルNorthern Lightだけだったハズなので、このブートはマニアの間でもチョイとした話題でした。
厳ついメタルから完全に離脱、メインストリーム寄りの北欧スタイルへと変貌。ピートが唄っているので完全にALIENスタイルと言えます。寒々しい哀愁のメロディアスロック、まさに北欧メタルブランドです。
光り輝くオーロラサウンド、是非とも正式なヴァージョンを出して欲しいねぇ。


FANS OF THE DARK - Cover Me ★★★ (2023-01-16 15:21:27)

Balance、Blue Öyster Cult、REO SpeedwagonそしてRushの曲をカバーしたEP。このセンスに痺れますね。正直、Balanceに関しては忘れていました。
収録曲はこちら
①In For the Count (Balance)
②Dancin‘ in the Ruins (Blue Öyster Cult)
③In My Dreams (REO Speedwagon)
④Subdivisions (Rush)

世間的に有名ではない曲もあるでしょうが、この4曲に込められたバンドとしての方向性、爽快感のあるメロディアスサウンドを主軸とした音楽性を愛しているバンドなのでしょうね。②だってこれを選ぶんだから憎いヤツですよ。④もアメリカで売れたシングルですね。
シンガーが抱える人種問題、そういうのも④の中に込められている気がする。

今の若い人にとっては知らない曲の方が多いでしょうから、このバンドのセンスに触れてみるのは新鮮な出会いでしょうね。
クラシックなロックナンバーを現代のテクノロジーを持って蘇らせた功績はけして低くないです。ベタじゃない選曲というのが素晴らしい。でもポテンシャルの高い曲を選んだ絶妙なセンスに唸りますね。


SKID ROW - The Gang’s All Here ★★★ (2023-01-16 14:57:05)

80年代の末期にデビュー、1991年に出した2枚目も成功と不動の地位を視野に入れたバンドだったが、看板フロントマンの破天荒なゴシップや、傍若無人ぶり、そしてシーンの変節などもあり近年の彼らの人気はどうなんでしょうか?
特に日本では厳しい環境に置かれていたのでしょうかねぇ・すっかり名前を聞かなくなったベテランバンド、その精神性は揺るぎないモノがあり、今作では見事の初期の時代へカムバック。グラマラスでキャッチーながらも、激しさを伴ったスタイルは、キャリアを積んだ分、より説得力が増し、バンドとしての味が出ている。
新シンガーの座に着いた元H.E.A.Tのエリック・グロンウォールも、バズを想起させる活きのいいパフォーマンスを披露、初期型スタイルをこれ以上ないくらい思い出させてくれた。

自分たちのイメージを損なわず、尚且つ古いアイデアの流用などではないクリエイティブな姿勢、拘りの展開が大人びいたクールさを醸し出す⑥など、新旧の魅力を感じさせるし、お得意のバラードも用意されている。SKID ROWという暖簾に傷をつけなかった作風、ある意味、ベタなのかも知れないが、最近はこの手のワイルド系が目立っていない分、シーンに対して良い起爆剤になれるでしょうね。

今の若い人には新鮮に映るでしょう。


TREAT - The Endgame ★★ (2023-01-11 16:27:31)

完全にやり切っていますね。やり切りすぎかも知れません。前作でも感じたデジャブ感。今回はそういうのも、お構いなしにやり切っています。個人的には少々やり過ぎ感と狙いすましたメジャーロック感が強すぎてイマイチのめり込めませんが、彼らのファンが求める王道スタイルを完璧に踏襲していますね。
ファンの期待に応えすぎた優等生なアルバム。それだけに大きな裏切りや斬新な手法が見当たらないのはチョイと残念だし、ビルド&スクラップ過ぎるのだが、ワタクシの貧乏臭い耳には気恥ずかしさが上回ってしまいましたね。

メディアの評判も上々らしいのですが、前作や前々作にあった、芯の太さというのか、メランコリックさや哀愁度をシリアスな作風の中に込めていた分、今作は完全に陽な感性の中で解放しているのが、チョイとワタクシの好みから外れているという感じでしたね。
普段、マイナースピードメタルやNWOBHM系、ジャパメタ漁りがベストな耳ですので、チョイとメジャー過ぎでした。小っ恥ずかしい。

それにしても今が全盛期でしょうね。迷いがないから説得力がある。普段なら聴かないもんね。ここまでメインストリーム寄りなのは、オジサンにはハズいのよ。③から④の流れも良いのよねぇ。④のイントロなんて泣けるじゃん、そこからシンガロングさせる歌メロ、ライブ映えするでしょうね。ファンの心の寄り添う極上のハードナンバー、トリートここにありでしょう。④から⑤も良いのよ。隙が見当たらんのよね。どの曲からも火がつきそうなヒットポテンシャルがあるのも見逃せないです。ただワシの耳が貧乏なだけなんですよ。

陽性な面も強めた今作は、これからメタルを聴きたい人にはドンピシャのサウンドではないでしょうか、そして、この快活なキャッチネスさこそ、このバンドなんでしょうね。世代やジャンルを超えたメジャーロックアルバム。バンドの歴史としては転換期になるような一枚でしょう。


URIAH HEEP - Chaos & Colour - Save Me Tonight ★★★ (2023-01-11 15:48:17)

今月末にリリースされるフルアルバムから先行公開されたリーダートラック
僅か3分30秒というランニングタイムも狙っていますよね
コロナ騒動をヒープ流に見つめています
ジェフ・スコット・ソートとデイブ・リマーのコラボ
躍動感溢れるメロディアスな疾走ナンバー
若いね
そしてベテランの味わいがあります
新作に期待値も高まるのですが2ヶ月前から聴いているからなぁ


ANTHEM - Crimson & Jet Black - Wheels of Fire ★★ (2023-01-11 15:36:23)

昨今流行の先行公開された一曲
近年の作風を踏襲するメロディックなアンセム流ヘヴィメタル
EVIL ONEタイプですかね
ギターソロもテクニックのみならず哀愁のあるフレーズで魅了
今回も英詩を採用しているようですね
海外でもコアなファンならば日本を代表するバンドとして知られるアンセム
限られた時間の中で存分に暴れて欲しいものである
個人的には初期の頃を思わせるゴリゴリのメタルも聴いてみたいなぁ
タイトロープみたいなアルバムをあえて作って欲しいねぇ
いっそ森川でセルフリメイクして欲しい
森川の唄うDEATH TO DEATHとかピッタリだと思うんだけどなぁ
あと柴田さんのガリガリと迫力のあるベースサウンドを味わいたい
ご無沙汰ですからねぇ


十二単 - Loving Woman ~ the History of 12hitoe ★★★ (2023-01-10 14:53:40)

まさか生きているウチに、このバンドの正式な音源が聴けるとは夢にも思いませんでした。エクスプロージョンからリリースされた幻のV.A『HEAVY METAL FORCE』に楽曲を提供、デモ音源など正式な音源を残すことなくバンドは消滅。というか、バンドをヴォーカルの藤原正紀名義に変更、そして聴きやすいミックスに変えてリリースされたのが藤原のソロ『AGAIN』である。

あちらはアナログ盤を手に入れたのだが、そっちも復刻盤が出たのに驚いた。でも十二単ほどではない。こちらは本気で驚きましたね。
そして原曲というのかアレンジの違い、そして未体験のライブ音源に興奮必至。よくぞ掘り起こしてくれましたねです。
クレジット見て驚いたのがギターが八重樫のいない時代があったり、ドラムが五十嵐公太じゃないとか、個人的にも新しい発見があり、このバンドの事を全然知らなかったんだなぁと思いましたね。

ベースが思いのほか前に出ており、自己主張を怠らないが邪魔はしない。ライブ音源が多いのだが貴重なステージの模様と高い演奏力に舌を巻き増しすね。藤原の歌声もパワフル、英国寄りの叙情派ハードサウンドと日本人的なエッセンスが濃厚な世界観を演出、なんで藤原正紀名義でリリースなんて暴挙に出たんだろう。
若者の夢を積んだ当時の関係者に苦言を呈したいですよ。歴史的な価値としても高いのだが、サウンドそのものに価値があり、ノスタルジックな思い出だけに留まらないハードサウンドに心も鷲づかみ!聴いてみたなぁと思っていたバンドだっただけに感動も一入です。

古くさいサウンドです。根暗なスタイルです。初期型ラウドネスとか好きな人には良いのですが、煌びやかで垢抜けたメタルが好きな人には勧めません。ですが、この情念タップリにジャパニーズメタルテイスト満載のサウンドは、英米から聴けないスタイルであり、日本人の感性にビンビンに迫ってきますよね。

どの曲もハイライトでした。年末からヘヴィロテです。上手い下手では語れない本気の音があります。こういうの大好きなんですよね。
クサがたまらん。今の若い人にはチョイと敷居も高そうですが、このダサカッコ良いサウンドに触れて欲しいねぇ。昭和の匂いがプンプンと漂うジャパニーズメタルの真髄を味わって欲しいねぇ。


TREAT - Tunguska ★★★ (2023-01-10 14:24:20)

前作にあったモダンな風味付けを絶妙に排除、とは言えそれ風の楽曲もあり、安易な80年代型メタルと言う手法は一切とっていない。前半から色彩美豊かな楽曲を揃えてきた。この野心溢れるバンドサウンドは成功を掴む最短ルートを見つけたかのような光が差し込んでいて、躍動感溢れるダイナミックなリズムと北欧らしい冷ややかなメロディを軸に多種多様な方法論で魅了してきた。
とにかく迷いが一切ない、全力で極上のメジャーロックをやっている。
BON JOVIが哀愁のメロディと魅了した路線に戻ることはない、デフ・レパードも中途半端で何をやっても過去を超えられないだろう。
もう積んだ両者に変わりトリートがメジャーロックの本流となり広くハードシーンを支えて行くのでは?と錯覚するほどに充実ぶりだ。
唄を中心としつつもギターも心地よく鳴り響き、気持ちよさそうにリードしている。聴きやすいサウンドメイクはNWOTHMを彷彿とさせるが、年期の違いというのかバンドとしての味がある、それが有機的な絡みを魅せ、品行方正なハードサウンドに人間的グルーブを持ち込んでいる。このバンドだから出せる音、そういうモノを持ったバンドは強い。
前作も良かったが、今作は幅広い年代に受けそうなスタイルだろう。今が全盛期、そう思わせるフレッシュなハードサウンドに魅了されました。エンターテイメントなんですよねぇ。KISSIN' DYNAMITEとか思い出しましたね。


TREAT - Ghost of Graceland ★★★ (2023-01-07 08:59:17)

リバイバルブームが訪れ再結成が頻繁に行われた2000年以降のメタルシーン。多くのバンドは尻すぼみで知らんうちに解散したりするのだが、一発屋で終わらずに継続した形になったのはファンに取っては何よりもありがたい出来事ですよね。
若干モダンな風味付けを初っぱなで行ったが、あくまでもメロディ主体の為、耳も直ぐに慣れ、違和感は徐々に薄まり4曲目を境に一気に押し切られました。レコード契約を交わしてから常にメインストリームを意識した作風で活動していた彼ら、これが2016年のクラシックメタルとしての旬なサウンドメイクという事なのだろう。どこを切っても溢れ出る潤いのある叙情的なメロディ、BON JOVIでもデフ・レパードでもない、トリート流メインストリームロックを確立、昔の名前で出ていますではない現代に通用する形を取ったのは現役のバンドとして生きる上では必要不可欠でしょう。

個人的には貧乏臭い地下NWOBHMがメインのため、このゴージャスな作りは小っ恥ずかしいのだが、メロディ派のマニアにはたまらんでしょうね。特に、今の若い人にとっては80年代のサウンドメイクなんかよりもズッと親しみやすいはずである。
HM/HRの入門編として機能するのではないでしょうか、それくらい旬なサウンドメイクを味方につけています。これは売れるでしょうね。売れる音を追求しています。でも軟弱に聴かせないのはギターワークに目を見張る点があるからですよね。
出ずっぱりでもシュレッダーでもないのだが、主役を張れる躍進ぶりに胸が躍ります。唄を邪魔しないハードサウンド、何を聴かせたいかのコンセプトが明確なバンドの強みですね。ファン以外にも訴求する今風を取り込んだアイデアの勝ちでしょう。
ビルド&スクラップが上手いバンドですよ。


KRYPTONITE - Kryptonite ★★★ (2023-01-07 08:33:24)

THE POODLESの成功、ヤコブ・サミュエルも余裕のある生活を送っているでしょうね。プロデューサーはアレサンドロ・デル・ペッキオ、ヤコブと一緒に曲を作り、レーベルはFrontiersときていますから、メロディ派マニアなら安心して手を出せる作品。信頼度のあるレーベルですからね。ギターにマイケル・パレスってのも、ダメ押しの安定感です。
お膳立ては揃っています。もはやレーベル謹製のサウンドです、それだけに真新しい出会いや、裏切りはありません。その信頼と実績のあるスタイルから繰り出されるブランド力、ベタに敵うモノなしを思いっきり体感させてくれます。

そんな中でありきたりに陥らないのはヤコブ・サミュエルの金属質な歌声、柔和なサウンドの中でアクセントとなっている。流麗なギターワークも我を張らないが実にツボを押さえており、的確なギターワークが邪魔することなくドラマを演出することに一役買っているのも見逃せませんね。
リズム隊もポンタス・エグベリにロバン・バックってのもメロディ派には親しみやすい顔でしょう。


AUTUMNS CHILD - Zenith ★★★ (2023-01-07 08:16:01)

ミカエル・アーランドソンがフロントマンを務めるメロディックメタルバンドの3枚目。コンスタントにアルバムをリリースと活動も順調な用でメロディメイカーとしての才能を遺憾なく発揮という事でしょう。相棒であり右腕として辣腕を奮うMOON SAFARIのポントゥス・オーケソンのギターワークもギラリと光を放ち、ここで聴ける多様性の溢れたメロディアスメタルサウンドの根幹を支えている。
とにかく叙情派ナンバーは勿論だが、煌びやかなポップチューンにバラード、戦隊モノの主題歌みたいな楽曲まで用意とやり過ぎなくらい、メインストリームに睨みを利かせつつも、合い言葉は哀愁のメロディと言わんばかりに、徹底した音楽性を追求している。
その中で哀愁美の配合を変えバラエティに富んだと感じさせる手腕は見事でしょう。やはり参加メンバーの技量というモノがモノを言っている。技巧的志向のバンドサウンドではないが、余計な事をしなくとも十分に力量の伝わるミュージシャンシップ、唄を中心としつつもギターソロでは大見得を切るかの如く、堂に入ったパフォーマンスで魅了と、メロディアスハードかくあるべきなスタイルに付きするんでいる。音楽性の拡散を果たしつつも、従来のファンから苦情を寄せ付けないソングライティング力に唸らされる。


TKO - Below the Belt ★★★ (2023-01-05 06:33:14)

今やTKOと言えばペットボトルを後輩に投げつけ、知識の欠片もないに投資トラブルを巻き起こした、お騒がせの調子こき芸人を真っ先に思い出すでしょうが、個人的にはTKOと言えば、このバンドをなります。
アメリカのバンドらしいくメインストリームよりの豪快なロックをやっています。前作の方向性を引き継ぎつつもソリッドでハードなサウンドと懐かしいバブル臭、1986年というメタルバブル勃発の運気を見逃すまいと全力で取り組んでいます。
根が根だけに、アーティスト気質が出ており、実にオーセンティックなスタイルで勝負している。その生真面目さが売れ線志向と合わず、真面目さが上回り、どこか個性の無いサウンドへと変換しているのが評価を分ける最大のポイント。
個人的には、大きな期待を裏切らない安定したサウンドは、スリルはないが堅実であり、華やかな80年代の空気とロックの持つ一色即発な雰囲気が共存していて、けして試聴感は悪くない。
決め技一発がないとは言え、ギターも派手目のソロを意識したりと時代を鑑みて自らのスタイルをブラッシュアップした姿勢は大いに評価したい点ですね。
硬軟交えたメロディアスかつハードなサウンドは今の時代、逆に新鮮に映るような気がします。奇をてらわずに、真面目にハードロックをやる姿は逆に頼もしい限りですよ。ギターが変更したのは確実に成功している点も評価したいです。


HOUSTON - Relaunch II - Love Is Blind ★★★ (2023-01-02 01:07:48)

オリジナルはジョン・オバニオンが唄っています
こうして改めて聞き直すとオバニオンに寄せて唄っていますね
こういう曲をチョイスするセンスに唸ります
何よりメロディアスなサウンドに相当精通しているアーティストですね
こういうところに着目できるセンスにワタクシも共感します
オリジナルに対する思い入れが強いので部が悪いのだが
まっさらな気分で聴けば素晴らしいパフォーマンスだと認知するでしょう
文句のつけようなどないのだがオリジナルを聴きすぎた


HOUSTON - Relaunch II - Justice for One ★★★ (2023-01-02 01:02:38)

オリジナルはカナダのミュージシャン
メロディ派のマニアからは絶大な支持を受けるジョン・ファーナム
オリジナルの味を損なわず北欧風味をサラリとねじ込んだセンスに目を見張りますね
そしてオリジナルの素晴らしさを再確認させてくれました


THE BIG DEAL - Amaranth(Nightwish Cover) ★★★ (2023-01-02 00:54:43)

原曲を知らないので比較のしようもありませんが
こういう曲もやれるんだという事を示したのか再生回数を見て
アルバムの方向性を固めたのかは分かりませんが
タイプの異なる3曲をやれる器用さとアーティストとしての力量
可能性豊かなメロディアスロックバンドですね


THE BIG DEAL - Gimme! Gimme! Gimme! (ABBA cover) ★★★ (2023-01-02 00:47:21)

まぁABBAのカヴァーに鮮度はありませんが
ツインヴォーカルの旨味を端的に伝えています
こちらもアルバム未収録のカヴァーソング
ギターソロもテクニカル
キーボードソロも華麗に舞い踊る
ジャジーな終わり方もイイねぇ


THE BIG DEAL - Rock the Night(Europe Cover) ★★★ (2023-01-02 00:42:48)

このバンド日本でリリースされていないんですね
アルバム未収録で先行公開されたカヴァーソング
なんか日本盤が出たらボートラになりそうな予感が
でもPV込みで見て欲しい
カッコいいわぁ
躍動するアメリカンロックサウンド
こういうの聴いてアメリカンナイズドとか寝ぼけたことを言いますか?
全米を席巻した北欧風アメリカンロックのカッコ良さを余すことなくカヴァー
シンプルにカッコイイ


THE BIG DEAL - First Bite - Bad Times, Good Times ★★★ (2023-01-02 00:34:25)

1stから4曲PVを制作されているのだがバラードが一曲も無い
こういう姿勢にもフロンティアレーベルのブランド力を感じる
普通は売るためにやるだろうよ狙いすましたバラードをさ
このレーベルから大量に輩出される音源をチェックするだけで一年が終わりますよね
普遍的なメロディアスロックの持つ堅実さと軟弱なバンドではないというメッセージ性を込めたバンドサウンド
無駄に女を売るだけにマネージメントが付いていない証拠でもある
90年代には終わった性を強調して売るという作業
日本ではいまだにそれがメインである
世界に売って出るならば心を入れ替えないとね
あちこちにヒントはある
目先の僅かな成功になびいてはいけない


THE BIG DEAL - First Bite - Top Heaven ★★★ (2023-01-02 00:30:03)

耳馴染みの良いメロディとしなやかな鋼鉄サウンド
メロディ派のマニアにはたまらんでしょうね
女性シンガーも最高にクール
エロかっこいいとはこの事でしょうよ
釘付けになるPVもエエですよ
唄を際立たせるアンサンブルの作り方も悪くない
キーボードソロもギターソロもまだまだ聴かせてと思わせるのもイイよね


THE BIG DEAL - First Bite - Sensational ★★★ (2023-01-02 00:24:56)

躍動する壮麗なハードサウンド
サビの弾けっぷりも素晴らしい
ギターも巧者
鍵盤プレイも効いている
もっと売れて良いバンドだろう
華やかさを音に練り込んでいるのもカッコいいです


THE BIG DEAL - First Bite - Never Say Never ★★★ (2023-01-02 00:21:51)

TNTのカヴァーを年末にリリースしましたね
チョイ嬉しいです
タイプの異なる麗しの女性シンガーを二人並べていますが喧嘩しません
ギターはソロになると俄然色めき立ち確かな腕前を披露
唄以外にキーボードも奏でるネヴェナ・ブランコヴィッチが良いんですよね
才色兼備なバンドサウンドにウットリです


THUNDERSTICK - Something Wicked This Way Comes ★★★ (2023-01-02 00:09:01)

知らない内に再結成を果たしていたNWOBHM史を語る上では外せないドラマー、我らがサンダースティックの帰還です。
幻の2ndからマテリアルを選出という話題性もマニアには興味を注がれるポイントでしょうが、ジョディー・ヴァレンタインという大きな損失を、どういう形で埋めたのかも注目ですよね。
そのパワフルな歌声は前任者と比肩しても問題なし、派手目のドラムを前に出したロックオペラ風のサウンドをコントロールするのにピッタリの逸材、あらゆるタイプの楽曲を自分のモノとし絶大なインパクトを誇っています。少々AOR調だった1stと比べてもダイナミックで親しみやすいロックサウンドを提示、その古典的な手法は今の時代、逆に新鮮に映り懐かしさと共に手堅いハードサウンドを聴かせてくれる。テクノロジーの恩恵は、自主制作盤でも遺憾なく発揮、少々ドラムがウザいミックスも1stを思い出させ懐かしいのだが、実力はあるが、売れ損ねてサンダースティックの現役感バリバリのドラムを聴けるのは嬉しい限りです。
かつてIron Maidenでドラムを叩き、SAMSONで名を上げた覆面レスラーならぬ覆面ドラマーの数奇な運命、今作にはそういう重みがどこかにじみ出ています。いぶし銀のパワードラム、極悪スプラッターホラー映画ジャケからは想像も出来ない、バランス感覚に秀でたメインストリーム寄りの硬派なハードサウンドが楽しめます。親しみやすさが軟弱にならなかった構成力に舌を巻きましたね。


HEAVY PETTIN' - Roll the Dice ★★★ (2022-12-27 17:03:31)

知らんうちに配信盤にてリリースされた幻のシングル盤の復刻、2022年リマスターとオリジナルバージョン収録と言うマニアを歓喜させる仕様に、ヒデキ感激とリンゴとハチミツがトローリ溶けて、旨さが爆発なレア盤が復活。収録されたLove X LoveとNothing to Loseは、ニートからリリースされたシングルには収録されておらず、また過去のアルバムにもなかったハズである。これには面喰らいました。嬉しい誤算ですよ。
NWOBHMファイター時代を完全に想起させる憂いのある叙情派ハードサウンドに唸りますよ。
詳しい詳細はさっぱりです。既存の情報を引っ張り転載するのはNGなのでやりませんが、この3曲の出来映えに胸踊りますね。発見してからヘビロテですよ。NWOBHMマニアは勿論ですが、湿り気のある英国的伝統美溢れる古典ロックに興味のある方はマストと言えるでしょう。


HAUNT - Mind Freeze ★★★ (2022-12-27 14:55:38)

現代に甦ったNWOBHMとして知られるプロジェクトチームのフルアルバム。音に厚みをもたらす鍵盤プレイもそこそこに、叙情性の高い湿り気たっぷりのハードサウンドを披露。その実直なる精神はマニアにとっては頼もしい限り、方向性を広げつつも口うるさいマニアから、そっぽを向かれぬように、道筋を立てきっちりとやりきっている。
妖しげなメロディとメタリックなリフ、適度な疾走感を伴い駆け抜ける様は、実に伝統的である。

この湿り気がたまらないのよ。狙っているんですよね。新しい何かを作るスタイルではないが、消えて言い訳がない古典中の古典。エンジェルウィッチのような英国的なビシャビシャ系メタルが好きな人なら大いに楽しめますよ。こちらはあか抜けてますけどね。でも胡散臭さも上手に取り込んでますのでご安心ください。


KRYPTOS - Afterburner ★★ (2022-12-19 22:25:02)

インド産HM/HRバンドが2019年にリリースしたフルアルバム。パワー・スピード・メロディとヘヴィメタル三種の神器を頭上高く掲げ、JPやメイデン、ACCEPTと言った王道スタイルをど真ん中で踏襲、全8曲小気味よく駆け抜けていきます。こうなると、このラフな歌声がチョイと情緒に欠いた面が目立ち、全ての楽曲の印象を画一的にしてしまうというピンチに陥る。また楽曲も実直すぎるパターンが多いため、初見の感触は良いが飽きのサイクルが早いのは免れないだろう。
こういうのを聴くと、わしゃ、有名バンドの昔のアルバムを聞き直すわいと言われたら反論の余地などないのですが、若い人にとっては、少々サウンドプロダクションに古さを感じる過去作よりも、こうして現代的なテクノロジーの恩恵を受けたサウンドの方が馴染みやすいだろう。黄金期と呼ばれるメタルシーンが活況した80年代を想起させてくれる筋の通ったサウンドは、入門編として確実に機能するでしょう。まぁAFMレコードらしいと言える作風でもある。


THUNDERMOTHER - Black and Gold ★★★ (2022-12-19 22:10:23)

豪放磊落、ドライヴィングするグルーブはキャッチーさも今まで以上に取り込み聴きやすさを倍増、このバンドらしい、しなやかでキレのあるハードサウンドは、天地を揺るがす落雷の如くビッカビカに光輝きストームを巻き起こす。AC/DCよりも洗練されているのは、日本人にもウケそうなのだが、やはりメインヴォーカルを初め。後ろ姿が軽トラ並にごっつい容姿が押せない理由ならロックじゃねぇなぁ。

AFMレコードの抱えているバンドとしては、かなり親しみやすいし王道のど真ん中を大胆に闊歩する姿は逆にクールだし頼もしい。女である事を売らなくても成立させれる、音そのもので勝負出来る魅力。日本のメタルシーンにとっても良いビジネスモデルだと思うんですけどね。とにかく、このバンドは嘘をつきません、そして裏切りません。それは先人達が築いたスタイルを踏襲しているからです、そのリスペクトはパクりではなく、自らの血となり肉となったバックボーンの素直な解放に尽きる。
だから鼻につかない。これで妙な色気を売ったり、ヒットシングルよろしくを狙いすぎたら、批判の対象になりかねないが、そことは切り離した活躍をしている。
本気でやっているから様になるのだ、今作は狙いを定めた楽曲が多い、その手触りはヒットポテンシャルを大いに秘めており、なにかきっかけを掴めば今まで以上に名を上げそうだ。そろそろ国内盤の声が掛かっても良いような気もしますがね。


MADAM X - Monstrocity ★★★ (2022-12-17 19:45:23)

かつてセバスチャン・バックがいたことでも有名なグラム系の硬派メタルバンドによる復活作。ド派手のルックスとシュレッドギターを擁するサウンドは、明るい脳天気なメインストリーム寄りのL.Aメタルとは違い、当時のシーンにとっても異質なバンドであった。
それだけに、このバンドがどのような形で復活作を届けるのか興味も注がれます。
今やエルビス・プレスリーのソックリさんというか、エルビス・プレスリーそのもので活動するシンガーのブレット・カイザーも現役感バリバリ、当時から女性としては頭一つ抜けていたギタリスト、マキシン・ペトルッチのごっついギタープレイに陰りはなく、この古くて新しいヘヴィメタルサウンドの軸となり八面六臂の大活躍、盤石のリズムプレイにも隙はなく豪快なリズムを叩き出し、ダイナミックなバンドサウンドを牽引、MADAM Xというバンドが持っていた毒気と硬派なメタルスピリットを現代のフィルターを通し再構築。そのビルドアップされたメタルサウンドは今の若い人にも十分訴求するだけの魅力がある。特にオープニングナンバーの迫力には飲まれそうになった、コンパクトな楽曲が多いので力業で乗りきった感もある。正直、繰り返し聴くと、アイデアの流用の多さに飽きのサイクルも早まるのだが、古典アメリカンロックの切れ味を損なわないテンションの高さは、懐かしいだけではない魅力がある。


SAHARA - Going Crazy ★★★ (2022-12-16 14:26:11)

同時期にデビューしていた女性シンガーのいるSARAYAと混同した時期がありましたが、こちらはアメリカ産の叙情派HM/HRサウンドを轟かせるバンドの1st。キーボードのセンチネルことダイアン・アレンズの華麗なるキーボードと、女性らしい凜とした佇まいから発せられるパワーヴォイス、その美声にウットリとさせられます。この2枚看板の圧倒的な存在感、そのパフォーマンス力に釘付け。リリースが1992年ですからね。今となっては早すぎた登場となります。80年代でもダメ、今が旬でしょうね。成熟しきったメタルシーンにおいて、かつて、ここまで完成度の高い女性がメインを張るバンドなど、そういるモノではありません。
センチネルの奏でるドラマ、そして、リズ・ヴァンドールが歌い上げるメタル一大叙情詩の美しさ、メロディックなメタルが好きで、複雑すぎるドラマはチョイと、と思うマニアにはドンピシャのサウンドである。
RAINBOW路線を継承するド硬派メタルバンド、その媚びを一切売らない姿勢には感服ですね。

とにかく唄が上手いです。ロックなのですが、妙にドスを効かせたりオーバーな唄い回しなど皆無、HEARTのアン・ウィルソンがメタルを唄うという感じ、これほどしなやかで、女性らしい色香を感じさせつつもパワーダウンしない女性シンガーを知りません。
発声法でどうにでもなるグロウルとはワケが違います。これは実力が如実に表れるフロントマンたる重責を見事に果たしていますね。

どんなにセンチネルがメタル一大叙情詩を描いても、期待に応えるフロントマンがいなければ成立しません。ワタクシは、この声に圧倒されました。レザー・レオーネは男勝り。アン・ボイレンもそうだろう。リズは、そこじゃないところで勝負して打ち負かしている。女性にしか出せない魅力、素晴らしい歌い手だ。

聞き惚れるていると、気がつけばセンチネルの書き上げたリリカルなファンタジックメタルの壮麗なる世界観に魅了されるでしょうね。
2枚看板を押し上げるように、そこを支える3人の男性も頼もしい限り、何度聴いてもカッコイイんだよなぁ。


BENEDICTUM - Uncreation ★★★ (2022-12-16 13:49:21)

正統派ヘヴィメタルの世界では知らない人はいないでしょうよと、言いたくなるほどの実力を誇る女性シンガー、ヴェロニカ・フリーマン。ディオのトリビュートバンドをやったり、THE RODSと共演して音源をリリースしたりと、そっち系との人脈も強く、今作のプロデューサーはジェフ・ピルソンである。
日本では女性であるという事は最大の売りであり、ある意味、性を販売する傾向が強い。欧米ではアイドル文化は根付かないだろう、特に恋愛禁止など完全なる人権問題だし、女性アイドルに関しては特に性差別の最たる例でしょうね。そんな文化圏のアジアだからこそ、成立する女性が不必要に色気を売り性的歓喜を行う。アメリカでもそういう時代があったが90年代に入り、そういう行為に対する拒絶が行われた。令和4年であり2022年の日本では、メディアイチオシは、どんなグループだろうか?時代遅れもやり過ぎれば深刻な病である。目先の成功のため、CDが売れない時代にオジサン相手に性的歓喜を行うのは、ワタシの目には異常だが、それでも地獄のゆるふわバンドのイベントにオジサンが雑誌片手に集合するのだから、世も末である。80年代に女性がメタルをやるという事に対する拒絶が凄かった、そのオジサン達がイチオシになった途端に手のひらを返すのだから、洗脳されるにも程がある。これじゃ統一教会の信者と変らん。メディアの罪は僅か、それに乗っかるだけのドミーハーが多すぎるだけである。麦わら帽子かぶった親の傀儡になっている、子供に○○脳だと馬鹿にされるぞ、CDと一緒に開運ツボを売れ、と思いますね。おっそろしい世に中である。始まりの終わりを、ヒッソリとシーンの端っこでみている気分ですね。

このバンド、2006年という正統派ヘヴィメタルがリバイバルの兆しを見せた時代に真っ向勝負を仕掛けてきた。女性版ロニーと呼べるほどのパワフルな歌声、それはヘヴィで閉塞感に満ちあふれたアングリーマシーンを自由自在に操り、色と艶のある妖気漂うガチンコメタルを展開、そのパワー漲るバンドサウンドは、クラシックメタルからスラュシュ、そしてグランジという時代を飲み込み真っ当なスタイルでヘヴィメタルをやり切っている。
パヤパヤとしたソプラノヴォイスではない、これぞメタルなパフォーマンス、彼女の圧倒的な存在感に打ちのめされました。ディオ時代のサバスの曲を2曲カヴァーしていますが、オリジナル曲が素晴らしいので、正直、オマケ感が強く、とくに壮麗なパワフルメタル⑩はクロージングソングとして完璧に機能していたので、モブ・ルールスはいらんぞと言える。
それでも単なるカバーでは無く、このバンドらしいアレンジと施しており聴かせ方を心得ている。これぞヘヴィメタルだ。
このバンドは女性という壁を越えただけではないギタリストでありバンドの頭脳でもあるピート・ウェルズはアフリカ系の黒人である。
音だけ聴いて何の問題が生じるのか、国内盤のリリースもないので、知名度は低いのかも知れないが、チャステイン系のメタリックに振り切った叙情派スタイルが好きな人にはたまらんでしょう。
ヴェロニカ嬢のエロの売り方に媚びを感じない。女性であると言うことを最大限に生かしたセクシー系のコスチューム。正にエロカッコイイである。姐さんと呼びたくなりますね。


M-pire - Chapter One ★★★ (2022-12-15 14:07:20)

手は目よりも早いで話題をさらったジョシュア・ペラヒアが90年代に、M-Pireというバンド名で活動していた時代があります、今作は1995年にリリースされたフルアルバム。ちなみに2001年にJoshua Perahia名義で再発されているので、ややこしいのですが初っぱなは、この名義でのリリースでした。シンガーにはマイケル・オマラを迎え、ジョシュアなりに90年代を意識、ザラついたアメリカンロックも取り込み、ジョシュア流SKID ROWみらいな感じの作風に仕上げている。
正直、95年でも古いサウンドなのだが、ソロではジョシュアらしい面も見られるが、全体的には抑え目でありバンドサウンド勝負という方向性だ。正直、懐かしい空気のサウンドだし、何もジョシュアがやらなくてもではあるが、80年代末期から90年代前半に登場したメインストリーム系のハードサウンドが聴きたいというマニアには丁度良いでしょうね。
でもTYKETTOとかいるからねぇ、流石にジョシュアには、もうチョイ、ピロピロ系か哀愁の叙情派スタイルに倒錯して欲しいと思いますが、これも世の常ですよね。元々、名義も違いますからね。
このバンド、シンガーが中々の実力派でバズ風味ではあるが、キレイ目の高音を歪ませて歌う様もハマっており、上手く寄せに言っている。英国のTALONではノビノビと唄っており、こちらを気に入った方はTALONもチェックして欲しいですね。


GRAHAM BONNET BAND - Day Out in Nowhere ★★★ (2022-12-14 17:15:04)

思いのほかアルカトラスの活動が続いたグラハム、多彩なゲストを迎えるも企画倒れに終わったアルカトラスのアルバム。せっかくメンツを揃えても統一感の無さが散漫な印象を色濃く残した、予定通りのグラハムは脱退。ドゥギー・ホワイトを入れてアルカトラスの名義に則った作風に回帰した。ドゥギーが、どの時点で参加したかは分からないが、グラハムが歌い出しそうな曲も多くありドゥギー・ホワイトが前提のように思えなかったのだが真相は分からない。
そしてパートナーと共に元サヤの収まりリリースされたのが今作でしょう。予定調和の楽曲と音楽性、グラハム・ボネット・バンドの名に相応しい多様性と王道路線を押さえた作風が刺激は薄いが安定感があり、グラハムも気持ちよさそうに歌っている。流石に衰えは隠せないが老獪なテクニックを駆使して成立させているのは流石である。

裏で鳴るリリカルな鍵盤プレイも耳を惹くしリードギターが弱くなったアルカトラス風もある、熟練されたメロディックメタルは、グラハムによく似合う。そういう意味ではグラハムがストレスを抱えずに活動する事が一番重要なのだろう。
思いのほか細部まで丁寧に作り込まれた楽曲とアレンジ、方向性も悪くない。気になるのはグラハムの唄ぐらいだろうが、年齢を考えれば文句も出ませんね。まぁグラハム関連で覇気のあるメタルを期待するのもアレなんで、この空気で十分頑張ったと言える。

個人的には前作よりもグラハムにフィットした仕切り直しの3枚目。古すぎないフレッシュな感性も散りばめられているのも現役感を強めていますね。
まぁでも、アルカトラスという伝家の宝刀を抜いた後に何をやっても厳しいよ。同じ土俵となると尚更ね。


HEADSHOT - As Above, So Below ★★★ (2022-12-13 15:37:31)

90年代から活動を続けるジャーマンスラッシャー、ジャーマンスラッシャーの諸先輩からの影響もくみ取れるが、より一層磨きを掛けるのは古典メタルから現代的なスタイルも柔軟に取り込み王道路線へと変換。
古さに埋没しないアイデアと、焼き回しに陥らない直球勝負な清いスタイルがなんとも魅力的です。
ヘヴィでダークというよりはスカッとキレのある面を強調しているので聴きやすさを誘発しているのは間違いない。小気味よく繰り出されるリズムとリフ、強靱なグルーブを叩き出すサウンドはスラッシュメタルならではのダイナミズムに溢れておりギターも巧者、臨機応変にメロディアスなパートも持ち込み、楽曲に豊かな表情をつけている。
このバンドの魅力は有機的な絡みを感じさせるところにある。やり過ぎないサウンドミックス、そして人間味を感じさせるギターチーム、そういう血の通ったプレイが根幹にあり、デジタル加工臭を押さえているのも好感が持てる。
ハッキリ言えば2000年以降のバンドが捨てたモノを彼らは拾い集め、血となり肉となる形成をしてきたと言える。
個人的には懐かしい時代を体感させて貰った。本来あるべきメタル道、いつからあんなに、極端な音作りやメカニカルなサウンドが主流になったのだろう?懐かしいだけじゃない現役感、ここで聞ける王道スタイルはベイエリア系が好きな人もイケるでしょうね。スラッシュメタルのリバイバルブームにはこういうバンドの存在が必要不可欠だったでしょう。まさにNWOTSMですね。普遍的ヘヴィメタル多めなのも良かった。


INTRINSIC - Intrinsic ★★★ (2022-12-12 15:16:08)

アメリカンメタルの裏街道を走るガチムチのパワフルメタルサウンド、そして一筋縄ではいかない場面展開の多さ、そのドラマ性はストレートに突っ走るだけではない情景を浮かべメタル一大叙情詩を奏でている。
欧州的なフォーキーメロディも取り込み、メイデンよろしくと言わんばかりに起伏のある構成は聴き手の闘争心を煽るようなアレンジが効いており、その手のメタルが好きな人にはグッと燃えるモノもあるでしょう。
インディーズ盤ではありますが、録音状態も酷いモノではなく演奏もタイト。インストナンバーの③の次には3分を切るスピードメタルもぶっ込み、重厚さだけではないキレも魅せつけた。こういう演出がアルバムの流れとしては聴き易さを誘発、迫力不足の低音であろうが、妙な生っぽさのある演奏によりメタルの持つ、好戦的な魅力を抽出している。スラッシュメタルの台頭もあり、メタルバブルが吹き荒れる中で、一番苦戦したのがアメリカンパワーメタル勢だったかも知れない、それだけに、ターゲットは狭かったろうが、全8曲、どれもが魅力的で、オープニングナンバーからゾクゾクとさせられた。アナログではB面に一発目となる⑤もグッと燃えるメタルソングである。引っかかりのあるギターリフも効いているし、やはり構成力には目を見張るモノがある。アメリカのバンドだけに、ベタベタにはならないが、ドライ過ぎない硬質なスピード/パワーメタルは、必ずや日本にも需要があるはずなので、こういう作品は多くのマニアに知って欲しいですね。


Oral - Oral Sex ★★★ (2022-12-11 17:30:05)

とんでもないアルバムタイトルに躊躇する人も続出です。橋のたもとで撮影されたジャケット、ボンテージ風ファッションに身を包み、どんなバンドなのかコンセプトも伝わらない微妙な表情を浮かべる3人の女性、クレジット的にもこの3人のバンドなのかと錯覚するのですが、実は演奏しているのは男性であり、唄を売っているのが女性という嗜好、なんでそんなお遊びをぶっ込んだのかは分かりませんが、確かに、ゆるい3人からは想像できないまともな演奏に納得しました。
陽性な空気を運ぶ女性シンガー、そしてハードにドライブするロックンロールは、ヘヴィさには欠けるが軽快に駆け抜けるので、この女性を生かすパンク的なアプローチと考えると大きな不満は無い。
とにかくファニーな親しみやすさとエロい歌詞、そういうものをコンセプトにロックをやっていると言うことなのだろうが、英語が分からないワタクシには、どのような比喩があるのかも分からずに、単純に音そのものでしか判断できません。
もう少し深みのある低音を好むのだが、ギターリフもキャッチーで親しみやすくオーピニングナンバーのHeadから炸裂している。

ただ、やはりどうしても倫理観が、このバンドを拒否する自分がいるのは否定しない。女性軽視と言えば良いのか、どうにも好きになれないエロコンセプトである。
明るいパンクロックに絡むアンニュイでヌルッとした歌声は、なんだか妙に生々しい、そして以外に癖になる。上手いわけでもないし、魅力的でも無いのだが、このサウンドには絶妙に合っている。歌メロも秀逸なのがポイントだろう。

雑誌の評価も酷く演奏は最低と言われたが、それは当てはまらない、もっと酷いバンドがいますからね。ウエンディOウィリアムスやガールスクールの方が気合いが入っているが、こういうのは大ありだろう。特に過去の悪評を知らない若い人には、奇妙な組み合わせに、どこか興味を惹かれるのではないだろうか、輸入盤市場でも話題になったという話も嘘ではないですよ。
聴きすすめる内に中毒性を発するパンクメタル、久しぶりに聴いたが昔よりも圧倒的に好感が持てる。


KULL TRIGGER - Primal Abilities ★★★ (2022-12-10 16:12:53)

スラッシュ/デスメタル大国として知られるコロンビアが生んだ正統派HM/HRバンドの1st。正直、コロンビアから叙情的な古典メタルバンドが出てくるとは勉強不足で知りませんでした。
オープニングナンバーで聞けるハモリのツインリードなど、国産ヘヴィメタルバンドにも通ずるようなクサクサのメロディであり、なんとも言えない懐かしい空気を運んできます。イマイチ唄いキレていないシンガーの存在といい、良い具合でのポンコツ感と、生々しい演奏も絶妙な空気感を演出、現代的な正統派スタイルと古いオールドスクールスタイルを混ぜ込み、古のNWOBHM時代から現代にタイムスリップして新作を作ったような感覚に陥る。
勿論、バブリーな80年代を通過儀礼した音楽性を土台に多様なサウンドを披露、様式美からメロハーまで守備範囲の広さは、その筋のマニアにとってはニヤニヤさせられるでしょうね。
若い感性を反映させたギターチームも王道を踏まえつつもなプレイだけに楽しめますよね。推しは何ですかと?問われると答えに困窮するのですが、NWOTHM群のアーティストに偏見のないマニアには安心して聴けるでしょう。


PLASMATICS - Coup d'État - The Damned ★★★ (2022-12-09 22:37:33)

ドラマティックですねぇ
音楽性の幅を広げてきた今作らしい一曲
アルバムを締めるのにピッタリです
惜しいシンガーを亡くしたなぁ


Crescent Lament(恆月三途) - 噤夢 Land of Lost Voices ★★★ (2022-12-08 16:08:59)

台湾産フォーク/シンフォニック系メタルバンドとして活動するバンドの3枚目、前作で聞こえたデス風味は更に薄まりアジアンなメロディを軸としたフォーク路線へ傾倒、その台湾風味満点のメロディは、韓流ドラマも真っ青のやり切りぶり、徹底して流れるレトロなアジアンメロディは、望郷を擽る場面も多く、今作のコンセプトとなる、日本統治から中国国民党時代へと移り変わる中で起こる悲劇が主題となり、これぞ台湾フォークメタルというスタイルを築き上げている。

少々味付けも濃いめで、この手の音楽に対する造詣もないワタクシには胃もたれ気味になるのだが、民族楽器も華麗に舞い踊り、その個性的なスタイルと懐かしい音色は欧米からは絶対に出てこないモノ、その絢爛豪華なアジアンロックの華麗なる舞、中華ゴシックメタルと言うのは、こういう音楽性なんだろうと認識させる。

良く言えば儚くも美しい繊細な歌声、でもメタル系としては弱い、そのあり方が個人的には大きな評価を分ける点でもあるが、この悲哀のある繊細なメロディを演出するのは、この声が似合いなのだろう。

この手のバンドは門外漢も甚だしいので適当な事は言えないが、日本でもない台湾の音、中華圏ならではのメロディと儚くも美しく散りゆく命運、その刹那な人生を煌びやかに移す、残酷絵巻とも言えるサウンドは、多くのファンを取り込むでしょうね。


Invader - Children of War ★★★ (2022-12-08 15:52:18)

不気味なアートワークが目を惹きます。まるでダリオ・アルジェントの映画みたいなジャケットですが、その不気味さから底知れぬ恐怖と地下室サウンドを想像するのですが、思いのほかストレートに疾走するパターンのバンドサウンドに驚きました。ドイツ製ですが、所謂ハロウィーンタイプの底抜けに明るくコミカルな陽性スタイルとは無縁のキリキリとしたマイナースタイルのサウンドを披露、ドイツというよりは、ベルギーあたりのスピードメタルを想起させる線の細いギターに懐かしさを覚えます。リリースが1986年という時点でも少々レトロな作りですが、そこが一番の魅力というのが、このバンド最大のポイントだ。
そしてふとしたフレーズに、オカルト的な陰影を盛り込みジャケットにある、犯罪の影が忍び寄る不穏な空気を演出してくる。
今作一枚で消えた為に、バンドの詳細は不明だが、この一筋縄ではいかないアレンジと聞かせる手腕、王道を押さえつつも在り来たりに聴かせなかったアイデアは1stとして合格点だろう。
欧州由来のマイナーメロディは引き出しも多め、その練り込み具合も引き込ませてくれますよ。