米盤The Heart of Chicago 1967-1997(15曲入り、89年のThe Heart of Chicagoとは別物)の片割れ。日本ではテイチク盤~1967-1981とワーナー盤~1982-1997に分かれ、しかも各々が15曲入りに増量されてリリースとなったもの。シングルバージョンばかりなので、例えば自分みたいにAlong Comes A Womanはアルバムバージョンの方が好きだという向きには物足りないかも知れないが、産業ロックと言われながらも輝いていたあの時代のCHICAGOを手っ取り早く未聴の人に紹介するにはもってこいのベスト盤だ。
Be My Babyのレビューで奇跡のユニットなどと言ったが、実際は2人の利害が一致した上での結成だったのだ。だからバブルと歩調を合わせるかの如く崩壊してしまった。 しかしそんな一時的なユニットとはいえ、2年の活動期間にリリースしたアルバム、シングルそれぞれ2枚が全て1位獲得したのだから大ブームだったよ。ただ、やはりBOØWYの時みたいなケミストリーは求めるべくもない。伝説にはなれなかったね。
JOHN FOGERTYの南部アメリカ的なVo.から、このバンドが南部出身と勘違いする御仁が後を絶たないみたいなので付け加えておこう。実は彼らは何とシスコ近郊バークレーの出身。しかもTOM以外の3人はハイスクールの同級生。実質JOHNのワンマンバンドであり、洗練のウェストコーストサウンドとは逆方向を向いた彼の音楽的嗜好(と声!)が色濃く反映された結果が、お聞き頂いているディープサウスなアメリカンルーツロック、当時で言うニューロックなのだ。シスコはLAとはまた違って個性的なバンドを多く輩出している土地柄、彼らもまた例外ではない。