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NOTHING IS MINE (Usher-to-the-ETHER)


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NOTHING IS MINE

2011年発表の5th。

何気なく買ってしまったんですが、これは素晴らしいですね。
個人的には、2011年のベストアルバムの候補の一つに入ります。
路線としては、邪悪なメロディのトレモロリフを伴うミニマルな疾走パート多め、ノイジーな音質など、基本的にはプリミティブブラックの様式を踏襲している感じですが…色々音に工夫が凝らしてあって、普通のプリブラよりも大分暗黒ムードが強い仕上がりになってますね。

まず音質が結構独特で、リフのノイジーで視界を黒く染めるような音色の割に、メロディはしっかり前に出して聴かせ、ドラムも抜けが良い音で録音されている感じ。この音質が、聴いていて心地良いだけでなく、実体性というか質量感のあるダークさを感じさせてくれて、曲の説得力を増してると思うんですよね。ヴォーカルがやたらドスの効いた低音がなりで、エフェクトのせいで地獄から響く悪魔の声みたいになってるのも、更に音にハクを付けてると思う。

また、前触れなく突然疾走したり、執拗なまでに邪悪メロの篭もったリフを反復したり、プリブラとしては破格のスピードで狂走してみせたり、展開に微妙にパラノイアックな部分もあるのが特徴。展開に合わせて音響の操作もするタイプで、2曲目冒頭のリフの音量が増していくところなんかは、視界が闇に包まれる様子がリアルに感じられるよう。最近のSATYRICONの威風のある暗黒性と、昔のMAYHEMの儀式的な気持ち悪さを足したようなメロディセンスもあって、その2曲目は初めてDARKTHRONEの「Transylvanian Hunger」を聴いた時の様な衝撃がありましたね…。

プリミティブブラックの様式を踏まえながらも、センスとアイデアで邪悪さを演出する作風は、個人的にはCRAFTを思わせたり。流石にブラック聴かない人にまで勧められるほどオープンな作風とはいえませんが、普段からカルトなブラックも好んで聴いている人は間違いなく満足するのでは…と思います。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-01-14 20:47:08)