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ARKTIS. (2016年)
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解説 - ARKTIS.
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2016-04-19 12:08:56)

2016年発表の6th。

前作「Das Seelenbrechen」が(特に後半部において)即興性・前衛性の非常に高い、キャリアでも異質な作品だったので、次はどうなるかと思いましたが…新たな要素を取り入れて進化しつつも、「Eremita」以前の高密度、高貴、高品質の3Kが揃った構築性の強い、プログレッシブなブラックメタルに戻った感じですね。知的ながら突き放したような所はなく、曲によってはメタルコア並にキャッチーなクリーンでの歌メロのサビがあるものも。ただしメタルコアのような軽快さではなく、それによってむしろ重厚さが演出されている印象。Ihsahnのこういう感性本当に好き。

「Eremita」以前の音源と比べると、電子音の使用がより大胆になっていることが大きな変化として挙げられますね。特に「South Winds」のイントロは予想の範疇になかった音なので、一瞬戸惑いました。が、このデジタルな音がバンドサウンドの空間を埋めていて、むしろより情景をくっきりと浮かび上がらせている感じ。脳裏に浮かぶ、水を湛えた神殿のような、神秘的な光景はPECCATUMにも通じるものがあります。

個人的には、電子音の使い方の上手さが最も感じられるのは「Frail」ですね。ピアノの偏執的な低音のリフレインやヴォーカルの捲くし立てと合わさり、パラノイアックで追い詰められた雰囲気が醸し出されている様に思います。間違いなく今作でのハイライトの一つかと。また、もう一つ大きな変化としては昔ながらのメタルを思わせる、ロックのダイナミズムをダイレクトに感じられるようなシンプルなリフが多用されている事でしょうか。これにより細やかに構築された音が、より取っ付き易く、より振り幅広くなっている気がします。

正直Ihsahnの音源に関しては、ファンなので冷静にレビュー出来てるとは思えませんが(笑)…今作は今まででも屈指の名作なのではないでしょうか。取り合えず今までの作品を気に入っていれば間違いなく買い。しかしこれを聴くと、Ihsahnのメタル以外の音楽性も発現する場所としてPECCATUM復活しないかな…とか思ってしまいます。今の所ライブ限定とは言え、EMPERORも活動してることですし…。



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