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ETERNITY / ANATHEMA
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イギリスのゴシック・メタル・バンド、アナシマの3rd。といっても彼らはこの後メタルとは違う方向に進んでいったらしい(このアルバムしか聴いたことないので知りませんが)ですが。初期はデス・メタルの要素もあったみたいです。
このアルバムに収められているのは、陰鬱でとても美しい音楽です。
帯の叩き文句は「逃れようのない苦しみは、時として美や快楽へと変わる」
部屋の電気を消して、自己憐憫に浸って陶酔するにもってこいです。
メタルと言うには全体的に淡い雰囲気で、拳を振り上げて絶叫とかいう世界には程遠い印象。もちろんメタル的アグレッションもあるにはあるけれど、大半の曲は優美なオーケストレーションで、耽美にアレンジされています。
ヴォーカルも多少は濁声を使用していますが、デス声ということはなく、普通に歌っています。メタルではないゴシック・バンド、例えばキュアーやデペッシュ・モード、バウハウスなんかの方に近い歌い方かな。あ、でも裏声で歌う感じではないです。ゴシック化した今のセンテンストのヴォーカルみたいなやつ。
1曲目のインスト「SENTIENT」から、いきなりもう幽玄の世界にさらわれてしまい、儚く悲哀に満ちた空気にどっぷり浸かってしまいます。
星の光が降り注ぐ雪原で、妖精が音もなく舞うのを見ているような、暖炉で薪のはぜる音を聞きながら、目を閉じて追憶に浸っているような、妙にセンチメンタルで胸を締めつけられる楽曲がずらり。
全体的に似たような色彩で染め抜かれているので、雰囲気ものとしてさらっと聴き流せもするし、どれか突出した曲があるって感じでもないですが、1曲気に入れば最初から最後まで楽しめる(悲しめる?)はず。
うにぶ 2003年2月1日(土)1時23分

このバンドの1〜2作は、デスVoでデス寄りメタルアルバムだったが、本作3rd からクラシカルなゴシック・ドゥーム寄りのメタルアルバム。
瑞々しく情感豊かなヴォーカル、クラシカルで愁いを帯びた繊細な旋律が全曲にある傑作です。涙ものの1〜2の展開に続く、3 のVoのシャウト部分も素晴らしい。アグレッシブでドラマティックな面も有ります。

あまりにも気に入り、彼らのアルバムを次々と求めて行った。
このアルバムはメタ友から頂いたのでした。帯・解説等無しですが中古で見つけて来てくれました。・・・頂いておきながら、こんな言い方してごめんなさい。本当に大きな頂きものをありがとう。

SENTENCEDの元Voが結成したバンド「THE BLACK LEAGVE」に、その方の URL 記載してます。
興味有る方は「THE BLACK LEAGVE」も見て下さいね。

ヴィレ 2003年2月9日(日)21時55分

美と哀しみの極致。
デス声は使われていないので、その辺を危惧している人は迷わず聴いてみて欲しいです。
SENTENCEDにハマった人はこのアルバムは気に入ってくれると思います。
叙情プログレが好きな人にもオススメ。
ボドムっ子 2004年12月11日(土)18時5分

このアルバムはなんていうか哀しくも美しいファン必聴
蒲生のTimo Tolkki 2005年2月5日(土)9時6分

ゴシックの名盤。
イントロからギターのアルペジオで徐々に盛り上がっていく様は鳥肌モンである。
個人的にボーカルが???な所が少しあるが、曲の美しさ・哀しさに圧倒される。
上でも言われているが、草原に一人寝転がり、満天の星空を眺めながら聴きたいアルバムである。想像するだけでとてつもなく悲しい。

5150 2005年6月18日(土)23時24分

96年発表3rdアルバム。

いきなり① 「Sentient」と②「Angelica」の素晴らしさに圧倒される。前作との比較どころか、現実の予定が全部吹っ飛ぶほどの衝撃が走る事請け合い。胸を締め付ける狂おしさで咽び泣くDanielのギターに感情が動かなければ、人間ではない。メタルもゴシックも何も関係ない。音とか音楽とかギターとか CDとかCDの普及とか、それらは全てこういった感動の為にあるはずだ。表現が駄目なら事実を述べるが、私は日本盤買った後さらに、曲数の少ない(再発ではない)輸入デジパック限定盤をまた購入した。それくらいの価値があったし、今もある。

が。

アルバム全体で見ると、この冒頭2曲は「浮いている」事に気付く。ここまで感情をあらわにした楽曲は、実は、他にはない。前作までの病んだ美意識は、この2曲を除いて、やはりこのアルバムにもしっかりと受け継がれている。私のような、その「病気度」を好んだファンからすれば、冒頭2曲は「やれば出来る」事を示した余裕であって、そこでまたこのバンドに惚れ込む事になったのだった。


前作の咆哮型ボーカルは消え、真っ当な「歌唱」がANATHEMA史上初めて採用されている。楽曲は3〜5分台となり、重苦しさも絶望も感じられず、一聴しただけで明らかにゴシック/デスの影が消えた事が分かる。「ヘヴィメタル・アルバム」だと言ってしまえる質感だ。が、それはこのバンドの健全性の証左では、決してない。彼らはここに来て、その癒せない病んだ美意識を、ゴシックという「ジャンル」に頼らずとも表現できるほどに成長したのだ。見栄えの良い装飾を纏ったその内側は、前作同様地獄のような絶望に満たされている。

最も分かり易いのが④「Eternity part1」だ。バンド史上最もスピーディーで疾走感があり、シンセも豪快に乗せて、さぁ盛り上るぞ・・・と思いきや、サビに辿り着いてみると、疾走感は消えないのに、いきなりボーカルが消えるのだ。サビの肝心なところに、何も用意されてない。それでも起承転結を当たり前のように成し遂げるこの曲の空虚さ。裏切りの演出。ANATHEMAが獲得したものは、こういった巧妙さであると思う。
ベースのDuncanの名前が多くクレジットされており、彼が主導権を握って制作されたのかもしれないが、彼の作詞・曲は良くも悪くも分かり易過ぎる(④も彼)。やはり美意識の実権を握るのは、Daniel Cavanaghであろう。

最後に、私のANATHEMA理解を大いに助けてくれた平野和祥氏の日本盤ライナーノーツから引用したい。
「今やこのバンドは、ダークさやヘヴィさの要素を直接的に描写しようとしているのではない、むしろ彼らはデス・メタルの暗黒主義の中で異様な形に変容した美意識に基づくサウンドを用いて、それらを聴き手の感性の中から呼び起こそうとしているのではなかろうか。」
mokusatu 2006年4月15日(土)4時45分

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