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CHINATOWN / THIN LIZZY
スノーウィが参加したせいかアンサンブル主体で今までのリジィっぽいサウンドですね。
ハードロックあり、前作の延長線上のポップな曲ありと内容盛りだくさんで飽きないアルバムです。
フィルのドラッグ問題があったにせよ、良いアルバムつくるなぁ〜。
僕自身は結構好きなんだけどな〜。Chinatown,Killer on the loose,Sugar Blues,Havin' a good time あたりの曲が好き。もっとも,ブライアン・ロバートソン時代のアルバムや,「ブラック・ローズ」あたりと比べちゃダメか。
フィルはおちゃめなんです。
歌い回しがアフロなんです。
うぃるび・すとろんぐだけで涙するんです。
「LIVE AND DANGEROUS」こそがTHIN LIZZYの最高傑作で間違いないだろう。
だが、これから聴く人に「LIVE AND DANGEROUS」と共に強く強くお薦めしたいのがこの「CHINATOWN」だ。
その理由は……
●「LIVE AND DANGEROUS」後の傑作
THIN LIZZYは名盤「LIVE AND DANGEROUS」でそれまでのキャリアを総決算している。
無論、それまでのアルバムを個々に聴く意義は大いにあるが、聴き始めには少ないアルバムで1曲でも多くの名曲を聴けた方が良い。
「CHINATOWN」は「LIVE AND DANGEROUS」後の作品なので1曲も被らない。
●新メンバー:スノーウィ・ホワイト
強力なギターヒーローを擁する「BLACK ROSE」「THUNDER AND LIGHTNING」が好まれがちだが、それはまさに諸刃の剣。
ヒーロー達のプレイは流石であり、アルバムの完成度も高い。
だが、その強烈すぎる存在感故に“THIN LIZZYらしさ"が染め変えられてしまい、ツイン・ギターのバランスを考えればマイナスにもなりかねない。
やはりツインの美しさはバランス・相性が肝心であり、その点PINK FLOYDにも認められたブルーズギタリストはあまりにも完璧なピースだった(本人は不本意だったようだが)。
THIN LIZZYにギターヒーローは必要ではないのだ。
●フィルの頂点を極めた時期
言うまでもなくTHIN LIZZYの魂はフィル・ライノットその人。
本作はそのフィルの創作力が頂点に達し、止めどもなく溢れるイマジネーションのハケ口をソロアルバムにまで求めた時期にあたる。
しかも平行するソロ作との差別化を意識し、「LIZZYの個性」を自ら問い質したアルバムとも言え、全編LIZZYらしさに溢れる楽曲で埋め尽くされている。
実際、以前の作品と比較しても“これぞTHIN LIZZY!!"と言いたくなる曲ばかりだ。
逆にこれが次作以降になると肝心のフィルの声が荒れ、時代の変化、方向性の迷い、制作上のトラブル等々の諸問題が出てきてしまう。
「LIVE AND DANGEROUS」が「上昇の黄金期」の総括なら、「CHINATOWN」は「爛熟の全盛期」を締めくくる作品なのだ。
●プロデュース、キーボード
キット・ウールヴェンは本作以外にも幻の「TROUBLE BOYS」やフィルの「SOLO IN SOHO」「THE PHILIP LYNOTT ALBUM」をプロデュースし、「BLACK ROSE」「RENEGADE」ではエンジニアを務める等、この時期のフィルの良き相棒であり、歴代プロデューサーの中でも1〜2のハマリ役だろう。
また、後に正式メンバーとなるキーボードのダーレン・ワートンがゲストで初参加したのも本作。
以後の作品では派手なシンセフレーズでメタリックな攻撃性を演出する彼も、本作では曲を書くでもソロを執るでもなくサウンドに厚みを加えるサポートに徹している。
しかもそれが素晴らしく的確であり、本作のハーモニーが美しく、LIZZYらしさをキープしている大きな一因となっている。
このように熟し切っても腐り始めてはいない刹那、「あくまでLIZZYらしく、かつ最も旨いフィル」を味わえるアルバムが「CHINATOWN」なのだ。
●関連作品
シングルB面のDon't Play Around、Memory Pain(パーシー・メイフィールドのカバー)も本作用の未収録曲と言われている(Trouble Boysは別セッション)。なお、ほぼ同時期に製作されたフィルの「SOLO IN SOHO」には当時のLIZZYメンバー参加曲が多数あり、特にDear Miss Lonely HeartはまんまLIZZY(キーボードはフィル)による演奏。
ツアー途中に脱退したゲイリー・ムーア(G)の後任にミッジ・ユーロとデイブ・フレットを加え、一時トリプル・ギター編成となったバンドであったが、本作はPINK FLOYDのツアー・メンバーでもあったスノーウィ・ホワイト、後に正式メンバーとなるダーレン・ワートン(Key)を迎えて製作、'80年に発表された。
アルバムをとおして一貫したストーリーがあるわけではないが、各曲とも「チャイナタウン」という舞台で起きる表と裏の世界をテーマにしているという点でコンセプト・アルバムと言えるだろう。
イントロのギターやコーラスが美しくメロディアスな名曲「WE WILL BE STRONG」、ギター・リフがクールなタイトル曲「CHINATOWN」、ツイン・ギターのハーモニーがあまりにも美しい「SWEETHEART」、軽快なシャッフル調ナンバー「SUGAR BLUES」、全英10位を記録した鬼気迫る疾走チューン「KILLER ON THE LOOSE」、独特のキャッチーなメロディとアグレッシヴなギター・バトルが聴ける「HAVING A GOOD TIME」、ハードボイルドな雰囲気漂う「GENOCIDE (THE KILING OF THE BUFFALO)」、ギターの奏でる甘いメロディが絶品のバラード「DIDN'T I」、フィルの優しげな歌唱が胸に染みる「HEY YOU」と、収録されている楽曲の全てが高品質であり、ツイン・ギターで奏でられるメロディも美しいことこの上ない。
数々の秀作を残している彼らであるが、本作も間違いなく名盤であると言えるだろう。
殺戮の聖典 2008年2月10日(日)10時24分