この曲を聴け! 

Keeper of the Seven Keys: The Legacy / HELLOWEEN
アメリフローラの95 ★★ (2007-02-27 05:19:00)
「出来る限り最高のレコードを作るんだという意欲を持って、恐れを捨てなければならない。
どんな作品を作っても、敬意を払ってくれない人はいつだっているよ。
でも、それが何だ。これがHELLOWEENなんだから。
気に食わないという奴は、ライヴを観にこないだろうし、邪魔しないでくれよって感じさ(笑)」
(メタリオン誌によるマーカス・グロスコフのインタビュー)
冒頭の大曲「The king For A 1000years」を聴いていると、上記のマーカスの言葉が思い起こされました。
作曲者としてメンバー全員の名前がクレジットされているこの曲は、まさしくバンドの総力を結集したような凄まじい出来映えで、
「聴け!これがHELLOWEENだ!これが今の俺たちだ!!」という意地と気迫がひしひしと伝わってきます。
続く曲も出来のいいものばかりで、ディスク1はまず文句なしの内容。
いや、あえて言うなら「Born On Jugement Day」がヴァイキーの曲としては物足りないんですが、
サシャの曲がその穴を埋めて余りあります。特に「Pleasure Drone」がツボに入りました。
ディスク2はプログレ風の大曲「Occasion Avenue」でまず仰天。
前作では「そろそろネタ切れ?」と心配させられたアンディが今回やってくれました。
「The king~」とは色合いが違いますがこれまた傑作。
続くバラードも「いかにも」という感じで一安心です。
3曲目以降は初めて聴いた時は「何か冴えない曲ばっかだな…」とテンション下がってしまったのですが、
不思議なことに何回か聴いてるとジワジワ来ます。実はスルメでした。
ディスク2をちょっと聴いて放り出したという人は聴きなおしてみるといいかもしれません。
ということでこの『新章』、HELLOWEENがいまだ衰えていないことを証明したかなりの名盤だと思います。
聴けば聴くほど印象がよくなってきて現在ヘビーローテーション中です。
ローランド&ウリ在籍時の作品が好きな私は『ラビット~』を聴いて
「マスターからダークまでは全部傑作だったのに…」と少しガッカリしたのですが、
今作でのアンディやサシャの曲を聴いて「これからのHELLOWEEN」に希望が持てましたし、
個人的最高傑作の『マスター・オブ・ザ・リングス』を超える作品を期待したくなりました。
なお、上で色々な方が書かれていますが、この作品を聴いても現HELLOWEENがダメと思うならもう
「ハロウィンはカメレオンを出した後で空中分解した。キスクはソロに転向し、ヴァイキーはアンディを誘って新しいバンドを作った」
と考えた方が精神衛生上よろしいかと。
正直なところ、アンディが歌ってる限りキーパー時代を求める方が納得する作品は永遠に出ないのではないでしょうか。
私はアンディの方が好きなので
「そんなにアンディが嫌なら聴かなければいいのに。わざわざ金を払ってまで不愉快な思いしなくても」
としか言いようがないのですが…。

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