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Some Kind of Monster / METALLICA
dave rodgers ★★ (2006-02-25 13:32:00)
メタリカというバンドとして見るのは当然だけど、「人と人との関わり合い」という印象のほうが強い。アルバム「ST.ANGER」の率直な心情は、あの当時のメンバーの不安や怒りを音に込めた"一回性"こそが魅力の一つになっているのではないか、これを見ているとそう思えてきた。「ST.ANGER」制作におけるメンバー内の激しい衝突、メンバーのカウンセリング、そのバンドの背景をみればアルバム「ST.ANGER」は奥が深いと思った。
かつて"民主的独裁"という支配的だったバンドの環境、いわゆる「ジェイムズとラーズのメタリカ」が初めてそのルールを破り、他のメンバーのアイディアに対しても寛容になったことが大きい。ジェイムズが語るように「俺はただ存在するのではなく生きることを選んだ」というように、メタリカとしてメンバー1人1人がメタリカというバンドに重要性を持った瞬間、何よりそのバンド・セラピーによる回想がバンドの状況を以前より遙かによくしている。(それはロバートが加入したことでもあり)。この「ST.ANGER」の全ては怒りの「初期衝動」であり、完成に至るまでのバンドの姿をリアルに映した鏡、というバンドにとってごく自然の作業で生まれた「真実の瞬間」そのもののアルバムだと、DVDを見ていて、そんな印象を受けた。

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