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Christ Illusion / SLAYER
殺戮の聖典 ★★ (2007-02-10 23:34:00)
前作発表後、2代目ドラマーとして長年バンドの屋台骨を支えてきたポール・ボスタフが脱退(後にEXODUSに加入)、オリジナル・メンバーであったデイヴ・ロンバードを呼び戻し、前作から約5年の歳月を経た'06年に発表された9th。
プロデューサーはジョシュ・エイブラハム。
ハード・コア色の強かった前作から一転し、本来のスラッシュ色を再び取り戻した感のある作風となっており、デイヴ在籍時最後のスタジオ作品であった「SEASONS IN THE ABYSS」を想起させる場面も。
冒頭の「FLESH STORM」は「WAR ENSEMBLE」と「BLOOD RED」を合体したような強烈なナンバーで、トリッキーなイントロで始まる「JIHAD」、邪悪なリフのファスト・チューン「CONSFEARACY」、ドリルのような鋭いギター・サウンドの「SUPERMIST」といったオールド・スラッシュ・チューンや強烈無比なドラミングとギター・リフを持ったリーダー・トラック「CULT」といったナンバーも聴き逃せない。
その他のハードコアな「CATALYST」、ザクザク刻まれるリフが印象的な「SKELETON CHRIST」、グラミー賞のメタル部門にもノミネートされたダークかつグルーヴィーな「EYES OF THE INSANE」、引き摺るようにヘヴィなリフの「CATATONIC」、うねるようなヘヴィ・リフの「BLACK SERENADE」といった曲も悪くない。
常に変化のない姿を見せてきたように感じられたSLAYERであったが、「本来の姿で帰ってきた」という不思議な感覚に陥れられた。
邪悪に満ちたアルバム・ジャケットも強烈。
個人的には'06年の一押しアルバムである。

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