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A Matter of Life and Death / IRON MAIDEN
クーカイ ★★ (2006-09-12 22:02:00)
何の問題もない傑作である。
これを傑作と言わずして、どのような作品を傑作と言うのか。
聴きこまなければ理解できない作品では決してない。一聴して即座に魅力的なメロディの奔流に圧倒され、終わるとまた聴きたくなる。聴きこめば聴きこむほどさらに良くなってくる。
本作には過去のメイデンの全てが凝縮されているが、単にそれだけでなくそこからさらに一歩進んでいる。現在進行形で進化している。
正直、(ライヴ盤を除き)8作目以降は「非常に良いのだが、アルバムトータルとして7作目以前の作品群を超えていない」というふうに評価していた。それでも「他のバンドの作品より遥かに好き」だし、変わりつつある彼等に対し「仕方がない」との諦念にも似た感想を抱いていた。とはいえさすがに8作目と10作目は厳しかったが。
前作にしても、ギターにエッジが戻りツインリードが魅力的な楽曲がいくつかあったことは嬉しかったが、メロディの良く言えば「ラフ」「ライヴ感溢れる」点、つまり悪く言うと「単純」さは完全に改善されていないように思え、それが少し残念だった。
しかし、ここにきて本作のような作品が発表されるとは。
私が思うに、あえて似た作風の作品を挙げるとすると6作目が挙げられる。しかし、楽曲構成の複雑さ、にもかかわらずグイグイと聴き手を引っ張っていくメロディの魅力は6作目を凌ぐ。
いずれにせよ、1作目から7作目までの傑作群に比肩する、あるいはそれらを凌駕するのが本作である。重ねて言うが、疑いようもない傑作だ。

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