この曲を聴け! 

Riot Squad / PARADOX
火薬バカ一代 ★★ (2009-10-28 22:01:00)
個人的に、数あるジャーマン・パワー/スラッシュ系バンドの中でも最も愛して止まない、
苦労人チャーリー・シュタインハウアー率いるPARADOXが'09年に発表した5thアルバム。
溜まりに溜まったフラストレーションを晴らすべく、叙情的なバラードや、起承転結を備えた様式美タッチの楽曲は
収録せず、ガンガン力押しに終始するアグレッシブな作風だった4th『ELECTRIFY』と同一路線を行く内容ながら、
どことなくサイバーな雰囲気が漂い、曲間にインストの小曲を配するなど、コンセプト・アルバム的な色合いも
感じられた前作に比べると、今回はややオーソドックスなHM路線へと引き戻された印象を受ける。
「掴み」には持ってこいインパクトのデカさを誇る名曲①を筆頭に、金属質なGリフと機関銃の如く刻まれるリズムが
一丸となって突進するハイパーな⑤⑦⑩等、昨今のスラッシュ・メタル・リバイバル現象に触発されたのか、
これまで以上に「スピード」に拘りの感じられる楽曲が数多く並んでいるのも本作の特徴であり、全11曲の
収録楽曲のうち、実に疾走系のナンバーが半数以上を占める。それでいて、男の背負った哀愁と憂いを伝える
チャーリーの歌メロや、ツインGが紡ぎ出す、如何にもヨーロピアンな風情を湛えた、暗い湿り気を帯びた
メロディに鈍りは皆無で、特に、スラッシーな攻撃性と疾走感を兼ね備えた曲調に、
勇ましくも劇的なツインGが絶妙に絡む②は本編屈指の名曲かと。
HOLY MOSESも来日するこの御時世、ぼちぼちPARADOXの来日公演も実現して欲しいなぁ、と。

→同意