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No Leaf Clover / S&M / METALLICA
toyoo50 ★★★ (2003-03-07 23:31:05)
No leaf clover 呆れるような大チョンボ訳

大成功への促成コースも
今回はいい具合だ
遠い雷鳴には何の注意も向けず
新たな一日が驚きとともに彼の頭の中を埋めている
今回はいい感じだという
向きを変え、正しい道筋を見つけたと
「生きていてよかったという日ですね」
「生きていてよかったという日だな」彼は言う
そこへ明らかになる
トンネルの果ての慰めるような光が実は
こちらへ飛ぶようにやってくる列車だったのだ (A)
今回はいい感じなんじゃないのか
願いどおりに総てが収まって
「目先の見返りにつられる奴だ」
「目先の見返りにつられる奴だ」彼らは言う
この翻訳は、どう読んでも哲学者が達観した人生の深淵、あるいは酔っ払いの寝言だ(笑)
支離滅裂な日本文は何を訴えようとしているのか理解に悩まされる。
この訳者が演じた惨劇は(A)の Was just a freight train comin' your way に由来する。
訳者は「こちらへ飛ぶようにやってくる列車だったのだ」 と訳した致命的ミスのため、最後まで全文解釈に悩まされたはずだ。
Was just の後に like が省略されていることに気がつかず、おまけにfreight を FLIGHT の過去形とでも間違ったのだろう。
FLIGHT は飛ぶこと。
FREIGHT は貨物の意味だ。
「飛ぶようにやってくる」 のではなく 「貨物列車がゆっくり近づいてくる」 が正しい。
「時間の推移」を、ゆっくり走る貨物列車に例えた意味の詩であって、その動作をジェット機のような素早さに誤訳したから全文脈が壊れてしまう。
そもそも、この歌は売れない場末のロック・グループが、ようやくチャンスをものにしたサクセス・ストーリー。
あるいは今やビッグ・ネームになったグループが苦しかった下積み時代を振り返るもの。あるいは、かつての自分たちのように悩んでいる新人を励ます応援歌。
だから歌詞のなかに一句もないNo leaf clover を題名とし、幸運を約束してくれる四つ葉のクローバーをもじった、と私は想像する。
オールアマチュア、つまり全世界のガレージバンドを声援する歌だろう。
自分たちは散々の苦労をして回り道の末にようやくデビューを果したつもりなのに、ファンや評論家は「いきなりのポット出が、幸運なまぐれ当たり」と、表面的にしか評価してくれない戸惑い(笑)
→同意