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No Parole From Rock'n'Roll / ALCATRAZZ
なP ★★ (2004-09-23 02:50:00)
このアルバムについてはだいぶ語り尽くされた感がありますけど・・・最初に動くイングヴェイを見たのはIsland in the SunのPV。シングルコイルを無理矢理付けたアリアのXXフライングVだったけど。TVKの番組でランディ木崎が興奮して紹介してました。当時の私は貸しレコードを借りてダビングする金にすら困っていてFMでエアチェックした2曲欠けていたニセアルバムを何度も何度も聴いたよー。
まさに水晶の如き煌きを感じさせる透明感のある粒の揃った音色(当時はディマジオFS-1使用)がまったくもって素晴らしかった。ここまでのスピードで弾く人はHR畑には確かにいませんでしたね。リッチー・ブラックモアがやるようなコキンコキンとした器用なオルタネイトピッキングを平然と2倍近いスピードで弾きこなすテクニックと、レガートなプレイでの何とも言えない色気の発散。ビブラートは音が震えてるんでなくきっちり音階を奏でているのにも。Jet to Jetの速弾きのキメ後から、トーンが太くなってキュィーンという入りでのメロディアスなフレーズの先の流麗なスィープなんか「もう勘弁して下さい」ってぐらいいい。まだ彼のプレイをどう表現していいか誰も分からずただ「速すぎるー」とか「クラシカル」としか言えなかったぐらいですから。それこそマイケル・シェンカーだってリッチー・ブラックモアだってクラシカル系と言われていてとても特別な存在だった時代なのです。
全体的にはイングヴェイの創作したアルバムの中でもとりわけPOPで聴きやすいタイプの音楽をやっています。RainbowだってMSGだってPOPなアルバムで市場を取りに行ってましたから必然です。このバンドの本来のリーダーはグラハムなわけでRainbowでは売れ線を狙った楽曲でひときわ実力を発揮した履歴があるということもあり、素養を良く考えられて選曲されております。あの力強い声は美しいメロディにこそ映えてしまうのね。イングヴェイはこのバンドのドラマーと仲が良かったと言っていたけど、この人、プレイは堅実だけど平凡な8ビートな人ですよね。シモンズ風の音色もちっとなー。
ま、世界的にはあんましパっとしなかったかも知れなかったけど、昭和30年代後半~40年代前半生まれの日本のHRファンに取っては大事な大事な心のアルバムでしょう。

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