この曲を聴け! 

Falling Into Infinity / DREAM THEATER
戦車マイヤー ★★ (2008-01-22 23:34:00)
97年発表当時の雑誌を読み返してみると、メンバー一様に「最高の出来」と語り、
評論筋も前作「AWAKE」が問題作だった反動からか、高評価が目立つ。
でも今となっては?・・・誰もほとんど取り上げないし、むしろDTの中では一番地味とか、
低迷期の作品だという声すら聞かれる。(完全に「AWAKE」と評価逆転してますし)
確かに他のアルバムに比べれば地味に思えるし、必殺!というほどインパクトのある曲もないです。
でもメンバー自身が語っていたように、この時期のDTに取っての「最高の作品」であり、
「自分達に正直」な作品だというのは、本当だったのだと思う。
このアルバムはDTで一番マイペースなアルバムと言えるでしょう。
良くも悪くも問題はそこで、割と前作から待たされた感があった当時はともかく、
今になってこれを他のアルバムと比較するように聴けば、地味、歯痒い、もっと辛口に
言うと「付き合わされてる感じがする」といった感想を持ちやすいです。
自分にとっても正直、このアルバムはよく言う隠れた名盤という類ではない位置にいます。
でも「好きな作品」であることは確かなんです。DT好きでない人には絶対薦められませんが、
DTが好きな人なら絶対外せないアルバムだとも思っています。メンバーの私的感情はもちろん、
この時期のバンドのプログレッシヴ・ロック方法論が際限なく発揮されています。
1、3、7のカッコ良さはこのアルバムだからこその雰囲気で、4、8のエモーショナルさと合わせて、
このアルバムを再評価・高評価たらしめるものだと思います。
(「ANNA LEE」は流石に小粒かな・・・)
しっかり聴き込めとは言いません。間が空いた時に、何の気なしにでも聴いてみてください。
思いの外、ちょっとした発見がありますから。

※余談:当初のアルバムタイトルは「STREAM OF CONSCIOUSNESS」。
没になったこの題名は、後に音色も、おそらくは音に込めた考え方も違うものとなった
1つの楽曲として、姿を現すのであった。
→同意