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Metropolis Pt.2: Scenes from a Memory / DREAM THEATER
うにぶ ★★ (2003-03-30 23:55:00)
あのDREAM THEATERがついにコンセプト・アルバムを!…というので、多くの人が多大な期待を寄せていたと思いますが、実際それに応えるだけの力作。
CD収録時間の限界近い大作で、緻密に構築された濃密なストーリー・アルバム。私も初めて聴いた時はあまりの緊張感に打ちのめされ、吐き気すら感じたほどでした。「やっぱりこいつらはすげぇ! これは間違いなく歴史的名作だ!」と。
でまあ、今聴いてもやっぱり傑作には違いないんですが、個人的に完璧な作品とは評価していません。
勿論そう思うのにはいくつか理由があります。
まず最初聴いた時にはストーリーに引き込んでくれたSEが、繰り返し聴くとうざったく感じられるんですよね~。音楽を楽しむ邪魔になってしまう。
それから緊張感あふれる演奏は楽しめますが、コンセプト・アルバムとしての側面から考えると必然性の感じられないところがいくつかあります。彼らの演奏力はもうわかっているから、技術のひけらかしみたいな部分はこのアルバムにはいらなかった(効果的に緊張感を引き出しているところも多くありますが)。
あとゲストの女性ヴォーカルのスキャット/ゴスペル・コーラスの導入があざとく感じられるのと、正直メタル的音楽には違和感があるということ。ジャンルのクロスオーヴァーは否定しませんが、うまく合うかどうかはまた別の話。
最後に肝心のストーリー自体がちゃちなのは…まあ『OPERATION:MINDCRIME』とかだってそうなんですけど……。さすがにライヴの映像で明らかになった例の真相というやつは、「おいおい、なんだよその御都合主義は(笑)」って思っちゃいました。でも彼らは別に小説家でもないし、ハリウッド映画にだってひどい脚本多いから許容範囲かな。
とまあなんだかんだ不満ばかり言っちゃってますが、充分に感動的だし、この作品が凄まじいまでの完成度を誇っていることは否定のしようもありません。凄いアルバムだと思います。

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