この曲を聴け! 

Mr. Big / MR. BIG
ポール・ビッテンコート ★★ (2005-04-26 17:01:00)
1989年発表の1st。一聴しただけでテンションの高さが伝わってくる、本当に恐ろしい作品である。
1曲目の「ADDICTED TO THAT RUSH」のイントロを聴いて、「これ何の音?」と思った人は沢山いるだろうと思う。そう、これがMR.BIGのベーシスト、ビリー・シーンの“音"なのだ。ギタリストでも思いつかないような奇想天外なアイデアを、彼は普通にやってのける。“超人"の異名を付けられるのもうなずけるというものだ。
超人的なプレイをするのはもちろん彼だけではない。(皆さんもうお分かりだと思うので1人1人について詳しく触れないが)MR.BIGは“一流アーティスト"の集合体とも言える。全員がそれなりの経歴を持ついわゆる“スーパーバンド"(陳腐な表現で申し訳ない)なのだ。
だが、そういった“我の強い"メンツが集まると、それぞれの主張が強すぎて結果的に悪い影響が出ることも少なくない。だが、この作品を聴く限りでは全くそんなことはないと言っていいだろう。そんな心配は天才たちには無用だったようだ。常に、メロディーの良さを活かそうとしているのがうかがえるのである。確かにテクニック的にはとんでもないレベルのこともやってはいる(ただ、本気を出したらこんなものでは済まないだろうが…)。だが、曲を壊してはいない。それどころか1曲通して聴くと、パンチの効いたアクセントでもあり、時には(特にバラードなどでは)上品なスパイスの様でもあるのだ。
未熟な若いバンドには出せない味わい深さがあり、ふんぞり返っているベテランバンドでもない。もっとも僕の好きな“スタンス"のバンド、それがMR.BIGだ。残念ながらもう解散してしまったが、僕の中ではいつまでも色あせることのない大切な存在である。
世間一般では2ndが“超名盤"だが、個人的にはこの1stの方が好きだ(もちろん2ndも好きなのだが)。その理由は冒頭でも述べた通り、“テンションが高い"からである。「ADDICTED~」のPVを是非観ていただきたい。伝わるはずである!!!

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