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BLUE BLOOD / X JAPAN
火薬バカ一代 ★★ (2008-06-21 02:31:00)
46人編成からなるオーケストラを起用した、壮大な序曲①(FRANK MARINO & MAHOGANY RUSHのカヴァー)から繋がっていく、
パワー/スピード/メロディと、三拍子揃ったパーフェクトな名曲②でアルバムの幕が開き、物悲しくもキャッチーな③、
聴いてるとテンションが上がって仕方がないバンドのテーマ・ソング⑤、メジャー・キーを用いた感動的なバラード⑥、
アルバム第1弾シングルとして、大ヒットを記録した劇的なスピード・ナンバー⑧、スラッシーなエネルギーが炸裂する⑨、
本編のクライマックスを飾るに相応しい、クラシカル且つドラマティックな⑪(中間部のピアノ・ソロ・パートは
鳥肌モノのカッコ良さを誇る)、ラストを叙情的に締め括る⑫・・・と、YOSHIKIの曲作りの才がますます冴え渡る、
Xのメジャー・デビュー作にして出世作、そして最高傑作でもある、'89年発表の2ndアルバム。
荒々しいパワー・メタル・サウンドが炸裂していた1st『VANISHING VISION』に比べ、アレンジがより綿密に練り上げられ、
収録曲も、HM然とした疾走曲から、ノリノリのロックンロール、捻りの効いたインスト曲、
胸を打つバラード、そして、起承転結が完璧に決まった10分以上に及ぶ大作に至るまで、バラエティ豊かに取り揃えられていて、
何より、飛躍的に表現力を増したVoの存在が、本作を、幅広いリスナーにアピールし得る、普遍的な魅力を備えた作品に仕上げている。
著しく迫力に欠けるサウンド・プロダクションが惜しまれるが(音質の問題は、終始、彼らの作品に付きまとっていた)、
楽曲の持つパワーは、そうしたマイナス面を補って遥かに余りある。
メジャー・アクトたるに相応しい洗練と風格を身に付けた、日本HR/HM史に燦然と輝く名盤の1つ。

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