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Cryptic Writings / MEGADETH
メタラァ ★★ (2004-09-13 19:05:00)
「あれ?ENTER SANDMAN?」なドラムから始まる①、そこから④までずっと"歌志向"の曲が続いて、前作を聴いていない俺は一応"こういう時期"だと雑誌で読んで知っていたとは言え「もっとアグレッションが、スピードが欲しい…」と思ってしまった。そして待望のアグレッシヴでスピーディな⑤を聴いて素直に喜んだ。が、そこからまたスピードを落とし⑨までは前半と同じ感じに。超名曲⑩の登場にも「RUDE AWAKENING」を事前に聴いていた俺から「音圧が足りん!」などと思われてしまう始末。次の⑪もメタリックで曲としてはなかなか格好良い。で、最後にまた『彼ら』からの拝借品(といってもその"拝借品"を『彼ら』が発表したときにはムステインはまだ…)かと思わせられる⑫で本編が閉められる。(普通に聴く分には格好良いけど)
何度か聴いて思ったのが「中途半端」。
「もっとビッグになりたい」とムステインは思っていて、その影響でどんどん"歌モノバンド"へと変貌していったと考えているが、その反面、本作には⑤⑩⑪⑫といったメタリックな曲も収録されている。まるで「僕らはMETALLICAとは違います。こういうことも出来ます。別に売れ線に走ったわけじゃありません」とわざわざ言ってるようでならない。(まぁ、ムステインの歌が"売れ線"の仲間入りできるかはわからないけど)
本編のアマタとケツでMETALLICAと似たリフやフィルが出てきたのは偶然だとしても、「何故奴らは売れたのに…」とか「奴らのように…」みたいな部分が感じられてしょうがない。なのに「こういうことも出来ます」とメタルしちゃうんだから中途半端だなぁって思った次第。
まぁ、こんなの俺の勝手な想像を交えた感想だからあまり気にせんで下さい。
想像を排除し、単に曲などの観点から見ると、曲は良いのもある。やっぱり「she-wolf」は名曲だし⑤とか⑫も格好良いことは格好良い。ただ、本作は「MEGADETHで最も良いサウンド」といわれているが、なぁんか勢いが足りない音に思えてならない。さっき「she-wolf」に関して「RUDE AWAKENING」のヴァージョンの方が格好良い、と言ったが、それは勿論MEGADETHがライヴ・バンドだということも無関係ではない。が、サウンドの持つ圧力がまるで違うから、という要素が強いんだと思う。
早い話(?)がこのアルバムで「she-wolf」を気に入った人は「RUDE AWAKENING」を聴いてみて欲しいな、と。良い曲がさらに格好良くなってるから。
本編全12曲中3分の2を占める"歌モノ"の曲をあまり気にいることが出来ず、全体の3分の1であるアグレッシヴな曲を気に入った俺には正直イマイチなアルバムという印象だった。
でも、「she-wolf」が入ってるってことはやっぱり"必聴盤"なのかも知れない。

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