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V / VOW WOW
火薬バカ一代 ★★★ (2011-11-12 19:55:41)
'86年リリースのライブ盤『HARD ROCK NIGHT』を一区切りとして、レディング・フェスティバル参戦を含む本格的な英国進出、オリジナル・メンバー佐野賢二(B)の脱退とニール・マーレイの加入等、激動の時代を迎えていたVOW WOWが'87年に発表した4thフル・アルバム。
“SHOT IN THE DARK”の如きヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーや“SHOCK WAVES”級の超名曲が見当たらない代わりに、収録各曲のメロディやアレンジはこれまで以上に丹念に練り込まれ、粒が揃った本編は前作『Ⅲ』を大きく凌駕するクオリティの高さ。
スリリングに切り込んで来る“SOMEWHERE IN THE NIGHT”や、哀愁に満ちた“THE GIRL IN RED”、猛烈に泣かせに掛かる劇的なバラード“CRY NO MORE”といった「これぞメガロック!」な楽曲で堪能出来る、各メンバーの硬軟自在のパフォーマンスは相変わらずの見事さですが、今回、特にその良い仕事っぷりが光るのは厚見玲衣のKeyワークで、彼の流麗にして華やかな演奏は楽曲の叙情性とドラマ性底上げに大きく貢献。中でもUKチャートにおいても好リアクションを得たという先行シングル曲“DON'T LEAVE ME NOW”はその筆頭に挙げられる名曲。ジョン・ウェットンが作詞とプロデュースを手掛けているだけあって、どこかASIA的な響きを持つキャッチーな哀メロが心地良いったら。アルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか。
個人的には、デビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と並んでVOW WOWの最高傑作に推したい1枚ですね。

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