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Depths of Death / SENTINEL BEAST
火薬バカ一代 ★★★ (2014-10-11 01:13:30)
カリフォルニア出身の5人組、SENTINEL BEASTが'86年に残した、捨て曲なしのUSメタル裏街道を行く名盤。
このバンド名でMETAL BLADE所属。しかも『METAL MASSACRE Ⅶ』に楽曲提供もしていた・・・と聴けば、凡そどんな音楽性の連中か想像が付くかと思いますが、正解です。「とても女が出してる声とは思えない」と評されたデビー・ガン嬢の剣呑な歌唱、傍若無人に弾き倒す2本のG(片翼のマーク・コヨサコは日系人かな?)、アタッキーに主張しまくるBと、暴れ馬の如く跳ね回るDsという初期IRON MAIDENリスペクトなリズム隊とが、生き急ぐかのように突っ走るパワー/スラッシュ・サウンドは、あられもなくJUDAS PRIESTとIRON MAIDENからの影響をモロ出しにしつつも、更にそこにUS産メタラーらしい肉食系アグレッションも加味。本編はまんま“THE HELLION”風のイントロで幕が上がりますが、威厳や風格よりも、荒んだ喧嘩っ早さが勝る楽曲の数々は、メタル・ゴッドならぬメタル・チンピラといった趣き。
特に、地獄の番犬が姿勢を低く構えて地を駆ける姿が思い浮かぶ①③⑥のカッコ良さは特筆モノで、勢い任せに暴れ回っているようにみえて(事実その通りなんですが)、緩急を踏まえたドラマティックな曲展開等にも気が払われている点も高評価ポイント。なればこそIRON MAIDENの名曲“PHANTOM OF THE OPERA”のカヴァーもバッチシ決まっています。
SIGHの川嶋未来が「エクストリーム・メタル史において女性Voをフィーチュアした最も偉大なアルバム」としてそのタイトルを挙げるのも納得の1枚ではないでしょうか。

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