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My God-Given Right / HELLOWEEN
ヤングラジオ ★★★ (2015-05-29 21:58:55)
もし、これが何の意図もなく出来上がった作品ならば、問題作とも言える内容かも知れないけど、僕の考えでは、彼らがあるコンセプトを持って作った作品であり、結果的には彼らのやる気と懐の深さを証明する力作に仕上がっていると思う。

僕は「Gambling~」「7 Sinners」そして前作「Straight~」を3部作と呼ぶくらい気に入っていて、3度目の黄金期の到来と感じている。
それは、自分たちの枠を設定しない自由な環境の下での曲作りが成し得た結果であると同時に、らしさを保ちつつ、キャッチーさを優先した曲作りを行った結果でもあると思う。
唯一「7 Sinners」だけは、コンセプト作であった為、楽曲は比較的地味であり統一性を重視した内容であったけど、それでもキャッチーさは大事にしていたと思う。

この新作、敢えて目先を変えてきた感覚が強く、それは大まかに言えば同じコンセプトで3作品似たような作品を作ってきたわけだから、ちょっと違うアプローチで試してきた感じがする。
恐らく、前作のような作品を作る事は彼らとっては簡単な事であり、勿論そのような選択肢もあるんだけど、ベテランでありながらも守りに入ることなく、まだまだ攻撃的に攻めていこうとする姿勢は、ある意味凄い事だと僕は思う。

別の角度からのアプローチ.......である為、聞き方によってはキャッチーさが足りないと感じるかもしれない。
それが、イマイチという評価に結びつくかも知れない.......。
だけど、自分たちはまだまだ現役バリバリであるという強い主張は、実に頼もしく貫禄さえ感じてしまう。

アンディ時代の独特のキャッチーさは、正直少ない。
だけど、敢えてこういう作品を作ってくるHELLOWEENというバンドは、実に奥深い。
従来の作品とは一線を画すこの新作、HELLOWEENらしさとは何なのかを問うには、もってこいである。
このソングライティング力は、やっぱり単純に凄い。

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