この曲を聴け! 

ユグドラシル / BUMP OF CHICKEN

名無し ★★★ (2016-03-01 13:06:33)
ミキシングも関係しているのだろうけど、このあたりから音が洗練されていったような気がする。
個人的に最高傑作はこれですね。
今と比べるとギターがジャキジャキしてバンド感もありました。
正直、もともとこのバンドにあまりバンド感とか演奏力は求めていないのですが、このメリハリがちょうどいいんです。
前作と比べると、ギターの粗削りな感じはなくなり代わりに外部の楽器を導入する動きが出始めました。
この変化に未だに難癖つける方はいますが、どのバンドでも変化は必要なんで致し方ないでしょう。
自分にとっては当時から良い意味での変化を感じました。

そして、藤原氏のルーツであるカントリミュージックの影響を感じるのはこの作品から顕著になってきましたね。
最近発売された新作「Butterflies」は近年流行しているEDMとカントリーが絶妙なバランスで調合されたなかなか面白いアルバムでした(さすがに表題曲のあまりの変貌ぶりに驚きましたが)。

「動」と「静」を使い分けてるようで、全体的に物寂しい暗さを感じますね。
特に「Embrace」と「太陽」は個人的に忘れない思い出の曲です。
暗いけど、どこか温かみを感じるのはなぜでしょうかね。
このバンドはコード進行に「この部分で泣かせてやるか」みたいな要素がないのが好感持てます。
それなのに泣けてくる、それが不思議な魅力だと思っています。

心を洗われるようなヒーリング効果のような音楽です。
それは人間誰しもが抱える「孤独」や「痛み」を歌っているからでしょうか。
決して薄っぺらなんかでない、藤原氏だからこそ生み出せるリリック。

近年は「RAY」以降久々に彼らの良さに気が付き再び聴くようになりましたが、発売から10年以上たった今でもこのアルバムは思い出の一枚ですね。