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Firefly / URIAH HEEP
火薬バカ一代 ★★ (2008-02-02 01:45:00)
中期URIAH HEEPを代表する名盤の1つにして、永遠の名曲“SYMPATHY"
(「哀れみの涙」という邦題も秀逸)を収録した、'77年発表の8thアルバム。
攻撃的なKeyワークや大作主義など、プログレッシブ・ロック的な要素が影を潜め、代わって、美しくも儚いメロディが
アルバム全編を支配する作風は、まさにジャケット・アートワーク通りの、淡くファンタジックな世界観に包まれた仕上がり。
激しさや刺激には欠けるが、サビメロから滲み出す哀愁が胸に沁みる①、5分間の中に劇的な曲展開が凝縮された②、
しみじみと浸れるスロー・ブルーズ⑥、幻想的な⑨といった楽曲を筆頭に、全編に満ち溢れる
切ない泣きメロの魅力の前には、文句を言う気も失せるというもの。
また、今回より新たにバンドに加わったジョン・ロートン(Vo)の存在も特筆すべき点で、線の細さ(繊細さ)が魅力だった
前任者達とは異なる、張り/艶/伸びと、三拍子揃ったハイトーンを駆使してパワフルに歌いまくる彼の歌唱は、
大人しめの楽曲に、ダイナミズム(陰影)を刻み込む事に大きく貢献。その最大の成果と言うべきなのが、
名曲中の名曲⑧であり、この泣きのロック・チューンの終盤における、ロートンのコブシの効いたシャウトは、
何時如何なる時に聴いても、胸を締め付けられる程の感動を味あわせてくれます。

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