この曲を聴け! 

Focus / CYNIC
悪い悪魔 ★★★ (2020-08-07 17:31:08)
デスメタルの新たなスタイルを提示した事で名盤とされているCynicの1stです。
1発目のVeil Of Mayaがインパクト大で、聴き流していると「Veil〜とその他」という印象になりやすいアルバムだと思います。
1曲目ほどではないですが、2、6、8曲目は比較的分かりやすい(というより印象的な)曲だと思います。
これら以外の曲は、いつまで経っても覚えられないかもしれないです。
というのも、ちょっと曲構成に難があると思うんです。
聴かせ方がヘタというか。
メロディセンスや曲の「展開」の方は全く問題ないんですが、繰り返しが少ない、又は繰り返しのタイミングが悪いために纏まりが無く、やりっぱなし感があります。(当たり前ですが、曲というのは繰り返しで纏まりが出るんです)
メロディセンスは凄く良いし、リフセンスもばっちりでフレーズの展開もナチュラルなんですが、いかんせん引っかかりが少なくスルスルっと流れてしまいます。
そういう点では、先輩のDeathの方が曲に引っかかりを作るのは上手かったかな?と思います。(メロディに関してはCynicの方が僕は好きだし、Deathはインパクト重視な作曲法のため破綻しかけている部分がありますね)
そんなわけで引っかかりという点で物足りなさを感じるものの、細かく刻まれるリフはとてもカッコよくて素敵ですね。
リフやメロディがカッコいいだけに繰り返しが少ないのがホントに惜しい...。
まあ、言うてデビューアルバムなわけで、そういう詰めの甘さは仕方がないところですね。
Veil Of Mayaは誰しも認める名曲ですが、個人的には2、6曲目が好きなので聴いてみてください。
この2曲はヴォコーダーを使った歌メロはインパクト不足ですが、リフがなんてったって素晴らしいんですよ!!
6曲目の初めのリフとラストの疾走リフはたまらないっすな...!!
実は僕、ちょこっとだけ作曲をするんですが、リフに関してはCynicからかなり影響を受けており、一時こういうリフの作り方を研究してました。(今でも憧れてます)
現在でも通用すると思いますし、テクデスのお手本のようなリフですね。
アイデアの斬新さと圧倒的なフレーズセンスでデスメタルに革命を起こしたわけですが、デビューアルバムとだけあって少し物足りなさも感じてしまう作品でもあります。
時間も短いですし、その点でもボリューム不足感は否めないですが、部分的に抽出して聴いてみると素晴らしいフレーズが沢山あるので聴く価値はあります。
ヴォコーダーのメロディに気を取られがちですが、バックの演奏がとてつもないので集中して聴く事をお勧めます。
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