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TMG I / TAK MATSUMOTO GROUP (T.M.G.)
失恋船長 ★★★ (2021-10-02 16:41:49)
個人的に、松本孝弘さんは生粋のメタルギタリストだと思っている。従って稲葉浩志さんとのロックデュオに対する思い入れはゼロなのだが、(あの二人が揃っているのにいつまで売れる曲をやっているのだろう?今ではファンの為のバンドになりつつある)エリック・マーティンとジャック・ブレイズ、ブライアン・テッシーにシンディ・ブラックマンと名うてのミュージシャンを従え完全無欠のロックアルバムを制作している。
とにかく、松本のギターは自由奔放に弾いている。彼特有のトーンを操りダイナミックに弾く姿は頼もしい限り、売れたが故にパクリ云々で非難される彼だが、ここで披露するコンポーザーとしての手腕、和風のメロディも嫌味なく溶け込み日本人にしか出来ないロックを披露している。
ダイナミックなハードサウンドとエリック・マーティンのソウルフルな歌声の相性も抜群、当然、稲葉さんが唄っても様になるような曲も満載であり、聴かせる声を持っているマーティンに負けないギターで応戦する姿に、やはり生粋のロックギタリストとして見たい、彼の雄姿がここにあります。
勢いのあるシンプルなロックサウンド、色々仕掛けてはいるが、どれもノリが良くライブで一緒に口ずさめるような親しみやすさ満載である。そういう和洋折衷スタイルは掴みの①でOK、和のテイストが効果的に働いています。
個人的にはヒットポテンシャルの高い作風であり大成功したと思っていたら、思いのほか向こうのファンから評価されなかったと聴く、やはりミドルテンポ主体でギターも太いからだろうか?
いずれにしろ、松本孝弘なんて売れる曲の人でしょう、JPOPの重鎮でしょうなどと、軽く見ている人には参加メンバーの豪華さに騙され聴いて欲しい一枚である。
耳を惹く良質のメロディとロックが持つ野性的ダイナミズム、それを繊細な感性で彩ることで深みを持たせ、ポップ性や華やかさも見事に開花させている。ガチムチのメタルサウンドを楽しみたいマニアには進めないが、王道を闊歩するロックが好きな人なら聴いて損はしないでしょう。

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