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The Crimson Idol / W.A.S.P.
火薬バカ一代 ★★ (2008-07-24 21:24:00)
毒々しいルックスと、確かなクオリティを備えた楽曲、そしてショッキングなライブ・パフォーマンスを以て
高い人気を博した、ブラッキー・ローレス(Vo)率いるLAメタル・バンドW.A.S.P.が、前作『THE HEADLESS CHILDREN』
辺りからいよいよ顕著になり始めた、「ビジュアルよりも楽曲重視」の姿勢を更に押し進めて作り上げた、
'92年発表の7thアルバムにして、「孤独なロックスターの栄光と転落」を描き出した、傑作コンセプト・アルバム。
ブラッキーの自伝的内容を多分に含んでおり、元々は彼のソロ・アルバムとして制作されたものの、レコード会社の
要請でW.A.S.P.名義でリリースされるに至ったという本作は、制作時期の近さとストーリー内容から、
よくSAVATAGEの傑作ロック・オペラ『STREET OF A ROCK OPERA』と比較されたりしていたが、物語の結末は大きく異なっているし、
何よりこちらの方が、よりストレートでへヴィ・メタル然とした作風に仕上がっている。
個性的な声質を駆使して、胸を揺さぶる圧巻の熱唱を聴かせるブラッキーのVo、登場人物の感情の振幅を見事に
表現しきったボブ・キューリックのG、そして、手数の多いドラミングで、作品のドラマ性とダイナミズムを飛躍的に
高めるフランキー・バネリのDsによって、ガッチリと構築された楽曲は、起承転結が完璧に決まった劇的極まりない
序曲①に始まり、中盤のハイライトたる本編随一のハードさを誇る④を経て、悲壮感漂うドラマティカルな
ラスト・ナンバー⑩に至るまで、一切の捨て曲なし。多くのファンが「デビュー作以来の傑作!」
と太鼓判を押すのも、大いに納得のいく内容に仕上がった、まさに名盤。
尚、現在ではリマスタリングが施され、大量のボーナス・トラックを追加収録した、非常にお買い得な2枚組仕様で
再発されているので、興味を持たれた方はそちらの方を購入する事をお薦めさせて頂きます。

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